BL作品

惟が、陽太に抱きつく

惟が、陽太のことを叩く

キーンコーンカーンコーン

きっと、陽太は俺の気持ちに気づいてない

この気持ちを言ってしまったら、

気づかれてしまったら、

この関係は終わってしまう。

言わないでおこう、

閉まっておこう

秘密にしておこう

｢好き｣という気持ちを

みんな：ꉂꉂ(ˊᗜˋ*)ʬʬｹﾗｹﾗ

やっぱ、言えない

放課後

ポタ、ポタ、

ザーザー

雨の音に、俺の声がかき消される。

なんでこういう時だけ雨降るんだろうな、

あ〜、そういえば、陽太に言っちゃったな

好きだってこと、

きっと、これでこの関係は終了。

雨で濡れて、泣いてるってことはきっと、

気づかれない。

やっぱ、雨、降っててよかったな

バサ

陽太の匂いが俺を包み込む

雨で濡れてるはずなのに 暖かい陽太のジャンバー

あぁ、もうこれで関係が終わるなんて

思いたくないな

怖い、

これ以上話されるのが怖い

この先、陽太は何を言うの？

俺はこのままの関係でいたい？

それとも、

気持ち悪いから縁を切る？

はたまた

俺も好きだって？

何を言うの？

違う、

からかってなんかないんだ、

陽太はすごく真っ直ぐな目をしてる。

すごく、真剣なんだ。

言っちゃったら、

この関係が終わる。

だめだ、

言ったら

っ！

暖かい陽太の｢好き｣が

頭の中で何度も、何度も、繰り返される

あぁ、同じ気持ちだったのか

ほっとしたかのように、息を吐く

同時に、鼓動が早まる。

ぎゅ

あぁ、惨めだな、

でも、好きな人の腕の中で泣くのは

孤独ではないと、実感できる。

優しい陽太の匂いが大好きだ

落ち着く陽太の声が大好きだ

優しく微笑む陽太の笑顔が大好きだ

陽太が

大好きだ。