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砂上流気

口に合うと良いが……まぁ、苦手なものは残してくれて構わないので

机の上に並べられた料理を見て目を見開くデルキラ

デルキラ

おお!これが人間の食事か
所々違うが、魔界で見たことがあるようなものもあるな!

味噌汁。 白米。 卵焼き。 焼き魚。 漬物。

日本の食卓に定番に並ぶ料理に、デルキラは興味津々といった様子だった。

その手元には箸は慣れてないだろうという流気の気遣いで、スプーンとフォークが置かれていた。

デルキラ

じゃあ早速頂くぞ!

砂上流気

どうぞ

流気にとって悪魔は討伐の対象だった。

その悪魔ととも住み、こうして食卓に座っているのだから、

砂上流気

(おかしな事態になったものだ)

味噌汁を啜りながら、流気はそう思った。

デルキラ

ルキ、これはなんだ?
とても甘くて旨い!

砂上流気

それは卵焼きだ。
家によって卵に混ぜる材料が違うが、家は砂糖を入れた。

砂上流気

一通り料理の紹介をしたほうが良さそうだな

デルキラ

ぜひ頼む

砂上流気

まずは、手元にある白いつぶつぶだが、それは米という。穀物を食べれるよう改良したものだ。

デルキラ

穀物を食べれるように改良………人間は面白いことをやるな

砂上流気

米は噛めば味が出てくるが単体で食べるものではなく、おかずと一緒に食べるものだ。
今日のメインのおかずは焼き魚だな。

デルキラ

これか?

フォークで焼き魚をつつくデルキラ。

砂上流気

つつくな

砂上流気

焼き魚は骨があるから骨を取りながら食べ…………

と、デルキラは焼き魚にざっくりとフォークを刺すと、そのまま持ち上げて口に放りこんだ。

デルキラ

ん?なんか言ったか?

砂上流気

口に物を入れながら喋るな

砂上流気

(そうか、こいつは立派な牙が生えている悪魔だったな)

流気は苦い表情で頭を抑えた。

デルキラ

これも旨いな。魔界でも似たようなものを食べたことがあるな

砂上流気

魚を焼いただけのものだからな

砂上流気

しかし、一気に一尾食ってしまうとは………仕方ない、私のをやる

デルキラ

え?いいの?
でもルキのがなくなっちまうじゃねーか

砂上流気

元々朝食はあまり取らない方なんだ

そう言ってデルキラの方に焼き魚の乗った皿を置く流気。

砂上流気

あまり腹も空いてないから、米を戻してくる。
今度は焼き魚は米と一緒に食えよ?

デルキラ

りょーかいー

机の近くにある棚の上にある炊飯ジャーに米を戻す流気。

そのまま茶碗や食べ終わった味噌汁のお椀なども台所に持ってきて、洗う。

デルキラ

ねー、ルキちゃん

砂上流気

なんだ

デルキラ

もうちっと食いモン貰えない?

食器を洗う手を止めて、デルキラの方に振り向く。

流気のものより少し多めに持ってあった食材は綺麗サッパリなくなっていた。

砂上流気

………聞くが、腹何分目だ?

デルキラ

まだまだ全然食えるぜ!

目を輝かせて言うデルキラを前に、流気は素早く冷蔵庫を確認した。

仕事上遠方に行くことも多く、いつでも家を空けられるように食材はいつも最小限しか用意してなかった。

今日の食材は他人(悪魔)が泊まるということで、帰りにスーパーで購入したからあっただけで、 それ以上の用意はない。

砂上流気

(もう少し買い込んでおけば良かった…、)

流気は頭を抱えた。

デルキラ

もしかして、ない?

砂上流気

あぁ、外に食べに行くか?

デルキラ

人間界のレストランは興味があるが、俺様結構食べるぜ?

砂上流気

金のことは上に請求するから安心しろ。

砂上流気

それよりも、食器を持ってきてくれ。洗い物が終わったら外に出る支度をする。

デルキラ

この俺をそんなふうに小間使いにできるとは、ルキちゃんやるねぇー

砂上流気

働かざる者食うべからず

デルキラ

なにそれ?

砂上流気

ことわざだ。働かないものは食う資格が無いという意味の………

砂上流気

うちに住まうからには………人間界にいるからには、魔界のように偉い態度が取れると思うなよ。
多少の家事はしてもらう。

デルキラ

ルキちゃんキビシー

砂上流気

今のお前は使い魔だ。
私は厳しいぞ?
覚悟しておくことだな

デルキラ

俺様にそんなことがいえるたぁ、ルキちゃんは本当に面白い女だなぁ

最後の一枚を水切り場に上げると、濡れた手をタオルで拭く。

水気がなくなった手で、タオルを離すと、デルキラは彼女の手の上から自分の手を重ねた。

デルキラは、流気を自分の方へと振り向かせると、反対の手で腰をつかんで引き寄せ、顔を近づけた。

砂上流気

なんの真似だ

デルキラ

んー

デルキラ

さっぱり表情が変んねぇな、やっぱ人間と悪魔じゃあ美的感覚が違うのか?

デルキラ

俺がこうしたら魔界の女はどいつもこいつも顔を赤らめて、言うことを聞いてくれたんだけどな〜

砂上流気

お前の容姿は人間の中でも整っている方だとは思うが、中身が伴ってない男に興味はない。

砂上流気

それに、悪魔に興奮する性的趣向は持ち合わせてない。

砂上流気

判ったら退け

デルキラ

ちえっ、詰まんねぇの

流気から手をパッと離し、頭の上で手を組むデルキラ

その時、流気が何かを思い出したように「あ」と言った。

砂上流気

そういえば、お前の服のことを忘れていたな

デルキラ

ん、服?

砂上流気

そんなコスプレ衣装みたいな格好で出歩かれたら職質真っ只中だ。

デルキラ

砂上流気

要は今の人間界に合ったファッションをしろということだ。

デルキラ

なるほどね

デルキラ

じゃあ………こんな感じ?

デルキラが手をポンと叩くと、流気が着ていたようなスーツ姿に変身した。

砂上流気

………魔術は便利だな

砂上流気

しかし、服は持っておいた方がいい。ショッピングモールに行くか

デルキラ

ショッピングモール?

砂上流気

食事ができて、服が買えて、食材が買えて、娯楽まである………まぁ、生活に必要なものがほとんど揃った施設だ。

デルキラ

なんだそれは!
そんなもの魔界には無いぞ!

砂上流気

まぁ、とりあえず行くか

流気が着替えを終えると、二人はショッピングモールへと向かった。

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