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桐馬
布団から立ち上がったが、まともに歩けない。
桐馬
桐馬
床に跪くと同時に、一気に喉の奥から苦酸っぱい液体が込み上げてくる。
桐馬
こんなところで吐いちゃダメだ
理性と、体の本能が戦っている。
ただ、ぐわん、とした頭痛に襲われ、 遂に僕は床に食べたものを戻してしまった。
桐馬
桐馬
桐馬
息が荒くなって、意識が遠くなってきた。
死ぬ…
そんなことを無意識に考えていたら、体が勝手にお兄さんの連絡先に電話をかけていた。
意識したわけでもなく。
まぁ、この状況を打開できる救世主なんて、お兄さんしか居ないわけで…
背に腹は変えられない。 どれだけ気まずくとも… こんなことで命を失うよりはましだろう。
桐馬
応答なし
あ、ダメだ
5分くらい掛けても応答がなかった。
桐馬
桐馬
桐馬
死ぬのかな、僕。
いや、迷惑ばかり掛けてる僕が死ぬのは当然のことなのかもしれない。
薄れゆく意識の中で、僕はひたすらお兄さんへの懺悔を繰り返していた。
瑞穂
桐馬
目が覚めると、そこにはお兄さんがいた。 とっくの前に卒業したお兄ちゃん呼びをしてしまったことに赤面しつつも、鼻につく自身の嘔吐物の臭いで現実に引き戻される。
瑞穂
桐馬
瑞穂
瑞穂
桐馬
瑞穂
普段ならとても安心する優しさが、とても痛い。 だって、こういうことのせいでお兄さんは、お兄さんは…
お風呂場に行き、汚れた服を脱ぐ。
こういう事は小さい頃から慣れてるけど
やっぱりプライドが傷つく。
いつもその度にお兄さんが慰めてくれたけど
今日は違うんだよね
桐馬
シャワーで体を流し、服を漂白剤につける。
嘔吐物の臭いを、塩素の臭いが上書きしていく。
桐馬
ぼんやりしていると、また頭の中に霧がかかってきて…
また意識が遠くなる。
バタン!!
盛大に音を立てて、僕は脱衣所で倒れた。
瑞穂
心配したお兄さんが近くに来る。
やべ、裸だ…
そりゃあ幼馴染だし一緒にプールとかお風呂も入ったことあるけど…
それとはまた別の…
瑞穂
桐馬
なんとか服を着てよろよろと立ち上がると、 お兄さんは僕の頭に手を置いた。
瑞穂
瑞穂
…なんで優しくするの
苦しい
心が苦しくなるよ
瑞穂
桐馬
瑞穂
桐馬
瑞穂
桐馬
ベッドの中は、のぼせるように暑い。
全身が沸騰してるのか、くらいには重たくて、暑くて…
何とか目をつぶれば、今度はおしっこがしたくなってきた。
桐馬
重たい体を引きずり、なんとか体を動かす。
ただ、起き上がるだけでもかなりの体力を消費していた。
桐馬
じゅっ… と広がる熱い液体は、嫌な湿り気と臭気を醸し出す。
桐馬
心の中の声が全て口から出ているが、今はそんなことを気にしている場合ではない。
ただ、脳内は体調不良と、「おしっこを漏らした」ことによる動揺で忙しい。
桐馬
上手く動かない体。 皮肉なことに、お腹の辺りだけはどんどん軽くなっていく。
そりゃあトイレの前まで来て間に合わなかったこともあるけれど…
なんだか今回は尋常じゃないくらい辛い。
桐馬
声にならない声。 我慢しようとすればするほどに事態は悪化し、手が汚れる。
ズタズタのプライドなんか知る由もなく、ビチャビチャと音を立てて水たまりができていく。
早く、お兄さんが帰って来る前に片付けなきゃ
桐馬
ただ、時間とは残酷なもので。
瑞穂
お兄さんが帰ってきてしまった。