コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
…部屋に、入ってくる
どうしよう、どうしよう
頭がぐるぐるして
熱のせいかもしれないけど…
瑞穂
桐馬
瑞穂
桐馬
瑞穂
幼馴染にしろなんにしろ、普通は躊躇するだろ
お漏らしを繰り返して、病気がちで… 仲良くするメリットなんてなにもないのに
桐馬
本当は助けてほしいのに
強がってしまう自分が子供っぽくて、情けなくて
でも、これ以上優しくされたら、こらえてたものが溢れてきてしまいそうだった。僕の中の何かが壊れてしまう気がして。
きっと、僕のお漏らしを見たところで、特に彼は驚かないだろう。 大丈夫だよ、って笑いながら片付けてくれる、そんな気がする。
瑞穂
一個しか年齢が違わないとはいえ、体力には差がある。
いとも容易く、ドアはガチャ、と開いた。
桐馬
眼の前に広がる恥ずかしい失態。
強烈なアンモニア臭
ドアを広げた瞬間、一気にもわっと嫌な臭いが広がって
空気を受けた僕のズボンは、濡れた部分がひやっと冷たくなっている。
その瞬間、彼は全てを悟っただろう。
僕が部屋を頑なに開けなかった理由を___
瑞穂
桐馬
そう言いつつも、両目からは涙が流れてくる。
恥ずかしさからなのか、色々我慢してたからなのか、はたまた優しさが辛いからか…
昔のように、彼が自分のことを「俺」ではなく「お兄ちゃん」にしていたところにも、涙腺崩壊ポイントがあったのだろうか…
まあそれは、彼と出会った頃から僕のこういう恥ずかしい失敗の類をサポートしたりそれとなく隠蔽してくれたりしていることの現れなのだけれども。
瑞穂
桐馬
広げてある腕の中に飛び込む気にもなれず、その場でうつむく。
そんな僕の姿を見てか、彼のほうから抱きついてきた。
桐馬
瑞穂
桐馬
桐馬
桐馬
自分でもこんな大きな声が出るとは思わなかった。
でも、思っていたことを全て言い出せて、胸の中が少し楽になる。
瑞穂
瑞穂
桐馬
桐馬
瑞穂
瑞穂
桐馬
その言葉に、驚いたような顔になる彼。 やっぱり…
瑞穂
桐馬
瑞穂
彼はしばらく黙った後、にかっと笑った。
瑞穂
桐馬
瑞穂
瑞穂
瑞穂
瑞穂
瑞穂
嘘…
勘違いだった?
全部?本当に?
桐馬
瑞穂
お兄ちゃん、と声に出せた。
素の状態で抱きつけた。
嫌われてない、迷惑じゃない
そう分かった後のハグは格別に幸せなもので
いつまでも温かい、お兄さんの腕の中に抱きついていたい
この瞬間が永遠に続いてほしい
大げさだけれど、そう思った。
瑞穂
桐馬
すっかり下半身が冷え込んでいて、くしゃみが出る。
瑞穂
桐馬
瑞穂
瑞穂
桐馬
瑞穂
桐馬
油断して話していると、彼の腕の中に捕まっていた。
瑞穂
そう言って、手慣れた手つきで服を脱がしてくる。
ああ、やっぱり安心する
恥ずかしい気持ちと安心感が戦っている。
包み込むような包容力にまた、涙が溢れてくる。
瑞穂
桐馬
言葉らしい言葉も出てこず、感極まった嗚咽しか出てこない。
瑞穂
結局、この日はお兄さんに抱っこされたまま寝落ちしてしまったらしい。
きれいに掃除された床と、丁寧にかけてある布団が、そのことを物語っていた。
すっかり熱は引いたけれど、また体質か何かで体調を崩さないように気をつけなければ…
瑞穂
朝、ゼリーを口に入れている時に彼が一言。
桐馬
瑞穂
桐馬
とんでもない爆弾発言に驚く。
でも…
この温もりに触れていられるのなら、それはそれで悪くないかも
そう思った、爽やかな朝だった___