ナムside
目の前で ひとつの命が終わろうとしている。
母
目も開けることが出来ないほど衰弱し、 ベッドに静かに寝ている 血が通ってないような肌の色をした弟を撫でながら 女は言った。
俺の弟はもう 明日を迎える事は難しいそうだ。
ナム
母
ふぅん、と返事をした後 俺は女に背中を向けた。
ナム
母
ナム
吐き捨てるように言って 女の返事を聞く前に さっさと病室を出ていく。
そうだ。ジョングクに謝らなくちゃいけない。
俺さ、ホソガみたいに優しくないから。 あの女から産まれた君を 最期まで愛することはできなかった。 ごめんね。って。
タクシーから降りた後 リビングの窓に明かりがついているのを確認する。
玄関の扉を開けると ホソガの白いスニーカーが乱雑に転がっていた。
リビングに向かうと、扉の隙間から漏れる 大麻の匂い。 異様な空気。
中に入るとまず目に入ってきたのは 変わり果てた姿のソファと 周りに散らばっているその残骸。
近づいてみると、横には血の付いた包丁が落ちている。 そして、所々についている血のシミのようなもの。
ホソガが見当たらない。
ふと、キッチンから人の気配を感じる。
そこには、ホソガが床の上に力なく横たわっていた。
動かないホソガの細い体。 その周りにはワインの瓶、 それからビールの空き缶が数本転がっている。 そこかしこに落ちてる茶色のクズみたいなのは、大麻だ。
酒の匂いと大麻の匂いが混じり合って 俺の鼻を刺激する。
ジミンの言っていた通り、 ホソガ、ちょっとヤバいかも。
ホソガの近くにしゃがみ込み、 脈を確かめるために首筋に指を当てる。 …確かに、動いてる。
ナム
そう呟くと、 ホソガの肩がぴくりと動き ゆっくりと俺の方へ顔を向けた。
頬には涙の跡。 赤く腫れた目元。 俺を俺だと認識出来ていないのか 無気力な瞳が俺を見つめる。
ホソク
その瞳はみるみるうちに潤み ぼろぼろと涙を零し始め 俺に向かって、こう言った。
ホソク
腕を引っ張られたと思ったら、 ホソガは俺の胸にしがみつき わんわん泣き始めた。
突然のことでバランスを崩して 床に尻餅をつく。 その拍子に背中が壁に当たった。
ホソガは俺に縋り付くように、 シャツを掴んで体を密着させてくる。
ホソガの異常なほど熱い体温が伝わって 思わずその華奢な体に腕を伸ばした。
ホソク
俺の腕の中で 他のやつの名前を呼び ひたすら謝って、僕を捨てないでと懇願して 俺の服を涙で濡らしている。
伏せた瞼から伸びる長い睫毛が震えるたびに 心の奥底がじくりと疼く。
ホソク
涙で濡れた頬を両手で包み込んで 上を向かせると、そのままキスをした。
あの時は俺の事を想って泣いていたのに 今は違う男のことを想って泣いているのが 面白くない。
違うでしょ? そのジンヒョンって男じゃないでしょ? ホソガが本当に愛してる人は…。
ホソク
ずっと、ずっと 俺の事だけを考えて、想って、苦しんで。
俺のためにその綺麗な涙を流して。
ホソガは案外簡単に俺のキスを受け入れた。
舌で歯列をなぞると もっとして欲しいとねだるみたいに ホソガの方から舌を入れてきた。
目を閉じて、時折腰をよじらせて 俺とのキスに深く酔いしれてる様子のホソガの 首元に見えるのは、 いくつかの赤い痕。
唇を離すと 上目遣いで俺を見るホソガは名残惜しそうに呟いた。
ホソク
俺の前では絶対に見せなくなった表情。 こんな顔、まだできたんだ。
これはジミンが手出したくなってもしょうがないかも、って 一瞬だけ思った。
ナム
ホソク
ナム
ホソク
ナム
ホソク
大麻も吸って、酒にも酔って 目の前のホソガはいつもじゃ考えられないぐらい 幼く見えた。
俺の事をジンヒョンだと勘違いしているホソガが 俺の首筋に顔を寄せて またも抱きついてくる。
ホソガのズボンが少し破れていて 左足に小指ほどの長さの切り傷がある事に気づいた。
きっと、リビングに落ちてた包丁で切ったんだろう。 傷の周りには乾いた血がついていたけど、 すでに血は止まっているみたいだった。
そっと指でそれをなぞると ホソガが小さく嬌声をあげた。
こんな事で感じるなんて ホソガはもう限界みたいだ。
ホソクside
なんでか、懐かしさを感じる匂いに包まれて 目の前にある人肌の温もりを求めるように 手を伸ばした。
頭の痛み、胃の不快感… それすらも、身体を痺れさせるほどの快感となって 僕を襲う。
ホソク
ヒョンの舌が僕の胸をなぞるから 無意識に、もぞもぞと脚が動いてしまう。
それが胸の先の敏感な所に沿わせられると 思わず大きな良がり声をあげそうになってしまって 慌てて口を押さえる。
でも、僕のそんな行動はもはやなんの意味も成さない。 与えられる確かな快感が全身を巡って、 声を抑えることなんて出来なかった。
ホソク
ナム
ホソク
ナム
ぎゅっとヒョンに抱きついて やってきた絶頂に体を震わせる。
胸を責められただけでイってしまって 今の僕の体は、異常なぐらい敏感になっていた。
おかしい、僕の体。 でも、すごい…気持ちいい…。
ホソク
力が抜ける体を抱き起こされ ヒョンは…ジンヒョンは 僕の唇をすくい上げるようにして口付けた。
角度を変えては、何度も何度もキスをした。
まるで、喜怒哀楽の 怒りと哀しみの感情を無くしたような そんな気分。
甘いキスは 僕をもっと深い快楽の海へと誘う。
足りない…。
キスだけじゃ、全然…。
ホソク
ヒョンの腰をシャツ越しに撫でながら キスの合間に呟くと ヒョンはくすりと笑った。
ナム
意地悪そうに言われた言葉。
もう、下着が濡れて不快なほどに張り付いて 腰だってうずうずしてるのに。
ホソク
ナム
ホソク
制服のスラックスの 一際存在を主張しているそこに手を当てがった。
ヒョンの大きな手が僕の髪を撫でると
ナム
そう言って 音を立てて、短いキスを落とした。
体を押し倒されると 下着を下ろされる。
ナム
ホソク
僕の中に挿れられた指。
内壁を沿うように動かされると あまりの気持ち良さに 死んでしまいそうになった。
コメント
2件
最近、ハート、コメントできてなくてごめんなさい🙏今全部見ました!!え、なんかホソクさん色々手出しちゃって……グゥちゃんのおねがいのことも、考えなきゃいけなかったんですね🥲🥲スンヒョンというあの義父………😡ホソクさんの精神が心配だ😣ホソクさんに永遠の幸あれ🥲 次回も楽しみにしてます!自分のペースで無理せず頑張って下さい💪