待ち望んでいた熱が僕の中に入って 僕の気分は最高潮に昂る。
ヒョンが動くたびにベッドが小さく軋み 体の芯が、脳が 溶かされそうなほど 甘い衝撃が僕を侵していく。
ホソク
ぐしゃぐしゃに乱れたシーツに身を預け、 目を瞑って浅い呼吸を繰り返していると 中のものが奥まで突かれる感覚と 耳を生温かい物が這う感覚がして 体が一気に強張る。
ホソク
ナム
ホソク
優しく愛撫されたかと思うと 耳を歯で噛まれ、軽く引っ張られた。
その刺激すらも、僕を狂わせる。
ホソク
呂律が回らなくなりながらも 愛しいヒョンの名前を呼んだ。
必死にヒョンにしがみつく。 ヒョンの背中に腕を回して シャツを力任せにぎゅうっと掴む。
好き 好き 好き
止まらなくなりそうなぐらい ヒョンへの気持ちが溢れてくる。
ホソク
溢れてくるままに言葉を紡いでいると 少し乱暴に、口を塞がれる。
さっき、優しく耳を舐めてくれた舌だと思えないほど それは乱暴に口内に入ってきて 中を暴れ回った。
飲み込めない唾液が 口の端からだらだらと垂れる。
でも、その荒々しい行為さえも 今では全てが愛しく思えた。
ナム
唇を離したヒョンが ふいに耳元でそう呟く。
下半身から聞こえる卑猥な音と その低い掠れた声が さらに僕の情欲を掻き立てる。
ホソク
ナム
ホソク
彼の言う通りにナムジュナと呼ぶと 腰を打ちつけられる速度が速まった。
まるで、僕の弱い所を隅々まで知り尽くしているような そんな動き。
ホソク
ナム
ホソク
今よりもっと、気持ち良くなりたくて その名前を必死に呼んだ。
でも、こんなにも幸せで、気持ち良くて、嬉しいのに なぜだか僕の目からは涙が出てきて 頬を伝った。
ナム
ホソク
快感に悶えながらも、なんとかそう答えると 彼は微笑んで、涙に唇を沿わせた。
ホソク
ナム
覆い被さる彼が、僕の体を強く抱きしめると 体中に電流が走ったみたいに 快感が絶頂を迎える。
ホソク
脱力感が一気に僕を襲い 彼の背中に回していた手が滑り落ちる。
シーツの上に投げ出された僕の手を 彼が指を絡めて握った。
ナム
何度目かわからないキス。
でも、さっきみたいに激しくなくて そっと触れるだけの、酷く優しいキスだった。
僕の中に入ったままの彼のものは 確かに今、欲を吐き出していた筈なのに いまだに熱を保ち続けている。
ホソク
ナム
ホソク
正直、僕の視界に映っている彼は 誰なのかなんて 今の真っ白な頭の中ではハッキリと認識出来てない。
でも、こんなに優しくて温かいキスをしてくれるなんて きっと彼は、 ジンヒョンに決まってる。
なぜ、彼の事をナムジュナと呼んでいるのかは分からないけど これほどまでに僕は今、 まるで天国にいるみたいに 幸せな気分で満ち足りている。
そんな気持ちにさせてくれるのは、 ジンヒョンしか、いない。
ホソク
僕を抱き締めたまま体を起こした彼が 胡座をかいて座るから 僕も彼の腰に跨るような体勢になる。
繋がったままの彼のものが 僕の奥深いところまで当たって 甘い声が漏れると共に、腰がびくんと跳ねる。
ナム
ホソク
ナム
彼が僕を見つめて問いかけてきた言葉に、 気持ち良さで壊れてしまいそうになりながら 回らない舌で必死に答える。
ホソク
でも、急に彼が腰を突き動かしてきたから 僕はまたもやってくる快感の極地に怯えるかのように はだけたシャツから見える彼の首筋に顔を押し付けた。
ホソク
感じるままに、 恥ずかしい声をあげながら彼に寄り縋って、 振動に体を揺らしていると 彼の首筋に汗が一筋流れ、 喉仏が上下に動いたのがわかった。
そして、聞こえる荒い息遣い。
ホソク
ナム
余裕のあるように振る舞っていた彼が 僕の中で感じて、興奮しているのが嬉しくて その汗ばんだ首筋に、唇を寄せた。
んっ、と彼の声がして 僕は唇を離す。
まっさらな彼の肌に咲かせたのは ひとつの小さな赤い花だった。
酷く割れるような頭の痛みに 倦怠感を覚える体。 特に下半身が酷い筋肉痛みたいに怠い。
重い瞼をゆっくりと開ける。
カーテンの隙間から差す陽の光が眩しくて おもわず目を細めた。
今は、朝…?
あれ…?
僕、昨日…確か、この家に帰ってきて… …なに、してたっけ?
なんで、僕、ベッドの上で寝てるの…? ここ、どこ…?
ぼんやりとした頭の中に浮かぶ沢山の疑問。
ホソク
思い出そうとしても ガンガンとした痛みが思考を邪魔して、 まともに思い出せない。
一旦深呼吸をして 痛みを落ち着かせようと、再び目を瞑った。
"ホソガ…愛してる"
"俺の事、好き?"
"すき、だよ…っ? ナムジュナ、のこと、だれよりも、 愛してる…"
ホソク
瞬間、頭の中を駆け巡った映像と言葉に、 眠気の残っていた脳は一気に覚醒して 僕は飛び起きた。
な、何、今の…。
思わず自分の体を触ってみるけど ちゃんと服は着てるし 下着だって付けてる。
でも、この下半身の違和感。
…いや、これは多分 ジミンとした時の疲れが いまだに残ってるだけだろう。
夢…? そうだ…。きっと、ただの夢だ。 でも。
あいつの声、体温、匂い。 妙にリアルだった。
僕の耳が、肌が、鼻が それらを覚えているような気がしてならない。
でも、そんなの、あり得ない。 夢であろうが、 ナムジュンの事を愛してるなんて口走った自分に虫酸がはしる。 気持ち悪い夢。 さっさと忘れてしまおう。
ため息をつきながら視線を下げると、ふと気づく。 この、ベッド… というか、この部屋…。
周りを見渡すと 必要最低限のものぐらいしか置いてない 殺風景な部屋。 勉強机の上に積んである、たくさんのテキスト。
そして、少しだけ懐かしさを感じる…このベッド。
ホソク
ここがどこなのか理解した僕は 掛けられていた毛布を蹴るようにどかすと ベッドから降りて 部屋を飛び出した。
ダメだ。 思い出せないというか、全く覚えていない。
今この家に僕しかいない事に疑問を抱きつつ ふらつきながら階段を降りてリビングに向かうと ボロボロになったソファが僕を出迎える。 その近くには、画面の割れた僕のスマホが落ちていた。
あぁ、そうだ。 ここまでは覚えてる。 だけど、この後、どうしたっけ…僕。
スマホを拾い上げて、キッチンに向かうも ソファをズタズタにした後の自分の行動を 思い出せるものはどこにも残ってなかった。
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