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作者(すにゃいぷ)
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俺は、居候している店の前でふと空を見上げた。
いつの間にか俺は、あの頃のことを思い出していた_____
「逃げよう」
あいつが突然そんなことを言い出したのは、 署で同室になってから半年くらいたったある日の夕方だった。
その日俺は、いつものように同室のあいつとまずい晩飯を食いながら、 適当な話をしていた。
しばらくすると、あいつは突然立って、 「逃げよう」なんて言い出した。
俺はよくわからなかったが、 ニッと無邪気に笑うあいつと その後ろの夕日が重なっていてきれいで、 変に説得力があるように思えた。
つい、「うん…!」なんて答えてしまった。
あいつは俺より先にここに入っていたらしく、 署のことをよく知っていた。
警官は銃を持っていること、 たくさんの警備がされていること。
そして、屋上に飛行船があること。
あの日から俺たちは、警官にばれないように、 こっそり計画を立てていった。
ルールも作った。
その1、秘密は守ること。
その2、互いを信じること。
その3、何があっても友達でいること。
そしていよいよ、脱獄計画実行の前日になった。
就寝時間になり電気が消えた後、 あいつは警官にきこえないようとても小さい声で言った。
「無事を祈るよ、僕の永遠の親友」
「そのまま返すよ、俺の永遠の親友」
俺も、とても小さい声で返した。
心なしか、いつもより早く寝つくことができた気がする。
翌朝。
とうとう脱獄の日だ。
親友のいつもより弾んだ声と、警官の低い不愉快な声で目が覚める。
さあ、計画実行は1時だ。
最後の署での暮らし。 せっかくだからおしゃれしたい。
といっても、おしゃれな服なんてないから、 髪をいつもよりきれいにとかす。
その後は、朝飯を食って、昼飯を食って…
もうすぐ1時だ。
あいつは自信たっぷりにニッと笑う。
俺もニッと笑って返す。
「よし!1時だ、いくぞ!!」
あいつの合図と共に、俺たちは走り出す。
隠し通路を通り、非常階段を上り…。
順調に計画は進んでいった。
そしてとうとう、俺たちの目に、 古びた飛行船が映る。
「やっと、脱獄、だな…!!」
息を乱し、あいつが楽しそうに笑う。
その瞬間。
「動くな!!」
警官が大勢集まってくる。
血の気が引いていくのがわかった。
あいつの顔が曇る。
もうだめだ、そう思った。
しかし、あいつは予想もしなかった言葉を発した。
「僕を置いて逃げろ!!」
嫌だ、と思った。
でも、あいつの目は真剣だった。
だから、瞬発的に体が動いた。
急いで飛行船に乗り込み、 あいつに「ごめんな…。…ありがとう。」と言う。 最高の笑顔をしてみせ、ドアを閉めた。
あいつは、少し寂しげな表情をした後、 最高の笑顔を返してくれる。
飛行船が地面から離れる。
最後に見えたあいつは、寂しげで、でも、 どこかすがすがしい顔をしていた。
俺は、あいつの無念を背負って、 しっかり生きていかなければいけない。 たとえバカと言われても。 それが、あいつへの唯一の恩返しだから………
S「R」
R「んあ?」
S「いつまで空見てんだ。お前に客が来てるぞ」
R「まじか!」タッタッタッタ…
R「何の用d…、!?」
??「ひさしぶり」ニッ
作者(すにゃいぷ)
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