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やっぱこれ面白い!! 続きどうなるんだろ…!
第三章〜DH〜
転入生の初試合と、今回のCクラスの「試」の1位候補の試合ということも相まって、
この試合は始まる前から大盛り上がりだった。
クラスメイト
クラスメイト
俺たちのOEsを応援する声が俺の耳に入る。
が、あくまでも冷静を装い、
「SDJ」をクラス担任から受け取る。
それを手に取り、頭部に装着する直前に自分のペアにそっとささやいた。
円世
円世
俺の言葉に彼女は当然のごとく驚き、少し動揺を見せていた。
頼りにしていたはずの自分のペアがそれなら仕方ないことだろう。
しかし、一言だけいい置く。
円世
そして、「SDJ」のスイッチをONにした。
心情を軽く変化させてみる。
すると、HPは100%から90%まで変化した。
思っていたよりも、「SDJ」の判定は厳しいようだ。
まだ試合が始まってもいないのに、俺のHPが動いたことで、
観闘席はさらにザワつく。
クラスメイト
クラスメイト
クラスメイト
そんなつまらない声が飛び交う中で、自分のHPを100%に戻しておく。
そしてついに、担任のホイッスルと共に俺の初陣が幕を開けた……。
俺がこの試合で持ち込んだ道具は小型のハンドガンのみ。
対するグッチーが持ち込んだのは大型のアサルトライフル。
側から見れば、圧倒的にグッチーの方が有利なのは一目瞭然だ。
しかし、俺は自分の中にある理論を見出していた。
それは、「人々は皆、生まれながらにして持っている能力の総合値は等しい」ということだった。
天才が「天才」と呼ばれる理由は、
ある能力に総合値の大半が極振りされた人間が、その能力とは何かを見つけ出し
自分の努力のほとんどをそれに割り振るからであって、
生まれてして「天才」と呼ばれているわけではない。
つまり、すべての人間は「能力の総合値に差がある」のではなく、
「その中身に差がある」、といえる。
よって、この「試」において最も重要なのは、
「OEsが何の能力に突出していて、何に欠如しているのかを見極めること」となる。
したがって、俺が次に起こすアクションは……
"カラン"
無条さん
開始直後に、ハンドガンを足元に落とした。
俺のその行動に、無条さんとクラスメイトたちは呆気にとられる。
その一瞬の間に、グッチーの懐に走り込む。
慌てたグッチーは、俺の足に銃を向けるが、
俺はすかさずその銃口に自分の額をピタリとつける。
円世
俺はグッチーを煽り立てる。
「殺傷出来ない」のであれば、「殺傷され得る」位置に自らの体を運ぶのみだ。
しかし。
この状況下でも冷静なグッチーは、俺から距離を取り、
今度こそ銃口を俺の足に向け、
そのトリガーを引いた。
続く。