続き〜
今度こそ銃口を俺の足に向け、そのトリガーを引いた……。
だが。
銃声は鳴らなかった。
俺とこの「カラクリ」を知っている者以外の、この教室にいる者全てに動揺が走る。
そして、なおもHP100%の俺がグッチーを追い詰める。
円世
どうしたんだ?
円世
早く撃てよ。
井口
どうしたも何も、
井口
トリガーを引いても弾が発射されないんだよ!
円世
「それ」は違うな。
俺の意味深な発言に、教室中が静まり返る。
無条さん
光地之君、どういうことだの?
そう俺に訊いてきた無条さんを含む、低レベルなC組の生徒たち全員に、
俺の言葉の真意を説明する。
円世
お前の銃から、
円世
「弾が発射されない」のではなく、
円世
「弾が出ない」の間違いだろ?
無条さん
どういうこと??
さらに困惑する無条さんとグッチーに向けて、
もう一度丁寧に説明する。
円世
つまり。
円世
「弾が出ない」のは、
円世
始めからお前の銃には弾が入っていなかったからだろ?
俺はそう言いながら無条さんに目配せする。
足元にハンドガンが転がってくる。
それを右手で拾い、
地面に向かって一発撃ち込む。
″ドン″
銃声と共に再び静まる教室。
円世
この通り、
円世
「俺の銃には」
円世
弾が入っていたので、
円世
これでチェックメイトだな。
と言い放ち、
銃口をあえてグッチーの額へと向ける。
井口
ひっ!
怖気づいたかれを殺傷するために、トリガーを引く……
直前に、グッチーは絶叫した。
井口
うわぁァァァーーー!!
バックスクリーンにはグッチーのHPは0%、対闘不能と表示されている。
無条さんの方をチラリとみると、
俺の圧倒的な行動力に驚嘆しているようだった。
残る一人、西野サポーターを倒すべく、
彼に向き直す。
円世
さぁ、
円世
次はお前の番だな。
すると、彼は大げさに慌てた素振りを見せた。
西野
武器も持っていない僕に、
西野
どうやって闘えっていうの?
西野
そんなの……
西野の言葉が終わる前に、
彼に自分が持っていたハンドガンを投げ渡した。
無条さん
えっ?
俺の行動に無条さんは驚きを隠せないでいた。
彼女のHPが100%から、70%に変化する。
ここまでも、俺の予想していた通りの展開だった。
西野
クックックッ
次の瞬間、
西野の中にあったなにかが弾け、
轟音が炸裂した。
西野
ハァーッハッハッハぁ〜!
西野
お前もバカだなぁ。
西野
僕が容赦するとでも思ったのかァ?
西野
僕たちがお前みたいな転入三日目のクズに負けるわけがねェだろがァ!
西野
何が「チェックメイト」だよ。
西野
笑わせてくれるぜ。
西野
これで終わりだあぁぁぁ!
そして彼はトリガーを引いた。
続く。