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紫ちは

何もしてないよね

そう呆れつつも

桃の表情は柔らかい

でも

おもしろおかしいだろ?

なあに

それ

俺と桃は笑い合った

翠が

笑ってないで

どうなったか教えてくれ

と嘆いているのがおかしくて

さらに声を上げて笑い転げた

けん玉の行き先を見ると

窓枠に切り取られた青空がどこまでも広がっていた

けん玉救出のために教室を出た翠を待ちながら

俺と桃はスマホでドッペルゲンガーの情報収集を試みる

架空の存在として語られているためか

記事ごとに細部が微妙に異なっていた

なになに…

『ドッペルゲンガーは容姿だけでなく傷や持病

果ては脳のシナプス情報に至るまで完璧に複製して人間に擬態する』

どういうことだ?

簡単に言うと

僕と同じ脳ってこと

親でさえ

ドッペルゲンガーの僕に違和感を抱いてないのかも

桃が拳を震わせながら呟く

かけるべき言葉を探していると

廊下から慌ただしい足音が近付いてきた

くそ!

排水口に落ちてドロドロになっとったわ

翠がワイシャツの裾でけん玉を拭きながら戻って来る

桃は翠の様子を見て呆れたように微笑んだ

重い雰囲気が霧散したので

俺は内心で感謝する

ん?

何見とったん?

翠がスマホを覗き込んできたので

傾けて見せる

ほーん

なるほどな

俺も調べてみるわ

理解したのかしていないのか定かではないが

翠は納得したように頷きながら自分のスマホを取り出した

っても

ドッペルゲンガーってあれやろ?

映画とか漫画でよく見る架空の…

そこまで言い

翠は言葉を止めた

何事かと思い視線を巡らせると

体を震わせているではないか

おいおいおい

これ見ろ!

翠が興奮しながら

俺の眼前にスマホの画面を差し出した

大方

どすけべな広告でも見つけたのだろう

しかし

その予想はいい意味で裏切られてしまう

ドッペルゲンガーって何者?

恋人は?

いつから存在するの?

気になる特徴をまとめてみました!

なんだこれ

すげぇ!

俺は拳を上げて快哉を叫んだ

さよなら僕のドッペルゲンガー

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