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堕ちた天使

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堕ちた天使

1 - 堕ちた天使

♥

200

2020年01月14日

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可愛らしい子供の声

あたたかい太陽

フワフワと散るタンポポの綿毛

ヒラヒラと金の粉を振りまきながら翔ぶ蝶

愛おしい母の優しい声音

愛おしい父のあたたかく大きな手

愛おしい兄の優しげな瞳

────あぁ、

そうだ、そうだった

幸せだった

この〝偽りの幸せ〟

に居た時は

いつも自分の傍らには光と闇が有った

皆、同じように有るけれど

自分には「光」の存在が大きく感じた

ソレは、母と父で

兄で妹で

友達で先生で

大好きだった

自分の「光」が 皆が

だから守りたい、と

そう思った

でもソレは、何時しか消えてしまう

何故だか、そう思うようになった

消えたらきっと俺は───

堕ちた天使

アンジュ

…………

アリア

──ジュさん

アリア

アンジュさん、起きてください

アンジュ

……ん…

アンジュ

アリア…

アリア

おはようございます、アンジュさん

優しい声音で微笑む

アンジュ

あぁ、おはよう

少し驚く

アリア

良く眠れましたか?

アンジュ

…あぁ

アンジュ

……なぁ、アリア、良いのか?

何を、とは言わなかったがアリアは感じ取った様で

アリア

…はい、アンジュさんに言われて、目が覚めました

アリア

こんな僕でも、認めてくれた仲間やアンジュさんには、隠し事はしたくないですから

そういって、また微笑む

「仲間」、その言葉はとても嬉しかった

でも、それと同時に後悔が降りかかる

アンジュ

……本当に?

アリア

え?

アンジュ

その…顔を見せてくれるのは凄く嬉しいし、これからもそのままで居て欲しいし…望んではいるんだ、けど、

アンジュ

お前が、その…顔を見せてくれるのは、俺が言ったからだとかそういう…

アンジュ

だから、その…つまりはだな、俺がむ、無意識にお前に無理強いをしたから、お前は嫌々晒したのかなぁって、

アンジュ

それは、何か、嫌だなぁって、思ったんだけど…

アリア

………

黙って聞いていたアリアがじっとこちらを見る

アンジュ

矛盾してるよな、ごめん!

アンジュ

(困らせたか?)

アリア

……アンジュさんは

アリア

アンジュさんは嫌…ですか?

じっと見る瞳が少し揺れた 怯えてるみたいに

アリア

僕の顔を見るの…嫌?

今にも泣き出しそうな顔で 泣き出しそうな声で

アンジュ

!ち、違う!そうじゃなくて、

アンジュ

嫌じゃない、嫌じゃないけど…

アンジュ

でも、お前に後悔、させたくなくて、

だから──

アンジュ

嫌じゃないよ…

まだ躊躇う俺に苛立ったのか

アリア

……じゃあ、それで良いじゃないですか、何に迷ってるんですか?

アリア

何か怖いことでも?

さっきまで弱々しかった声に棘が混じる

アンジュ

…あぁ、怖いよ、俺の所為でお前が後悔しちまうことが

アリア

…大丈夫です

アリア

だって貴方は、僕を受け入れてくれるんでしょう?

アリア

傍に居てもいい、そう言ってくれましたよね?

アリア

僕はそれだけで充分です

アリア

充分幸せですよ

何の躊躇いもなく発されたその言葉が、とても嬉しかった

アンジュ

そうか…

アンジュ

でも、俺やあいつらに言われた事で困ったり嫌だったりしたら、必ず俺に言え。分かった?

アリア

はい!有難う御座います!アンジュさん!

今度は子供みたいに無邪気に笑った

アンジュ

…………

初めて見た笑顔だった

アリア

アンジュさん?どうされましたか?

アンジュ

…!い、いや何でもない……

アリア

アンジュ

いや、お前は笑顔が似合うなぁって

アンジュ

特に、さっきみたいな笑顔とか

アリア

そ、そうですか?

アンジュ

うん

アリア

嬉しいです…

アンジュ

ははっ、…ともうそろそろ飯食わねぇと

アリア

あ、もう作ってあります

アンジュ

お、サンキュ!

アリア

アンジュさん、今日は何をしましょうか?

アンジュ

そうだな……

あ、と前から考えていた事を思い出す

アリア

何かありますか?

アンジュ

あー…まぁ有るにはあるんだが…

アリア

何でしょうか

アンジュ

いや!何でもない!

アンジュ

てか、アリアには関係ねー事だしな

アリア

関係ない、ですか…

アンジュ

俺一人でやるから、問題ない

アリア

…………

アンジュ

アリア?

アンジュ

(どうしたんだ……?)

アンジュ

…………

長い沈黙

アンジュ

……アリア、俺、行きたい所有るから、お前は家で待っててくれないか?

アンジュ

な?

アリア

………

アンジュ

……アリア、大丈夫か?

アンジュ

悩み事か?それなら、相談にのるぞ?

アンジュ

それとも、何処か行きたいところでも有るのか?

アンジュ

優先するぞ?

アリア

……アンジュさんが

アンジュ

ん?どした?

アリア

アンジュさんが…行きたいところに行きたい…

アンジュ

っ!い、いや、それはちょっと──

アリア

ダメなんですか?

アリア

どうして…?

アンジュ

ダメって言うか、えっと…

アリア

優先するって…優先してくれるって言ってくれたじゃないですか…

アンジュ

そ、それとこれとは別だ

アリア

何が別なんですか?

アリア

何故、ダメなんですか?

アンジュ

ダメなんて言ってないだろ!

アリア

じゃあ、一緒に行けますよね?

アンジュ

っ、いや、それは…

アンジュ

つ、つか、お前には関係ねぇってさっき言っただろ

アンジュ

だから、お前が来る必要は無いし、来なくていい

アリア

っ、

アンジュ

分かったか?

アリア

──だ

アンジュ

え?

アリア

嫌だ!

アンジュ

ちょっ、アリア!

アンジュ

どうしたんだよ!お前!

アリア

な、んで、連れてってくれないんですか?

アンジュ

そ、それ、は

自分でも、よく分からなかった

でも、何故か 「連れて行ってはいけない」と

自分の中の何かがそう、叫んでいる

アンジュ

(連れて行きたくない…!)

アンジュ

落ち着け!アリア!

アリア

じゃあ、連れてってください

アンジュ

何でだよ!何で、お前は一緒に行く事に執着するんだ!?

アリア

じゃあ、逆に何故、一緒に行ってはいけないんですか?

アリア

教えてください…

アリア

お願いです………

アリア

僕の事、嫌い、ですか?

アリア

一緒に行く事を拒む程に

アンジュ

違う、そんなんじゃない!

アンジュ

俺の昔の、死ぬ前の仲間の状況を見に行くだけだ

アリア

別に良いじゃないですか、それくらい、付いて行ったって

確かに、そうだ

もう一人連れていったって、何の問題も無い筈だ

アンジュ

(じゃあ、何で……?)

アンジュ

………

アンジュ

(あぁ、成る程な……)

泣いているアリアにゆっくりと近づく

アンジュ

……ごめん、泣いちゃうなんて、思わなかった。ごめんな?

アンジュ

時間、かかると思うけど、一緒に行こう?

アリア

!は、はいっ!

アンジュ

(ふぅ、良かった…)

ある、手続きを済ませた後

アンジュ

さて、「パスポート」も貰ったし、さっそく行くか

アリア

「パスポート」、って何ですか?

アンジュ

ん?あぁ、「パスポート」、っつぅのは──

─此岸─と─彼岸─の境にある大きな役所から発行される許可証の様な物で

これが無いと─此岸─から─彼岸─へ─彼岸─から─此岸─へ行くことが出来ない

誰でも発行願いを出すことが出来る

一部の人を除いて

アリア

一部の人?

アンジュ

例えば、一度罪を犯したり、刑務所に入った事があったりした人は、その権利は没収される

アンジュ

あ、後貰った後でもそうゆうことすると没収されるらしい

アリア

そうなんですね!

アンジュ

あぁ、……おっと、もうそろそろ着くぞ

ガヤガヤ

アリア

アンジュさん、此処は?

アンジュ

此処はな、俺が通ってた高校だ

アリア

アンジュさんの……

アルナ

今日ってさ、何あるっけ

レイ

なんかあったっけ?

アルナ

それさえも忘れてんの……?

聞き馴染みのある声に振り向く

アンジュ

あ、レイとアルナじゃん!久しぶりだな!

アンジュ

って、聞こえてないか……当たり前だけど

アリア

この人たちですか?アンジュさんの目的は

アンジュ

うん、こいつらの様子を見たかったんだ

アリア

成る程……

アリア

あぁ、だからか!

アンジュ

ん?

アリア

あの!アンジュさんが此処に来て、あの方たちの様子を見に来たのって

アリア

あの二人が恋人同士にならないようにするためですか!?

アリア

アルナさん?の事が好きで……

アンジュ

!あぁ、ははっ

アンジュ

違う、違う、そうなってほしいんだよ

レイ

アルナ~購買行こ~

アルナ

うん!ちょっと待って~

アンジュ

お!屋上行くみたいだ、アリア、行こうぜ

アリア

はい!

アルナ

はい、あーん

レイ

…………

アルナ

いや、冗談だよ?

レイ

急にやるなよ、びっくりしたわ

アンジュ

何やってんだよ……

アリア

面白いですね~

アンジュ

確かにな……

アンジュ

…………

アンジュ

(影……出来ないよな…)

アンジュ

二人、笑ってたな……

俺が居なくなっても、いつも通り笑って

俺が居なくなっても、ずっと一緒に幸せそうに笑って

「居なくなっても」?

違う

アリア

っと、ここに居たんですね…アンジュさん?

俺が「居なくなれば」

痛い、苦しい

誰か──

たすけて

アンジュ

────っ

アリア

アンジュさん!!

アンジュ

っ!あ、あぁ、どうした?

アリア

皆、帰るみたいですよ

アンジュ

そ、うか

アリア

……どうしたんですか?

アンジュ

ん?

アリア

元気が無いみたいですけど……

アンジュ

い、いや何でもない、元気だぞ!俺は!

アリア

でも、さっきもボーッとしてましたけど……

アンジュ

か、考え事してただけだ

アリア

……嘘、ですね?

アンジュ

っ!

アリア

もう一度聞きます

アリア

どうしたんですか?

アンジュ

な、何でもない…

アリア

そういう風には見えません

アンジュ

言っても、仕方の無い事だ

アリア

嫌です

アンジュ

えっ

アリア

貴方は僕に会ってから余り、笑って無いでしょう?

アリア

アンジュさん、貴方は優しい人です、そんな方が笑えないのはとてもとても、悲しい事です

アリア

貴方が僕を守ってくれたように、僕も貴方を守りたい

アリア

貴方には、笑ってて欲しいんです…

アリア

貴方の笑顔が見てみたい

アリア

だから、

アリア

勝手に諦めないでください

アリア

勝手に独りにならないでください

アリア

ずっと、傍に居ます

アリア

だから、

泣いても良いから 僕の前では強がらないで

アンジュ

──っ!

ずっと、欲しかった言葉 けれど

駄目だ、泣いては

駄目だ!

アンジュ

あ、ありがと!でも、大丈夫、ほんとに考え事してただけだし

アンジュ

お前には、関係ないんだから

アンジュ

お前が、心配する必要はな───

アンジュ

い、

自分より大きな体が側にある

……何が起きた?

状況を把握するのに時間がかかった

アンジュ

……アリア…?

アリア

………

アンジュ

何で俺は、お前に抱きしめられてんの…?

アリア

言ってください…苦しい、と

アリア

呼んでください…助けて、って

アリア

僕は貴方の仲間ですよ?

アリア

貴方は、言ってましたよね?「仲間は助け合うものだ」と

アリア

願えば、助けに行きます

アリア

僕は貴方の、「頼もしい仲間」ですから!

アンジュ

───っ

アンジュ

うん、そうだな、そうだお前は頼もしいよ

アリア

じゃあ、教えて?

アンジュ

あぁ、聞いてくれるか…?

アリア

勿論!

アリアに何もかも話した

レイやアルナの関係について

俺が「居なければ」二人は恋人になれた事についても

アリア

………

アンジュ

そう、だから

アンジュ

あの二人には今からでも、恋人同士になって欲しい

アリア

アンジュさんは、告白する所を見たんですよね?振った所も

アンジュ

あぁ、そうだけど…

アリア

言いたくはないですが、「俺の事は気にしなくていい」と言えば良かったのでは?

アンジュ

うん、そうだな、もっともだ

アンジュ

けど、俺は言えなかった、きっと、怖かったんだと思う

アンジュ

矛盾してるよな、幸せになって欲しいのに、邪魔をしてる

アンジュ

だから、俺が「居なくなれば」幸せになるんじゃないかって

アリア

…それは違うと思います

アンジュ

え?

アリア

だって、レイさんが「今の関係を壊したくない」と言ったのは

アリア

少なからず、「貴方と友達で居たい」という事になるからですよ

アリア

貴方が「居なくなる」のは、そこに貴方が「居た」事と同じくらいあの二人にとって、重要なんだと思うんです

アリア

僕だけかもしれませんが…

アンジュ

いや、ありがと、少しだけ楽になった

アリア

いえいえ、って、いい忘れてましたけど

アリア

教室で待ってるみたいですよ

アンジュ

え?

アリア

来たは良いものの、何するんですか?

アリア

あの二人も帰らないみたいですし…

アンジュ

…………

レイ

あっ、笛の合図なった

アルナ

えっ、嘘、聞こえなかったよ?

レイ

集まってるよ、あそこ

アルナ

あ、ほんとだ

レイ

じゃっ、帰る仕度すっか!

アルナ

うん、……すっかり日課になっちゃったねー

レイ

……そうだな

アルナ

きっと、アンジュと一緒に居た時間が、長すぎたんだよ

アルナ

でも、もう二度と、会えない

レイ

…………っ!

アルナ

もう~泣かないでよ!

レイ

だ、って、アルナがっ、「二度と会えない」って言うからっ!

アルナ

私だって、レイが「アンジュ~」って言う度、泣きたかったけど…

アルナ

……いつまでもそんなだったら、アンジュ、に笑われ、ちゃう、から

アルナ

が、まん、してた、のに…

アルナ

アンジュ……

レイ

何で、死んじまったんだよ……

レイ

お前と一緒に笑い合いたかった

レイ

もっと、一緒に居たかった

レイ

お前はいつも笑ってたけど、本当は無理して笑ってた気がする

レイ

それに気付いた時、すぐにでも本当に笑って欲しいって思った

レイ

もしかしたら、俺らのせいかもだけど……

レイ

笑って欲しかったんだよ……

レイ

それ、なのに……

レイ

なんっ、で

アンジュ

っ!

アリア

……やっぱり、貴方は愛されていたんです

アリア

だから、貴方が「居なくなる」のは、とても重要で

アリア

とてもとても──

アリア

苦しくて、痛くて、悲しい

アリア

そんな記憶なんです

アリア

こんな僕が言うのは烏滸がましいですが……

アリア

あの二人を…貴方の仲間を、信じてあげてください

アンジュ

………俺はっ、あいつらのことっ、信じてやれなかっ──

言葉が遮られる

アリア

大丈夫です、たとえ貴方が信じれなかったとしても、あの二人は貴方を信じたのですから

アリア

今もそれは、変わりません

アリア

だから、今度は貴方が──

あの二人を信じてあげて?

アリア

……アンジュさん、泣かないで?

アンジュ

…でも、

アリア

「笑われちゃう」よ?

アンジュ

!あぁ、そうだな!

レイ

…なぁ、アルナ~

アンジュ

アルナ

ん~?

レイ

これ、わざと?

アルナ

えっ、私、そんなポーズしてた?

レイ

違う、違う、これ、

レイ

この「隙間」

アルナ

あぁ、それね、自然になっちゃうの

レイ

俺も~

アルナ

だってこの「隙間」は──

アンジュが 居たところだから あいつが

アンジュ

アリア

……帰りましょうか、アンジュさん

アンジュ

あぁ、帰ろう!─彼岸─へ!

痛くて、苦しい記憶は

消えることは絶対に無い

けれど──

そんな時、仲間が居てくれたら

その痛みを別け合うことが出来る

大切で無くてはならない

そんな存在

だから─────

アリア

そういえば、アンジュさん、

アンジュ

ん~?

アリア

何で、僕が付いていく事をあんなに拒否したんですか?

アンジュ

あぁ~……

アリア

アンジュ

いや、恥ずかしい事に俺はお前に

アンジュ

醜い所を見せたく無かったんだよ

アリア

へ?

アンジュ

~~だから!俺が泣く可能性が有って、泣いている所を見せたく無かったってこと!

アリア

…それが「醜い」ですか?

アンジュ

えっ、ちげぇの?

アリア

……むしろ僕はそっちの方が良いですけど

アンジュ

……アリアって、見た目マゾに見えるけど、サドなの?

アリア

さど?

アンジュ

嗜虐的性向、相手に苦痛を与える事に快感を感じる傾向のある人

アンジュ

これが、サディスト…つまり、サドだ

アリア

ち、違います

アリア

貴方に、頼って欲しいんです

アリア

独りで苦しまれるより、痛みを、苦しみを、共に感じた方が僕は───

アリア

貴方と繋がれた感じがして、僕は嬉しいから……

アンジュ

うわぁ……

アリア

引かないでください!

アンジュ

嬉しいよ?嬉しいけど、でも、その発言はどうかと……

アリア

アンジュさんだって、思った事、無いんですか?

アンジュ

何を?

アリア

「○○の傍に居たい」とか「○○と痛みを共有したい」とか……無いんですか?

アンジュ

ねぇわ!!

アンジュ

お前って、良いやつだけど、時々変な事言うよなぁ……

アリア

酷いです……

アリア

変な事、一つも言った覚え無いです

アンジュ

無自覚かよ……尚更怖ぇ

アンジュ

まぁでも、「笑って欲しい」とは、思った事がある

アリア

あるじゃないですか!

アンジュ

お前とはちげぇの!

アンジュ

「繋がれた感じがして嬉しい」ってヤンデレかよ…

アリア

だって……

アンジュ

「だって」じゃねぇ!

アンジュ

もう、俺、お前嫌いだわ

アリア

やだー!

アンジュ

う、嘘だ!冗談!

アンジュ

冗談だから離せ!

アンジュ

離さないと逃げるぞ!

アリア

……その時は、捕まえます

アリア

そして、もう二度と逃げないように…

アンジュ

ストップ!何も言うな!

アリア

だって、アンジュさんが逃げるって言うから……

アンジュ

言わない!言わないから、その手を離せ!本当に嫌いになるぞ!

アリア

逃げられるのは嫌だけど、嫌われるのはもっと嫌だ!

アンジュ

じゃあ離せよ!

アリア

……はい

アリア

あ、アンジュさん

アンジュ

今度は何だっ!

アリア

約束してください

アンジュ

何をだよ

アリア

もう二度と、隠し事をしないって約束……してくれますか?

アンジュ

……隠し事を絶対にしないっていうのは無理…だけど、「独りじゃ無理」って時は

アンジュ

そんときは、頼む

アリア

はい!

ありがとう

夜隠

「父と母」が出てくるシーンが、なかった……

夜隠

ちょっと面倒だから、

夜隠

おまけとして出すことにしたよ~

夜隠

最後まで見てね?

??

………ハートとコメントも

夜隠

誰だよ

夜隠

(チッ、先越された)

夜隠

そ・れ・じゃ

??

バイバイ

夜隠

黙れ

夜隠

(おっと、本性が)

夜隠

バイバイ~

おまけ(・ωく)

アリア

あの、アンジュさん

アンジュ

どうした?

アリア

アンジュさんのご両親ってどうされたんですか?

アンジュ

?俺の母さんと父さんは、もう居ないけど……

アンジュ

それがどうした?

アリア

っ!そう、です、か

アンジュ

どうしたんだよ、急に

アリア

い、いえ

アリア

その~、ご両親が「居ない」ってどういう……

アンジュ

?俺の母さんと父さんは死んで、一度─彼岸─に来たけど、魂だけだったから成仏したって事

アンジュ

……未練が無くなったからな

アリア

寂しく無いですか?

アンジュ

別に、もう五年位前だし、感傷的にならないよ

アンジュ

なる必要、無いしな

アリア

そうですか……でも、

アリア

会って、みたかったなぁ

アンジュ

え?

アリア

あっ、すいません、不謹慎でしたね

アンジュ

…いや、会えると良いな、つか、会えるよ─

アリア

この世界 じゃない何処かで

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