ミチカ
みっちゃん
校庭で走り回ったり、ワイワイとおしゃべりするのが大好きだから、元気なミルちゃんやなつちゃんと一緒にいる。その反対でクラスの佐藤さんはちょっと苦手。
佐藤さんは大人しくて、あまり喋らない。服装もちょっと地味って言うか…。 でも苦手な理由はそんな事じゃなくて、他にあった。
初めて佐藤さんを見た時、うまく説明できないけれど、なんだか、へんな感じだった。 友達とかのこと全く違うって言うか。
佐藤
その目にじっと見つめられるのが怖くて、誰にも言ってないけれど密かに佐藤さんを避けるようにしていた。
そんなある日。 いつもと同じように登校 した朝のことだった。 すぐ後ろを歩いていた佐藤さんに挨拶され、私は固まった。
佐藤
ミチカ
ミチカ
だって佐藤さんの顔は目の下が口の辺りまで真っ黒だから。 私は、まるで何日も寝てないような、ご飯を食べていないようなやつれた様子に見えたけどきっとそんなことは無いはずで…。
ミチカ
みっちゃん
ミチカ
みっちゃん
佐藤さんは静かだけどそれは可哀想だよ?
ルミ
(どうして?みんなには、あの不気味な顔が見えてないの?)
佐藤さんの目の下は日に日にどんどん黒くなっていた。まるでドラマに出てくるゾンビみたいで、私は見るだけでゾッとしていたが、周りの友達はいたってふつうでした。 恐らく佐藤さんの目の下の黒さは私にしか見えてない。 前よりもさらに佐藤さんを避けるようになった私。できるだけ気にしながら月日は流れ、夏休みに入った。
そして二学期初日。佐藤さんの席に彼女はいなかった。
先生
先生から佐藤さんが亡くなったことを聞き、みんなで黙とうをした。