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1 - 黄色いカーディガンの子

♥

37

2022年06月12日

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私,屋上で

靴を脱ぎかけた時に

三つ編みの先客に

声をかけけてしまった

〇〇

ねぇ、

〇〇

止めなよ…

口をついて出ただけ。

本当はどうでもよかった。

先を越されるのが、何となく癪だった。

三つ編みの子は語る

どっかで聞いたようなこと

三つ編みの女の子

運命の人だった。

三つ編みの女の子

どうしても愛されたかった

〇〇

ふざけんな!

〇〇

そんなことくらいで

〇〇

私の先を越そうだなんて!

〇〇

欲しいものが手に入らないなんて

〇〇

奪われたことすらないくせに!

三つ編みの女の子

話したら楽になったよ、

って

三つ編みの子は、消えてった。

さぁ,今日こそは

と靴を

脱ぎかけたらそこに

背の低い女の子。

また声をかけてしまった。

背の低い子は、語る。

クラスでの孤独を

背の低い子

無視されて、

背の低い子

奪われて、

背の低い子

居場所がないんだ

って

〇〇

ふざけんな!

〇〇

そんなことくらいで

〇〇

私の先を越そうだなんて!

〇〇

それでも、

〇〇

うちでは愛されて

〇〇

温かいご飯もあるんでしょ?

背の低い子

お腹がすいた(泣)

と泣いて

背の低い子は、

消えていった。

そうやって、

何人かに声をかけて

追い返して

私自身の痛みは誰にも言えないまま

初めて見つけたんだ

似たような悩みの子

何人目かに会ったんだ

黄色いカーディガンの子。

黄色いカーディガンの子

うちに帰る度に,

黄色いカーディガンの子

増え続ける痣を

黄色いカーディガンの子

消し去ってしまうしまうため

黄色いカーディガンの子

ここに来たの。

と言った

口をついて出ただけ

ホントはどうでもよかった

思ってもないこと

でも

声をかけてしまった

〇〇

ねぇ、

〇〇

止めてよ

あぁ

どうしよう

この子は止められない

わたしには止める資格がない

それでも

〇〇

ここからは消えてよ

〇〇

君を見てると苦しいんだ

黄色いカーディガンの子

じゃあ

黄色いカーディガンの子

今日は止めておくよ

って目を伏せたまま消えてった

今日こそは誰もいない

私一人だけ

誰にも邪魔されない

邪魔してはくれない

カーディガンは脱いで

三つ編みをほどいて

背の低い私は

今から飛びます_。

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