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作者
作者
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パタン(扉閉
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スマイルがいじめられている。
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ずっとずっと、痛い思いをしている。
shk
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だから俺はやるんだ
“あいつ”みたいに、なってほしくはないから。
前方に三人の男が歩いている。
恐らくアイツらがスマイルをいじめてるヤツらだ。
ニャー
ゲシッ(蹴
ニャア゛ッ
shk
ガッ(蹴
shk
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どうやら本当に救いようのない屑らしい。
個性を発動する。
俺の身体から人ひとりは余裕で飲み込めるサイズの巨大なサメが現れる。
感覚が研ぎ澄まされ、俺の目は反転する。
shk
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巨大なサメは音も無く空を泳ぎ
背後からヤツらを強襲し一人を丸呑みにした。
バリッゴリグチャッ(喰
骨と肉が潰れ混ざり合う最悪な音が周囲に響き渡る。
shk
恐怖で足がすくみ腰まで抜けているようだ。なんて情けない。
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手を鋭利な凶器に変形させ俺に突っ込んでくる。
だがそれより素早くサメが正面に回り再び男を丸呑みする。
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ガッ(蹴
ガッ(蹴
ガッ(蹴
ガッ(蹴
無言で男を蹴り続ける。
骨が折れても鼻が潰れても爪が剥がれても。
守れなどと叫んでいたこいつが主犯だろう。
楽には殺さない。
shk
shk
shk
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痛みから逃れようと個性を使わせそれもできなくなった頃に
とびきり残酷に殺してやる。
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友達が理不尽な目に遭うのはもう見たくなかった。
俺は“あいつ”に何もしてやれなかった。
だから
shk
友達のために出来ることならなんだってする。
人喰いザメの口が大きく開かれた。
shk
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あんなに感情が昂ったのはいつぶりだろう。
shk
おかげで服に返り血が付いてしまった。
俺は人を殺すのに出来るだけ労力は使いたくないし
後片付けが面倒なので血で汚れたくもない。
shk
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鮫島緑介、14歳
職業、殺し屋。
前世を思い出したのはまだずっと子供だった頃。
きっかけは
クズ親の元に生まれ、捨てられ、施設に入ってから
周囲になかなか馴染めず一人庭で遊んでいた時に
あいつが声をかけてきた事だった。
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その後そいつと木登りをしたり、ダンゴムシが沢山集まる石を教えてくれたり
かけっこなんかもして、兎に角沢山遊んだ。
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記憶を辿ってみるが、さっぱり心当たりがない。
同年代の子と遊ぶ機会が少なかったので、一度遊んだならば覚えているはずだ。
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何かを忘れているような…?
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その名を呼ばれた途端
知らないはずの記憶が頭に流れ込んだ。
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フラッ(倒
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Broooockには申し訳ないなと思いつつ、その場は意識を手放した。
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俺が目を覚ましてすぐすっ飛んで来たBroooockに怒られるも、空気はすぐに和らぎ俺たちは会話に花を咲かせていた。
話を聞くとBroooockはこの施設で生まれたらしい。
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その後Broooockが引き取られることになり、離れてしまうのかと残念に思ったが
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Broooockが行きたくないと散々駄々を捏ねて迷惑をかけた末
俺も同じ家に一緒に引き取られることになった。
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新しく引き取られた家での暮らしは悪くない。
皆優くていい人たちだし
何よりBroooockがいる。
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そうやってこれからも仲間たちを探しながら幸せに生きてゆくのだと
このときは当たり前のように思っていた。
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ガシャーン‼︎(壊
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突如家が崩壊し、瓦礫が俺たちに降り注いだ。
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頭を切ったようで視界に血が滲む。
痛むが、自分はそれほど重症ではない。大声で叫び続けたってさしたる問題にはならないだろう。
だから、いくら呼びかけても返事が返ってこないのは何かの間違いなのだ。
目の前でできる血溜まりも。
瓦礫の隙間から見えるBroooockの死人のような顔も。
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ピッ…ピッ…ピッ…
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br
あの後自分の個性で瓦礫を喰らい尽くし直ぐに救助を呼んだが
母と父は頭を潰され即死だった。
Broooockは…
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眠った分だけ身体を強化する個性。
常時発動型のその個性のおかげでBroooockは即死を免れたらしい。
だが本来とっくに死んでいる程の怪我をしたBroooockは
意識がないので今までのストックは使えないし
今睡眠で生み出している分も現状維持にしかならないので
自然回復は望めないそうだ。
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このままだとBroooockは二度と目を覚まさないという。
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今Broooockは、睡眠でストックが生み出された瞬間消費する、というサイクルを繰り返し続けている状態だ。
中途半端に回復して意識が覚醒してしまえば供給が途絶えてしまい
バランスが崩壊してBroooockは死ぬ。
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あの日のあの出来事は
ヒーローの放った攻撃が家に直撃したことで起こった事故だった。
住宅街に現れた敵鎮圧のため、周辺は避難措置がとられたのだが
想定より戦闘が激化し
中心から遠く離れていたはずの俺達の家にまで被害が及んでしまったのだ。
つまり、被害区域を見誤ったことで起きた過失だ。
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転生だなんていう非現実的な出来事を経て
非現実的な環境で生きていたからこそ、今の現状が重く俺にのしかかる。
ここは夢物語でも都合のいい空想なんかでもなく、現実なのだ。
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ダメ元で、今の保護者に頼むしかない。
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事故の後、俺は母方の親戚に預けられた。
返事はない。俺はここの人達に良く思われていない。
カラカラ(扉開
正直、ことあるごとに八つ当たりしてくるこの人達が嫌いだ。
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shk
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ドカッ(殴
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shk
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ドゴッ(殴
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何を言ってるんだコイツらは?
俺は耳がいい。だから全て聞こえる。
Broooockを、殺す、のか?
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殴られた傷が痛む。殴られるのはいつものことだけど、今日ばかりは我慢ならなかった。
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shk
shk
目の前が怒りで赤く染まる。
怒りすぎて、一周回って可笑しくなってきた。
ーー友達が殺される前に、コイツらを殺して仕舞えばいい
俺の中の悪魔が囁く。
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個性を発動する。邪魔なものは、いらない。
shk
鮮血が舞う。悲鳴が響き渡る。
いいね。最高じゃねぇか。
感覚が研ぎ澄まされ、気分が昂る。今なら何だって出来そうだ。
shk
気づいたら、ヤツらは血溜まりの中肉塊と化していた。
口いっぱいに鉄の味がする。
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足元を見てハッとする。
散らばったガラス片に反射した俺の顔。
目は反転して黒く染まり、頬には返り血がべっとりと付いていた。
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怖くなって、思わずその場を逃げ出した。
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兎に角走って走って、何処かの裏路地でようやく足を止める。
何人かがぎょっと振り返っていたが、知ったことか。
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後悔はしてない
アイツらを始末しないとBroooockがどうなるか分かったもんじゃない。
今俺の頭を占める不安は一つ。
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背後から突然声をかけられ、驚いて振り返る。
そこに居たのは、全身黒ずくめの、何とまあ怪しい男だ。
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そう言って歩き出す。俺は今後のことで忙しい。こんなヤツに構ってる暇なんて無い。
ああ、これからどうしようかな
shk
個性を発動する。サメをけしかけ、反転した目で男を睨みつけた。
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そして提示された金額に目を剥いた。
怪しい。怪しすぎる。
何をやらされるのか恐ろしいが、そんなこと言っている場合じゃないのもまた事実。
こんな機会二度とない。逃せば本当に詰んでしまう。
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バキグチャッ!
shk
口に血の味が広がる。
俺の個性“サメ”は、自身の身体の一部であるという性質上、俺とある程度感覚を共有している。
基本は便利なのだが、そうも都合のいいものじゃない。
痛覚を共有しているからサメが傷付くと俺も痛いし、味覚も共有しているから
人を殺す度に血の味がする。
shk
あれから俺は、仕事で人を殺すようになった。
アイツらの時とは訳が違う。
最初は、仕事の後は手が震え、気持ち悪くて吐きそうだった。
このままじゃいつか限界が来る。だから、殺しはゲームのように楽しむものであると思い込むことで
自分の心を守るようになった。
そうでもしなきゃ心が壊れてしまうから。
shk
shk
きっと許してはくれないだろう。
たった一人を救うためだけに、大勢殺す事を選んだ、俺を。
分かっている。それはやっちゃいけないってのも
Broooockはこんな事望んじゃいないってことも。
shk
shk
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Broooockを目覚めさせるのには高度な治療が必要で、それには一般人が一生涯かけても足元にも及ばない程の金がいると知ったら
嘗ての友人たちは絶望するだろう。
shk
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乾いた笑いがこぼれる。自分はなんて最低なヤツなんだろう。
こんな俺に、あいつらに会う資格なんて無い。
shk
shk
これは、誰に対しての言い訳なのだろうか。
shk
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sm
思わず二度見する。あそこに立っているのはスマイルだ。見れば見るほどスマイルで、見間違いなどではないだろう。
まさかこの辺りに住んでいたなんて。
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shk
上げかけた手を下ろす。
shk
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sm
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本当は、声をかけるつもりなんて無かった。
でも敏感な俺の耳に、そんな消え入りそうなか細い声が届いてしまった。
ただ別れが惜しくて、突っ立てるスマイルが気になる、ということを理由に留まっていたから。
思わず振り返る。
スマイルの横顔が見えた。
その顔は、恐ろしい程何の感情も見出せない無表情で
スマイルは
絶望に暗く澱んだ目で、眼下の川を見つめている。
shk
酷く憔悴していて、今にも壊れそうで
shk
気づけば声をあげていた。
shk
sm
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感情を悟られないように笑う。
スマイルはとても驚いたようで、面白いくらいに間抜け面だった。何だかものすごく安心する。
ああスマイルはスマイルなんだなって。
sm
そう問うスマイルの目には、僅かな期待と希望が生まれていた。
shk
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shk
沸々と怒りが沸く。スマイルをこんなにしたのは一体何だ。
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もう友達が理不尽に苦しむのは見たくない。
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そう言ってスマイルはふっと微笑む。そこにあるのは未来に対する希望だ。
shk
shk
今の自分には眩しすぎる。
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コメント
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うわあ…重い、でもすごく丁寧に描かれてるなって思いました。shkさんが「友達を救うため」に♡♡♡屋になってしまった背景が、Broooockとの思い出と並行して語られるから、やり切れなさが倍増しますね。あと、川辺でスマイルを見つけるシーン、あの「楽になれるのかな」がすごく胸に刺さりました。シャークんが無理に明るく振る舞うところも泣けます…。続き、気になります。