星夜
わっ!!
月夜
!!
走っていたから足がもつれたのか、 こけそうになってしまっていた
月夜
大丈夫?
星夜
う、うん
星夜
ここ、どこなんだろう
月夜
……分からない
月夜
でも"あそこ"から逃げられた
月夜
それはよかったかも
星夜
これからどうしよう……
月夜
とりあえず、外に出てみよう
月夜
もしかしたら、どこかわかる道があるかも知れない
建物の中にいる事は分かったので そう提案する
星夜
わかった!!
俺らはさっきの知らない人たちから 逃げるために、また走り出した
子供の姿だ、まだ同じ階に いるんじゃないかという考えに至り、叶と二手に分かれて探していた
その読みは当たり、 すぐに見つけることができた
葛葉
いたぞ、叶!
叶
『りょーかい!!』
スマホの通話画面にそう声を発する
月夜
走れる?
星夜
うん!
その声に気付かれ、2人は走り出した
葛葉
早っ!!
叶
『大丈夫!』
その声と同時に叶が前から走って来る
星夜
フラッ
月夜
!!
星夜が倒れかけた所を 月夜が受け止める
その間に挟むことができた
月夜
……何が目的ですか
月夜
お金はありません、この子も渡しません
星夜を壁の方で休ませ、 守るように前に出る
長い髪の隙間から鋭い 眼光を突きつけられた
葛葉
落ち着け、俺らは敵じゃない
月夜
………
葛葉
(まぁそう言っても信用できねぇよな)
どうしようかと悩んでいると叶が しゃがみ込み、月夜と目線を合わせた
叶
こんにちは
叶
僕は叶、こっちが葛葉
優しげな声でそう紹介をする
叶
僕らは君の味方だよ
月夜
味方なんて、いるわけありません
葛葉
ここにいるだろ
葛葉
お前らが望まない事はしない、約束する
叶
協力だってするし、共犯にだってなるよ
その言葉に何か思ったのか 考える素振りを見せた







