貴方
貴方
貴方
一ノ瀬 彼方
一ノ瀬 彼方
机に突っ伏すそらるの背中を揺らす
今日は夏祭りの日である
そんな日に限って、こやつは外に出ようとしない…
何度誘っても全然一緒に行ってくれないし…
小さい頃はよく行ってたのに…
いつからこんな子になったの…!←
貴方
貴方
貴方
貴方
一ノ瀬 彼方
一ノ瀬 彼方
私はこの年、両親の都合で引っ越すことになったのだ
だから、今年こそはそらると最後のお祭りに行きたい
そう思いながら、そらるの制服のシャツをギュッと掴む
すると、そらるは机に突っ伏していた顔を私の方に向け
一ノ瀬 彼方
一ノ瀬 彼方
一ノ瀬 彼方
貴方
貴方
パァッ、と自分でもわかるくらいに明るくなった表情をそらるに見せた
そらるはクスッと笑っていたが、
今の私は嬉しさが勝って、そんなことは全く気づかなかった
一ノ瀬 彼方
一ノ瀬 彼方
一ノ瀬 彼方
一ノ瀬 彼方
貴方
貴方
貴方
こう見えても私、繊細なんだそ!?←
そんなことを思いながら、私は自分の鞄を持って教室を出ようとした
貴方
貴方
貴方
そう彼方に言って、教室を出た
一ノ瀬 彼方
一ノ瀬 彼方
一ノ瀬 彼方
一ノ瀬 彼方
□■□■□■□■□
貴方
貴方
慣れない浴衣
慣れない花の髪飾り
慣れない化粧
ちゃんと、自分が言いたいことを言わなきゃ…
こんなとこで後悔なんてしたくない…
そう思って、自分の頬を叩き気合を入れる
貴方
貴方
______ ____ __
んで、?
貴方
貴方
待ち合わせ場所に来て、30分が経った
30分が経ってもそらるは一向に来ない…
貴方
貴方
私が無理やり押しきったもんだし…
そらるもきっと迷惑だったんだ…
貴方
貴方
貴方
貴方
そう拳を突き出してそう言ったあと、
お祭りの屋台に向かった
□■□■□■□■□
貴方
貴方
そんなことをグチグチ言いながら、
屋台で買ったものを両手いっぱいに持って群がる人と人との間を進む
貴方
貴方
貴方
貴方
貴方
そんなことを呟いて、目尻にたまる涙を零さないように気をつける
そして、トボトボと歩き続けた
すると、
???
???
貴方
貴方
その声と共に、いきなり肩を掴まれ振り向かされる
貴方
貴方
貴方
貴方
目の前には汗だくになりながら肩で息をしているそらるの姿
そらるは私の顔を見たあと、口をキュッと結んで、
コツンっ、と自分の額に私の額を当てた
一ノ瀬 彼方
一ノ瀬 彼方
貴方
貴方
一ノ瀬 彼方
一ノ瀬 彼方
貴方
貴方
一ノ瀬 彼方
一ノ瀬 彼方
一ノ瀬 彼方
貴方
貴方
『6時に宮月神社の表でね!』
確かに言った…。
けど私が待っていたのは…
貴方
貴方
え、これってそらるのせいじゃなくて私のせいじゃないかい!!
そらるはちゃんと来てくれてたんだ…
自分の呆れた勘違いに下を俯く
そして、
貴方
貴方
一ノ瀬 彼方
一ノ瀬 彼方
貴方
貴方
貴方
溢れ出した涙とともに、私はそう言った
そらるは私の泣き顔を見てギョッとして目を見開いている
貴方
貴方
貴方
自分の頬を伝う涙を手の甲で拭いながら、そらるに言う
一ノ瀬 彼方
一ノ瀬 彼方
貴方
貴方
貴方
一ノ瀬 彼方
そらるは少し笑ってそう言い、ガシガシと私の頭を撫でた
そして、涙を拭っていた私の手を掴み、
私をどこかへ連れて行く
□■□■□■□■□
貴方
貴方
そらるに手を引かれ着いたのは、静かな海の浜辺
貴方
貴方
一ノ瀬 彼方
一ノ瀬 彼方
一ノ瀬 彼方
貴方
覚えてたんだ……
そらるはコンクリートでできた階段に座り夜空を見上げた
私も、そらるの隣に座り夜空を見上げる
そしてその瞬間、
ヒュー、という音と共に夜空に花が咲いた
貴方
貴方
夜空に咲く何輪の花が私の目に焼き付いた
そして、チラッと隣にいるそらるを見る
そらるは夜空を見上げ、ふんわりとした笑みで花火を見ていた
その綺麗な横顔に見とれたあと、私は……
貴方
貴方
貴方
一ノ瀬 彼方
一ノ瀬 彼方
貴方
貴方
貴方
思い切ってそう伝えた
ギュッと目を瞑ってそらるからの返事を待つ
一ノ瀬 彼方
一ノ瀬 彼方
一ノ瀬 彼方
一ノ瀬 彼方
一ノ瀬 彼方
そらるのその一言に私は、えっ、と目を見開く
貴方
貴方
そして、恥ずかしくなって、
貴方
貴方
貴方
貴方
貴方
貴方
貴方
バカだ…
これからも…、って、私 もうすぐ引っ越しじゃん
貴方
貴方
そう言って、走り去ろうとする
否、走り去ろとした
走り去ろとした瞬間、ギュッと私の腕を誰かが掴んだ
それに驚いて、私は足を止めた
ゆっくり振り向くと、私の腕を掴んだのはそらる
そらるは足を止める私に、もう一度、
一ノ瀬 彼方
一ノ瀬 彼方
一ノ瀬 彼方
そう言った。
貴方
貴方
そう儚くつぶやくと、
そらるは言葉を続け、、
一ノ瀬 彼方
一ノ瀬 彼方
一ノ瀬 彼方
一ノ瀬 彼方
一ノ瀬 彼方
一ノ瀬 彼方
一ノ瀬 彼方
一ノ瀬 彼方
一ノ瀬 彼方
一ノ瀬 彼方
一ノ瀬 彼方
貴方
貴方
一ノ瀬 彼方
一ノ瀬 彼方
一ノ瀬 彼方
一ノ瀬 彼方
一ノ瀬 彼方
貴方
貴方
そらるは頬を赤らめながらそう言った
______ ____ __
その日の夜、親から何故か引越しの話はナシになったということを話され
私はまだこの街に住めることになった
それを聞いたそらるは、お腹を抱えて笑った
そらるとはしばらく幼馴染関係を続けた
そして、その3ヶ月後に付き合うことになった
お互いに想いが通じた瞬間は、今でも素敵な思い出ですな。
----end-----
さて、これは短編とよべるのだろうか…!?
今、テラーのお題が〖#夏祭り〗らしいですが、
作者はそれを狙ってこの作品を書いた訳ではありません
ただ単に夏祭り系を出したかっただけです←
あ、この物語の主人公は今読んでいる読者様達です。
なので、主人公の名前を〖貴方〗に致しました。
短編は作者の気が向いたら投稿する形になります←
好評ではないようでしたら、この作品は消させていただきます
どうぞこれからも“こんな作者”をよろしくお願いします。
コメント
5件
遠くに住んでる幼馴染みに会いたくなった…そらるさんだったらよかったのにぁ(爆)
物語も星瞬さんも全てが凄すぎて…!! 憧れます……