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機嫌なおせよ。な?

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機嫌なおせよ。な?

1 - 機嫌なおせよ。な?

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2019年07月30日

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俺にも彼女ができた!フゥ!

けど、そのデートの時間に遅れてしまった。

あの真面目で本ばかり読むあの子だ。

きっとすごく怒ってしまうだろう。

と、そんなことを思っていると、デートの場所につく。

ユウイ

よ、よう…。

俺は緊張しながらも、怒りにふれないように声をかける。

が、[当然反応しない]

ユウイ

水原ー?

ユウイ

まーた集中してるのかぁ?

ユウイ

おーい?

水原

……………。

仕方がない。

俺はため息をつき、水原の肩を軽く叩く。

水原

ん……?

水原

あ。

俺は頭を軽くかいて、頭を下げる。

ユウイ

すまんっ。遅れた。

やばい。絶対帰るって言われる…。

水原

………。

……ポンッ。

頭に何かがのる。

水原

許す。です。

ユウイ

……あ、ああ…。

よかった…。とにかく、続行できそうだ。

俺は頭をあげて、出てくる汗をふく。

水原

いいのあるですよ。

水原はバックからシートのような物を渡してきた。

ユウイ

えっ?

ぱっとみると、料理に使いそうなシートだ。だが、これは汗吹きに使うものだろう。

俺はそう察し、それを貰う。

ユウイ

悪いな。

水原

いえ。

………。

汗をふきおわると、図書館を見る。その図書館は、普通のところと比べると小さい建物で、かなり丈夫そうだ。

ユウイ

行くか?

水原

はい。

その時の水原の笑顔は忘れられなかった。

可愛い。だけで済ますのは勿体無いほどのものだった。

俺はこの笑顔の為だけに生きているのかもしれない。

図書館の前にいくと、水原は楽しそうに建物を見始めた。

水原

ここですっ。

水原

ここにかつての無名の偉人が描いた本があるです。

ユウイ

無名?名前がないのか?

水原

厳密に言えば、本名はあるです。

水原

ただ、小説家としての名前がないんです。

ユウイ

ない?なかったら描けなくないか?

水原

それが、その偉人の小説を、第3者が勝手に本屋に持っていったです。

ユウイ

なんてことを…。

水原

結果、その本は大ヒット中の人気になり、その第3者の名前は有名になったです。

ユウイ

嫌な話だな。

水原

ですが、それは無名の偉人、ガナードが作った小説だとある日ばれるです。

ユウイ

そうなるわな。

水原

なので、その第3者の名前は語られることはあまりなく、その小説のちゃんとした作者の名前すら語られなかった。

水原

ということです。

ユウイ

なーんか複雑だなぁ。

ユウイ

因みにその第3者って誰なんだ?

水原

確認はしたですが、ちょうどぼやけてて見えなかったです。

ユウイ

なぁんか臭うな。

水原

そう思うですか?

水原

私もです。

ユウイ

…あっ、それでここに?

水原

そうです。

水原

ここには、元本があるです。

ユウイ

元本っ?

水原

そこに全てが書かれてるです。

ユウイ

だけど、また誰かが…。

水原

それはないです。

水原

ここの本の管理は日本で2番と言われてるですが、その管理は完璧です。

水原

それに、貸し出しに使われてるのは全てコピーで、万が一誰かに破られても、すぐに復元できるですし、安心して見れるですよ。

ユウイ

やけに詳しいな…。

水原

好きなことについて知っているのは、追求者の基本ですから。

水原

行くですよ。

ユウイ

あ、おう。

図書館の中。

普段なら自分で探すらしいが、今回は店員に聞いた。

が…。

水原

ないっ!?

周りが俺達を見る。

店員

すみません。

ユウイ

おい、また今度にしよう?

水原

………………………。

俺は水原の手を強く引っ張って、何とか外に出た。

水原

…………………………。

ユウイ

………。

こういう時、何て言えばいいんだ?

ありきたりな言葉だと嫌がるか?

水原

……………………。

ユウイ

……いやぁ人気なんだなー。

ユウイ

ないとは思わなかったなー。

ユウイ

まぁけど、クレープ奢るから機嫌直せって。

水原

………………はいです。

クレープ屋。

ユウイ

何でもいいぞ。

水原

では、イチゴのカスタード生クリームを。

ユウイ

あいよ。

ユウイ

イチゴのカスタード生クリーム1つと、チョコバナナ生クリーム1つ。

店員

すぐ作りますね!

数分後。

店員

はい!レディファーストで。

水原

感謝。

ユウイ

先に食べてていいぞ。

水原

はいです。

水原

いただきます。

水原

(パクリッ)

水原

んっ。

ユウイ

ん?

水原

美味しいです。

ユウイ

そうか。

店員

ほい!おまたせしました。

ユウイ

ありがとうございます。

ユウイ

とりあえず、あそこのベンチに座るか。

水原

はいです。

モグモグ。モグモグ。

ユウイ

すごい美味しかったな。

水原

はいです。

ユウイ

何処かに行くなんて、考えもしなかったからな。

…………。

ユウイ

水原。周りとはうまくいってるのか?

水原

急にどうしたです?

ユウイ

……いや、なんとなく。

俺はうまくいってないからな。

さとる…。

レクト…。

神無月…。

今は何をしてるんだろうな…。

水原

どうしたですか?

ん?顔に出てたか?

ユウイ

…いやっ、何でもないよ。

何とか話をそらさねぇと…!

ユウイ

そういや、あの本いつ見れるんだろうな?

水原

……っ。

あっ。やっちまった!

思い出させちまった!

俺のアホ!

とにかく、また他の話を…!

ユウイ

あ、あーっ…えっとだな……。

何か……何か……

なに……か…………

だめだ!何も思い付かない!

昔からの癖だしな~!今に始まったことではないがこれは完璧な致命傷だどうしようかどうするべきか考えろ感じろ言葉に出せ考えろ…!!

ユウイ

ぐぬ~……。

水原

……?

はっ!気づかれた?

気づかれたよな!?

これが負のスパイラルか!

酷いぞ!神のイタズラか!

俺が元からだめだからか!?

ユウイ

ぬぬぬぬぅぅ……。

考え事をしていると、俺の膝に水原の手がのる。

ユウイ

………?

水原

大丈夫?

水原

無理、してませんですか?

ユウイ

…あ……。

水原

私は普通に話せればそれでいいですよ。

なんてことだ。

答えが身近にあったじゃないか。

シンプルオブザベスト。

普通なのがいいじゃないか。そんなの。

誰だってそうだ。

それなのに、俺は考えすぎて心配まで…。

てんぱりすぎか?

いや、もう何も考えるな!

普通に普通に!

…………………………………。

ユウイ

あ、ああ…そうか…ははは……。

そして俺のやり過ごしかたよ。

基本、俺が嘘がつけないせいか。

ここでバレバレに損することになるとはな。

水原

本のことは諦めてないですが、今日はユウイとの時間を楽しみます。そのつもりで。

ドキンッ。

ユウイ

は、ははは…。

水原

ユウイこそ、うまくいってるですか?

ユウイ

おん?

水原

周りの人と。

ユウイ

…それが…。

ユウイ

一人はホストになっちまって、

ユウイ

もう一人はヤバイ奴のお気に入りになって一緒に行動してるし、

ユウイ

そのもう一人は引きこもりしてたのに急に行方不明になって捜索願いを出されてる状態だ。

水原

それは過酷ですね。

水原

私の友達もいなくなったら、同じくらい心配するです。

友達…。

[りの]と[すみれ]と[そうどう]のことか。

ユウイ

けどまぁ、どっかで引きこもってるだけか、後の二人は楽しく過ごせてるなら俺はいいな。

水原

そうですか。

ユウイ

ね、この先、どうなると思うか、文学少女の水原はどう思う?

水原

文学では…。
ただ本が好きなだけです。

ユウイ

とにかく、どう思う?

水原

…わからないです。

ユウイ

………そうだよな。

ユウイ

未来のことだもんな。

水原

はいです。

お決まりの、きっと見つかる。

そういうと思ったんだが、

言わなかったな。

……もしや、

きっと見つかる。

これを言ってしまうと、見つからなかった時のショックが大きくなってしまうから、期待させることを言わなかった?

俺は水原に好意を感じた。

続く。

かも?

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