コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
〜最初で最後のさようなら〜
あるところに、「ももは」 とういう名の少女がいました
ももはには、家族がいない。 ずーっとずっと一人ぼっちでした。
ある日、ももは は散歩をしようと 外に出ました。
すると、ある少年に 出逢いました。
少年:おはよう、いい朝だね と その少年は、微笑んでそう言ってくれました。
ももは凄く嬉しかった。
でも、他人とあまり話したことがない ももはにとっては、少し 怖かったのでした。
ももは:あっ…お、おはよ…。
ももはも挨拶を返しました。
すると、少年は また微笑んでくれました。
ももはは、その少年の名前がとても気になりました。
ももは:(名前…聞いてみようかな…)
少年:ねぇ、君、名前なんて言うの?
ももは:…!
ももは:えっ、えっと…
ももは:ももは…
少年:ももは…かぁ
少年:可愛い名前だね!
ももは:…!
ももは:そ、そうかな…
ももは:ありがとう…
少年:うん!
誰に付けられたのかもわからない 名前でしたが 可愛いと言われた瞬間、ももは は飛び跳ねたくなるくらい 嬉しい気持ちになりました
ももは:あっ…あの…
少年:ん?どうしたの?
ももは:あなたの…名前は…?
ももは:(やっと聞けた…!)
少年:僕はっ…
少年:僕は………
ももは:どうしたの…?
少年:僕、実は…
少年:名前がないんだ…笑
少年は、少し困ったような 顔で笑った。
ももは:…!
ももは:そ、そうなの?
少年:うん…
少年:ねぇ
ももは:どうしたの…?
少年:君がつけてよ
ももは:……
ももは:えっ…?
少年:ももはが僕に名前をつけてよ
ももは:わ…わたしが…?
ももははすごく驚きました。
ももは:わ、私なんかが あなたに名前をつけていいの?
少年:もちろん!
少年:ももはにつけて もらいたいんだ♪
ももは:わ、わかった
ももは:じゃあ、私がつけてあげる
少年:ほんとに!?
ももは:う、うん
少年:ありがとう!
ももは:よし、決まった
少年:どんなの!?
ももは:ナキ
少年:なき?
ももは:ちゃんと漢字もあるよ ちゃんと意味も込めたよ
ももはは、持っていたメモ帳と鉛筆をカバンの中から取り出しました。
そして、ももはは 紙にこう書きました。
鳴奇(ナキ) 意味 鳥のように鳴いて奇跡を呼ぶ 「鳴く」と「奇跡」を取って 《鳴奇》
ももはは、紙を少年に渡しました。
少年:…………
ももは:気に入らなかった…?
少年:……
ももは:やっぱり……
少年:ももは
少年:最高の名前だよ!!
少年:すっっごく気に入ったよ!
少年:ちゃんと意味まで 込めてくれるなんて!
少年:ありがとう!ももは! 大切にするよ!
ももは:ほ…ほんとに…!?
ももは:よかった…!
ももはとナキは、だんだん仲良くなっていきました。
ももはは、ナキが大好きでした。
ナキも、ももはが大好きでした。
例え、お互い家に帰る時でも 「さようなら」は 絶対に言いませんでした。
「またね」としか 言いませんでした。
ある日、ももはは 朝起きると体が凄くだるくて なかなか歩けませんでした。
ももは:なんだかしんどいなぁ…
でも、ももははナキに会いたくて なんとか服を着替え 階段を降り 1階に降りました。
ももは:ちょっと熱を測ってみよう…
ピピピピ
ももは:えっ…!?
熱は、39℃ありました。
ももは:な、なんでだろう
ももは:とくに風邪っぽくは ないんだけど…
ももは:きっとすぐに治る… 絶対に治るから…
ももはは、そう自分に 言い聞かせながら 玄関のドアを開けました。
ももは:あっ、ナキくん…!
ナキ:ももは!おはよ!
ナキは笑顔で挨拶をしてくれました。
ナキ:……?
ナキ:なんか、熱でもあるの?
ももは:え…?あっ、まぁ ちょっとだけだから気にしないで!
ナキ:ホントにちょっとだけなの…?
ナキ:今日は、あんまり外に いない方が…
ももは:いやだ…!ナキくんと話したいの…
ナキ:それは僕も同じだけど…
ナキ:じゃあ、僕がももはの 家に行くよ それか、僕の家に来る?
ナキ:僕が看病してあげるよ!
ももは:えっ、悪いよそんなの…!
ももは:気にしなくて大丈夫だよ!
ナキ:だめだよ!ほら! 早く行くから!
〜ナキの家〜
ナキ:ほら、このベッドで寝てていいから
ももは:ごめんね…ありがとう…
ナキ:熱測ってみて
そう言って、ナキは ももはに体温計を渡しました。
ピピピピ
ナキ:…!?
ナキ:すごい熱じゃないか…!
ももは:(あぁ、やっぱり下がってなかったかぁ…)
ナキ:どうして黙ってたんだよ!
ももは:ごめんね… 心配かけたくなくて……
ナキ:………
ももは:(なんだか意識が もうろうとしてきた…)
ももは:(視界がぼやけてる…)
ももは:(風邪ってこんなんだったけなぁ)
ももは(何年ぶりに風邪ひいたんだろう…)
ナキ:……も…は
ももは:(あぁ、ナキくんが何か喋ってる…)
ナキ:お…ぃ…も…は…!
ももは:(あれ?なんか顔に水がかかってるなぁ)
ナキ:…っう……くっ…
ももは:(ナキくん、泣いてるの…?)
ももは:ナキくん…やめてよ…
ナキ:…ももは……?
ももは:ナキくん…泣いちゃ…だめだよダメだよ…
ももは:私が付けた名前…大切にするって…言って…くれたじゃん…
ももは:鳴くって漢字…間違えてるよぉ…
ももは:そっちの泣くは…ダメだよ…
ナキ:……んっ……くっ……
ナキ:わかってるよ……
ももは:ナキ…くん…
ナキ:どうしたの……?
ももは:…さようなら…
ナキ:えっ……
ももは:例えどんなに言いたくなくても…言わなきゃならない言葉があるん……だよ…
ももは:最初で最後の……さようなら
ナキ:ももはぁぁあ……!!!
〜鳴奇(ナキ)〜 繋いでいた手が離れてしまった瞬間 あの瞬間が
どれだけ辛いことか…
僕はあの瞬間を忘れない
そして、この名前の意味も忘れない
例えあの瞬間を忘れても、君が… ももはがつけてくれたこの名前の意味を忘れてしまっても
1番忘れちゃいけないことがある
それは
君と過ごした時間
君の存在なんだよ
ももは
本当に大好きだったよ
それでも僕は言わないよ
「さよなら」なんて
それでも僕は言うよ
「またね」って
またね
ももは
〜終〜