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最初で最後のさようなら

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最初で最後のさようなら

1 - 最初で最後のさようなら

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2018年09月29日

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〜最初で最後のさようなら〜

あるところに、「ももは」 とういう名の少女がいました

ももはには、家族がいない。 ずーっとずっと一人ぼっちでした。

ある日、ももは は散歩をしようと 外に出ました。

すると、ある少年に 出逢いました。

少年:おはよう、いい朝だね と その少年は、微笑んでそう言ってくれました。

ももは凄く嬉しかった。

でも、他人とあまり話したことがない ももはにとっては、少し 怖かったのでした。

ももは:あっ…お、おはよ…。

ももはも挨拶を返しました。

すると、少年は また微笑んでくれました。

ももはは、その少年の名前がとても気になりました。

ももは:(名前…聞いてみようかな…)

少年:ねぇ、君、名前なんて言うの?

ももは:…!

ももは:えっ、えっと…

ももは:ももは…

少年:ももは…かぁ

少年:可愛い名前だね!

ももは:…!

ももは:そ、そうかな…

ももは:ありがとう…

少年:うん!

誰に付けられたのかもわからない 名前でしたが 可愛いと言われた瞬間、ももは は飛び跳ねたくなるくらい 嬉しい気持ちになりました

ももは:あっ…あの…

少年:ん?どうしたの?

ももは:あなたの…名前は…?

ももは:(やっと聞けた…!)

少年:僕はっ…

少年:僕は………

ももは:どうしたの…?

少年:僕、実は…

少年:名前がないんだ…笑

少年は、少し困ったような 顔で笑った。

ももは:…!

ももは:そ、そうなの?

少年:うん…

少年:ねぇ

ももは:どうしたの…?

少年:君がつけてよ

ももは:……

ももは:えっ…?

少年:ももはが僕に名前をつけてよ

ももは:わ…わたしが…?

ももははすごく驚きました。

ももは:わ、私なんかが あなたに名前をつけていいの?

少年:もちろん!

少年:ももはにつけて もらいたいんだ♪

ももは:わ、わかった

ももは:じゃあ、私がつけてあげる

少年:ほんとに!?

ももは:う、うん

少年:ありがとう!

ももは:よし、決まった

少年:どんなの!?

ももは:ナキ

少年:なき?

ももは:ちゃんと漢字もあるよ ちゃんと意味も込めたよ

ももはは、持っていたメモ帳と鉛筆をカバンの中から取り出しました。

そして、ももはは 紙にこう書きました。

鳴奇(ナキ) 意味 鳥のように鳴いて奇跡を呼ぶ 「鳴く」と「奇跡」を取って 《鳴奇》

ももはは、紙を少年に渡しました。

少年:…………

ももは:気に入らなかった…?

少年:……

ももは:やっぱり……

少年:ももは

少年:最高の名前だよ!!

少年:すっっごく気に入ったよ!

少年:ちゃんと意味まで 込めてくれるなんて!

少年:ありがとう!ももは! 大切にするよ!

ももは:ほ…ほんとに…!?

ももは:よかった…!

ももはとナキは、だんだん仲良くなっていきました。

ももはは、ナキが大好きでした。

ナキも、ももはが大好きでした。

例え、お互い家に帰る時でも 「さようなら」は 絶対に言いませんでした。

「またね」としか 言いませんでした。

ある日、ももはは 朝起きると体が凄くだるくて なかなか歩けませんでした。

ももは:なんだかしんどいなぁ…

でも、ももははナキに会いたくて なんとか服を着替え 階段を降り 1階に降りました。

ももは:ちょっと熱を測ってみよう…

ピピピピ

ももは:えっ…!?

熱は、39℃ありました。

ももは:な、なんでだろう

ももは:とくに風邪っぽくは ないんだけど…

ももは:きっとすぐに治る… 絶対に治るから…

ももはは、そう自分に 言い聞かせながら 玄関のドアを開けました。

ももは:あっ、ナキくん…!

ナキ:ももは!おはよ!

ナキは笑顔で挨拶をしてくれました。

ナキ:……?

ナキ:なんか、熱でもあるの?

ももは:え…?あっ、まぁ ちょっとだけだから気にしないで!

ナキ:ホントにちょっとだけなの…?

ナキ:今日は、あんまり外に いない方が…

ももは:いやだ…!ナキくんと話したいの…

ナキ:それは僕も同じだけど…

ナキ:じゃあ、僕がももはの 家に行くよ それか、僕の家に来る?

ナキ:僕が看病してあげるよ!

ももは:えっ、悪いよそんなの…!

ももは:気にしなくて大丈夫だよ!

ナキ:だめだよ!ほら! 早く行くから!

〜ナキの家〜

ナキ:ほら、このベッドで寝てていいから

ももは:ごめんね…ありがとう…

ナキ:熱測ってみて

そう言って、ナキは ももはに体温計を渡しました。

ピピピピ

ナキ:…!?

ナキ:すごい熱じゃないか…!

ももは:(あぁ、やっぱり下がってなかったかぁ…)

ナキ:どうして黙ってたんだよ!

ももは:ごめんね… 心配かけたくなくて……

ナキ:………

ももは:(なんだか意識が もうろうとしてきた…)

ももは:(視界がぼやけてる…)

ももは:(風邪ってこんなんだったけなぁ)

ももは(何年ぶりに風邪ひいたんだろう…)

ナキ:……も…は

ももは:(あぁ、ナキくんが何か喋ってる…)

ナキ:お…ぃ…も…は…!

ももは:(あれ?なんか顔に水がかかってるなぁ)

ナキ:…っう……くっ…

ももは:(ナキくん、泣いてるの…?)

ももは:ナキくん…やめてよ…

ナキ:…ももは……?

ももは:ナキくん…泣いちゃ…だめだよダメだよ…

ももは:私が付けた名前…大切にするって…言って…くれたじゃん…

ももは:鳴くって漢字…間違えてるよぉ…

ももは:そっちの泣くは…ダメだよ…

ナキ:……んっ……くっ……

ナキ:わかってるよ……

ももは:ナキ…くん…

ナキ:どうしたの……?

ももは:…さようなら…

ナキ:えっ……

ももは:例えどんなに言いたくなくても…言わなきゃならない言葉があるん……だよ…

ももは:最初で最後の……さようなら

ナキ:ももはぁぁあ……!!!

〜鳴奇(ナキ)〜 繋いでいた手が離れてしまった瞬間 あの瞬間が

どれだけ辛いことか…

僕はあの瞬間を忘れない

そして、この名前の意味も忘れない

例えあの瞬間を忘れても、君が… ももはがつけてくれたこの名前の意味を忘れてしまっても

1番忘れちゃいけないことがある

それは

君と過ごした時間

君の存在なんだよ

ももは

本当に大好きだったよ

それでも僕は言わないよ

「さよなら」なんて

それでも僕は言うよ

「またね」って

またね

ももは

〜終〜

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