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花子くん(1話〜78話)

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花子くん(1話〜78話)

66 - カクシゴト、ヒトリゴト、ヨマイゴト(後編1)

♥

52

2022年03月10日

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寧々

続きだよー

寧々

見てね!

四島メイ

ひゃあぁ〜
すごぉい
美味しそう
ですぅ!
いいですね

ホットケー
キ!
ねねちゃん
のも美味し
そうですぅ

寧々

あの・・
シジマさん

四島メイ

メイちゃん
です♥

カシャ📸

寧々

メイちゃん
これがお願い?

四島メイ

はい♥(パク♥)
おいしい!
ねねちゃんも食
べますぅ?
はいっあーん♥

寧々

(ム・・拒否
のんきにお
やつなんて
食べてる場
合じゃない
のに・・)

四島メイ

ねねちゃん
冷めないう
ちに・・ね?
ほら 1口だけ

寧々

(パク)(もぐもぐ)
(ごくん)(ほ・・)
・・・おいしい
(パクパク・・)

四島メイ

ふふ
今のホットケー
キの栄養
足に行きました

寧々

なななんでそういう
意地悪言うの!?
(ガーン)

四島メイ

もう1枚食べ
ちゃいます?

寧々

うん!

ズン!

四島メイ

大きすぎません?

寧々

太っちゃう〜

(看護師)ヒソヒソ・・ (看護師1)かわいそう (看護師2)かわいそうね・・

寧々

はーっ
美味しかった!

四島メイ

・・久しぶりに
お友達とホット
ケーキなんて食
べました
付き合ってくれ
てありがとうご
ざいましたぁ
私とっても楽し
かったですぅ
(ニコニコ)

寧々

私も・・(はっ)
(つい普通に楽し
んじゃった・・
私っていつもこ
う・・)
あの〜・・ここ
から戻る方法
本当に知ってる
んだよね・・?

四島メイ

はい
もちろん
私もそろそろ
戻らないとい
けませんしぃ
(ごくごく)

寧々

戻る?

四島メイ

(コト・・)
・・絵をね描いて
る途中なんです
私 芸術コースなの
で・・課題の絵

寧々

芸術コース・・

四島メイ

そう!
美大に行く人用の
2年に上がるとコ
ースの選択がある
じゃないですかぁ
理系、文系、芸術、
体育

寧々

メイちゃん美
大に行くんだ

四島メイ

はい
両親も応援して
くれてるので頑
張らないと!
ムン✨

寧々

へー
(あれ・・噂だと
”シジマさん,,は
家族に絵の道に
進むことを反対
されて
それで自殺・・
って話だったけ
ど・・噂と違う?
そりゃあメイちゃ
ん自殺しちゃうな
んてそんなのヤダ
って思う でも・・)

四島メイ

試験があるん
ですけど時間
全然足りなく
て〜

(看護師)ヒソヒソヒソヒソ・・

寧々

(びく)えっ!?
何これ!
メイちゃ・・

四島メイ

ねねちゃん
生徒の描いた
絵はね
美術室にしば
らく飾っても
らえるんです
私の絵描きあ
げられたら・
・見に来てく
れますか?

(看護師1)無理よ (看護師2)無理ね (看護師3)かわいそう (看護師1)あの子また絵を描いてる (看護師2)だけど随分重い病気だもの (看護師3)最近だって眠ってばかり ご飯もあんまり食べないし (看護師達)きっとあの子ー もうすぐ死んじゃうわ

寧々

メイちゃん・・

四島メイ

あーあ・・
全く・・
なんて馬鹿
馬鹿しいん
でしょう
噂なんてく
だらない
私は死んだ
りなんてし
ませんよ

(シジマさん)ーそれは誰がはじめに言いだしたことだったのか もう分からない 気が付けばささやかな亡霊だっ たはずのワタシは七不思議の席 にいた 描いた絵という虚構の世界 そこに生者を閉じ込めてしまう怪異 美術室のシジマさん ・・・絵なんて大嫌い

つかさ

だったらやめち
ゃえばい〜のに!
(ニュっ)

シジマさん

帰ってください
(ポイッ)

つかさ

わー

シジマさん

アナタとかかわると
ろくなことがない
何しに来たんですか
3番のことは聞いて
ますよ
ワタシの心臓でも必
要ですか?

つかさ

えー(じー)
そんなことしないよ〜
今日はね
お願いがあって来たんだ
(スタスタスタッ)
”絵,,を1枚描いてよ 4番
どーせ描くのやめられな
いんでしょ?

シジマさん

(かたん)(さらさら)
(ポンッ)

シジマさん(分身)

キャッ!

つかさ

お?

シジマさん

分身です(ぷい)
意識は共有して
いるのでそちら
と話をどうぞ
アナタと直接
話をするのは
疲れます

つかさ

へー!
わかった!

シジマさん(分身)

(ガーン)
そっそそそそ
そんなあぁ〜
ワタシだって
嫌なのにいぃ〜
あーん

シジマさん

はぁ・・
絵なんて大嫌い
だけどもうどう
だっていい
ワタシは何も望
まない
何にも手を伸ば
さない
何にも逆らわない
ワタシの願いはも
う叶わないから
虚構の世界では現
実で叶わない
どんな願いだって
表現できる
なんてくだらない
くだらないくだら
ないくだらない
夢を見たって現実
は何も変わらない
虚構は現実を変えら
れないのに はぁ・・
”わたし,,もあんな絵
描かなければよかっ
たのにあの絵がなけ
れば噂は生まれず
”美術室のシジマさん,,
が生まれることもな
かったー私の願い・
・?
私の願いはー・・

(看護師1)かわいそう・・ 若いのに・・ (看護師2)死んでしまうなんて (スパッ)

シジマさん

(私の願いは役割
を果たすこと
病気はどうせ治
らない できるこ
とはひとつだけ)
かつての四島メイ
があの絵を完成
させ 寄贈を望む
より前に彼女を
殺してワタシは
”ワタシ,,を抹消
する

寧々

(ガタ)
メイちゃん
危ない!!

四島メイ

はっ

キャッ
わ・・
(グラ)
ガターン!
(ガシャン)

寧々

大丈夫!?

四島メイ

いたたた・・
なんとか・・
・・あなたは
私と同じ顔・
・あなた誰・
・?

シジマさん

・・・
ワタシは
虚構 夢
そして怪異
ワタシはず
っとアナタ
に謝りたか
った
ごめんなさい
四島メイ
ワタシは役割
を果たせなか
った
アナタを守る
ために生まれ
てきたのに

四島メイ

課題は塔 塔かぁ
ん〜・・なんの
塔にしようかなぁ
・・そうだ
(むく・・)
この塔はアトリエ
(ササッ)
この中には”もしも,,
の私がいて元気で
絵を描いている
よぉし
そういうことにし
ちゃおう〜っと!
絵の中でくらい愉
快にやりたいです
しぃ・・
ねぇ そっちの世界
は楽しいですかぁ?
っていま私が描いて
るところで〜す!

(筆)コロ・・

四島メイ

あ 筆が・・

ギシ ビン チクッ

四島メイ

痛!
・・こっちの私
ちょっと病気な
んですよねぇ
だけどきっと元
気になるから
それまで私の代
わりにあなたが
絵を描いていて
くれません?
そうしたら頑張
れると思うんです
なんて・・変です
よねぇ
ひとりごとなんて

シジマさん

・・いいですよ
アナタの代わり
に描いていてあ
げます
だから大丈夫です

四島メイ

はい!
・・ってあれ?
私は何に返事を
・・

シジマさん

ワタシはー
アナタの望んだ
理想の私
アナタの描いた
1枚の絵
生きるためにア
ナタはワタシを
生み出した
だけど虚構は現
実を変えられない
ワタシはアナタを
救えなかった
そればかりか
歪んだ 噂の種にな
って許せない
こんなことワタシ
の願いはアナタを
守るという役割を
全うすること

シジマさん

(グッ)

ダン ガシャーン

寧々

メイちゃん!

シジマさん

どうせ救えない
のなら せめて
あの噂にワタシ
という虚構にア
ナタを害させない
ワタシはアナタの
真実を守ります

四島メイ

あなたが
私の描いた絵・・?
私・・死んじゃうん
ですか?

シジマさん

・・・
ワタシは
アナタの
苦悩を知
っている
不安を
恐怖を
眠れない
夜もそば
にいたから
それでも
アナタは
懸命に未来
を信じて笑
っていたけ
れど
望む未来は
来ない
アナタは死
ぬんです

寧々

(ガシッ)
やめて!
やめて・・
やめてよぉ
どうしてそ
んなひどい
こと言うの
・・!?

(シジマさん)どん

寧々

キャ

シジマさん

理解していた
だけなくて結
構です
言葉を尽くし
たところでど
うせアナタは
納得しない
怪異と生者が
分かりあうこ
となんてない
ですから
ワタシは彼女
を救わなくては

寧々

あ・・
だ・・
ダメ・・!

ドスッ

四島メイ

やー
危ない
危ない

寧々

メイちゃん!
(ポッ)

シジマさん

チッ
おとなしく〜・・

四島メイ

(パシっ)
えいっ!
(ガバッ)
(グルン)
(どっ)
(ダン!)
あなたって
なんだかぁ
私のこと・・
すごく好き
みたいです
ねぇ

シジマさん

・・・は?

ピシッ ビシ ビシ グラ グラ

寧々

なっ何・・!?

四島メイ

(ぴょん!)

シジマさん

四島メイ

(パシ)
ねねちゃん
行きましょ!

寧々

メイちゃん
んん・・
殺されちゃ
うかと思っ
た・・

四島メイ

泣かない
泣かない
(た た た)

シジマさん

どうして・・!
どうして逃げる
んですか!?
アナタのための
ワタシなのにど
うして拒むんで
すか!?
ワタシは・・・

ピシッ ボコッ ガラガラ グラグラ

寧々

病院が崩れてく・・!
メイちゃんどこに行くの?

四島メイ

この世界の
出口ですよぉ

寧々

出口・・!
本当に知っ
てたんだ・・

四島メイ

ここはねぇ
私の見てる
夢の世界な
んです

寧々

夢?

四島メイ

だから私が目を
覚ませばきっと
ねねちゃんも元
の場所に戻れま
すよ〜
っと 床が・・

ガラガラ

寧々

どうしよう・・

四島メイ

任せてください!
現実は色々と不便
ですけどぉ
ここでなら私 なん
だってできるんで
すよぉ
こんなふうに・・
(ガシッ)(ポーン)
(スタッ)ね♥
でも・・今日は長
く夢を見すぎまし
たねぇ
そろそろ目を覚ま
さなきゃ

病院の屋上です!

寧々

これが出口・・?

四島メイ

ハイ
あの階段の
向こうです
行きましょ

寧々

(すけてる・・)
(ドキドキ)
(そろ〜)(ずっ)
なななんで!?
登れな・・あっ
ああ足が太いか
ら!?(ブルブル)

四島メイ

あらら
・・この先は
私の現実なの
できっとねね
ちゃんは私と
帰る場所が違
うんですねぇ
それじゃあ・・
ここでお別れ
ですねぇ
ねねちゃん

寧々

この先はメイち
ゃんの現実・・
(現実に帰ったら
メイちゃんは死
んじゃう・・?)

四島メイ

寧々

ほ・・本当に行くの?
(ギュ・・)
だってメイちゃん・・
怖くないの?

四島メイ

・・・(ポン)
ふ・・
ねねちゃんは
どこから来た
んでしょうねぇ
もしかして未来
から?

寧々

四島メイ

ふふ
当たって
ますかぁ?
もし そうなら
・・(す・・)

シジマさん

待って!
い 行かないで・・
行かないでください!
ワタシはアナタを
害する無意味な虚構
でいたくない
いるわけにはいかな
いんです・・

四島メイ

虚構は無意味なんか
じゃないですよぉ
現実は時々とてもつ
らいから・・目を閉
じて夢を見る
明日を生きていくた
めにあなたは私の絵
私の夢
そして希望です
あなたがいるから
私は今日も目を覚ます
生きていけるんです

四島メイ

てゆーか
怪異だって
いいじゃな
いですかぁ!
(バシバシ)
学校の怪談
として語り
継がれるな
んてぇ
カッコいい
ですよ!(ビ!)
(コツン)

シジマさん

・・会いに
来てくれて
ありがとう
もう1人の
ワタシ

遠ざかっていく 背中をシジマさんは ずっと何も言わずに 見つめていた

花子くん(1話〜78話)

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あ、神

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