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恋樺
712
ユイ
188
如月 久柚⌛🍊
397
再び目が覚めた時。 もう降谷はいなかった。
病室の窓から、柔らかな昼の光が差し込んでいる。 深緒はぼんやり天井を見つめた。
まだ身体は重い。 少し動くだけで脇腹が痛む。
それでも、昨日よりはずっと楽だった。
病室は静かで、右手はもう誰にも握られていなかった。
松田深緒
少しだけ寂しいと思った自分に苦笑する。
その時。
コンコン。
病室の扉が叩かれる。
松田深緒
ガラッ。
勢いよく扉が開いた。
歩美
病室へ飛び込んできた歩美に、深緒が目を丸くする。 続いて。
元太
光彦
江戸川コナン
見慣れた顔が次々現れた。
松田深緒
一瞬。言葉が出なかった。
歩美はベッドの横まで来ると、ぽろっと涙を零した。
歩美
松田深緒
歩美
歩美
光彦も少し目を赤くしていた。
光彦
元太
元太が大きく頷く。
元太
歩美
顔を真っ赤にする歩美。 病室に小さな笑いが広がった。
その後ろから。
毛利蘭
蘭が現れる。
鈴木園子
園子もほっとした顔だった。
松田深緒
毛利蘭
蘭は優しく笑った。
毛利蘭
深緒は少し目を伏せる。
こんなに。心配されていたんだ。
その事実が少しだけ照れくさかった。
ずっと後ろにいたコナンが口を開く。
江戸川コナン
小さな声だった。 深緒だけに聞こえるくらいの。
松田深緒
深緒は少し笑う。
松田深緒
コナンは一瞬だけ顔を逸らした。
江戸川コナン
その声だけ妙に大人びていて、深緒は思わず笑った。
しばらくして。 子供たちは持ってきたお見舞いを広げ始める。
折り紙。 手紙。 よく分からない折れた鶴。 元太が持ってきた駄菓子。 光彦が選んだ本。 病室が急に賑やかになる。
蘭がベット横のテーブルへ視線を向けた。
毛利蘭
松田深緒
毛利蘭
深緒が目を瞬く。 蘭はテーブルの上にある紙袋を見る。
果物。 ゼリー飲料。 スポーツドリンク。 栄養補助食品。 綺麗にまとめられている。
鈴木園子
鈴木園子
毛利蘭
鈴木園子
毛利蘭
歩美たちも覗き込む。
松田深緒
毛利蘭
毛利蘭
それだけ。名前も無い。
園子が覗き込んで吹き出す。
鈴木園子
蘭はメモを見つめる。 そして少し首を傾げた。
毛利蘭
鈴木園子
毛利蘭
コナンの目が一瞬だけ動く。
毛利蘭
園子が笑う。
鈴木園子
毛利蘭
蘭はしばらく考える。
でも思い出せない。
やがて首を傾げたまま笑った。
毛利蘭
ーーーーー
歩美
歩美が大きな封筒を取り出した。
松田深緒
歩美
色紙だった。
探偵団の寄せ書き。 似顔絵。 深緒は一つ一つ読んだ。
その時だった。 歩美がふと首を傾げる。
歩美
松田深緒
歩美は深緒の右手を見た。
歩美
病室の空気が止まった。 深緒は反射的に右手を見る。
松田深緒
薬指。何もない。
血の気が引く。
光彦
松田深緒
呼吸が止まる。 ”海に落ちた時だ”
頭の中で嫌な想像が一気に駆け巡る。
松田深緒
声が震えた。蘭がすぐ異変に気づく。
毛利蘭
明らかに深緒の顔色が悪くなった。
コナンが静かに前へ出た。
江戸川コナン
深緒が顔を上げる。
江戸川コナン
松田深緒
江戸川コナン
江戸川コナン
毛利蘭
蘭はすぐ立ち上がった。
ーーーーー
数分後。 看護師が小さなケースを持って戻ってきた。
看護師
深緒は震える指でケースを受け取る。
そこに。見慣れた指輪があった。
松田深緒
肩の力が抜けた。
そっと触れる。 冷たい金属の感触。 それだけで泣きそうだった。
歩美が心配そうに見上げる。
歩美
深緒は小さく笑った。
松田深緒
その時だった。
コンコン。
再び病室の扉がノックされる。
ガラッ。
宮本由美
佐藤刑事
高木刑事
歩美たちが一斉に振り返った。
歩美
元太
光彦
一瞬で病室がさらに騒がしくなる。 由美が思わず笑った。
宮本由美
佐藤がベッドの近くまで寄る。
佐藤刑事
佐藤刑事
松田深緒
佐藤刑事
短く頷く。 その表情は柔らかかった。
深緒は待ちきれないといった風に口を開いた。
松田深緒
佐藤刑事
松田深緒
佐藤は数秒黙った。 それからゆっくり頷く。
佐藤刑事
深緒の肩から少し力が抜ける。
佐藤刑事
松田深緒
高木も頷く。
高木刑事
高木刑事
松田深緒
静かな返事だった。
でも、その目から少しだけ緊張が消える。
佐藤は続けた。
佐藤刑事
佐藤刑事
松田深緒
病室に静かな空気が流れた。
しばらくして、由美がぽつりと声を漏らす。
宮本由美
佐藤刑事
宮本由美
宮本由美
その瞬間。 蘭と園子が反応した。
毛利蘭
鈴木園子
江戸川コナン
コナンだけが静かになる。
宮本由美
宮本由美
毛利蘭
宮本由美
由美は頷いた。
宮本由美
園子が目を丸くする。
鈴木園子
毛利蘭
由美はきょとんとした。
宮本由美
宮本由美
病室が静かになる。
毛利蘭
鈴木園子
由美は逆に驚いた顔をした。
高木刑事
宮本由美
由美は肩を竦めた。
宮本由美
鈴木園子
園子が眉をひそめた瞬間。
歩美
元太
光彦
少しだけ笑いが起きる。
そして。
コンコン
またしても扉を叩く音が聞こえた。 全員が振り向く。
ガラッ。
科捜研の面々だった。
松田深緒
高橋が、病室へ入った瞬間固まった。
ベッドの上の深緒を見る。
生きている。 ちゃんと起きている。
それを確認した途端、顔がぐしゃっと歪んだ。
高橋
声にならない。
深緒が少し目を丸くする。
松田深緒
その瞬間。
高橋が勢いよく頭を下げた。
高橋
高橋
コメント
3件

よかったぁ指輪海に落ちてなくて😌まじでえっ嘘😱ってなったし(笑)お見舞いの品はやっぱり零くんかな🤔コナン君の小さくよかったって言うのがグッときた🥹 投稿ありがとうございます🙏今回も面白かったです☺️続きも楽しみに待ってます👍
ヤバい色々ぶっ刺さりすぎて語尾ハートで話したくない♡ 全てを分かっているコナンがあえて何も言わないのとか最高だった♡ 神作品だったし続きがすごい楽しみ♡
読み終えたわ。もうね、高橋が「すみませんでした!!」って頭下げたシーンで完全にやられた。深緒が起きて、みんなが順番にお見舞いに来る流れがすごく自然で、一人ひとりの想いがぎゅっと詰まってた。特に安室さんがずっと付き添ってたって由美さんの一言、あれだけで深緒との距離感が伝わってきて胸熱だった。指輪を無事に受け取るシーンも、細かい描写が効いてて好き。