※何でも許せる方向け
その頃、トップである私は警備を強化する事に熱心であった。
今夜、予定通りいけば梵天の野郎達が攻め入って来る筈だ。
顔は大半見た事は無い。
見た事があるのはやたらピンク色のヤツのみだ。
だからこそ警備を強くしなければならなかった。
我々と敵対である梵天。
今日此処で潰す。
この戦で負ける訳にはいかない。
どちらが潰れるか、だ。
私は空を窓越しに仰ぎ、煙草の火を消した。
ドンッッッ
目の前で叫んでいた部下が倒れる。
頭に綺麗に銃弾が撃ち込まれ、血飛沫が私の顔に飛んだ。
負けた。
完敗であった。
前と話が違う。
こんなに強くなかった。
強化したハズの警備も難無く避けられ
トップの私が居る場所も把握済み、ボディガードも全て殺ってきたというのか。
今や正しい情報など分からぬ状態。
私の頭は困惑と混乱。
私は、立ち篭る白い煙の奥から向かってくる人影に
恐怖を覚えていた。
ハルチヨ
ハルチヨ
you
煙から剥いでて来たのは、ピンク頭のヤツだった。
煽り口調の上に声の痺れが微量に含まれている。
薬物か。
梵天は薬物に手を出しているヤツが居ると聞いたが、コイツの事だったとは。
you
ハルチヨ
ハルチヨ
...そうか。
私が魂を掛けて作り上げたこの組織も
梵天の手により一瞬で消え去るんだ。
ハルチヨ
地獄に浸っていると、銃口がこちらに向けられていた。
何も出来ない。
やはり女の立つトップは務まらなかったのか?
私は恐怖で目を瞑った。
すると、煙の奥からもうひとつの声がした。
誰だ... もしかしてまだ部下が残ってるのか...?
ゆっくりと目を開ける。
ハルチヨ
ハルチヨ
すると、ピンク頭は銃を下に下ろし舌打ちをした。
一体誰だ?
目を細め、白い煙を退けると
長い白髪を垂らした男が居た。
you
その姿を見て私は思った。
好き、だと。
サラサラだけどふわふわしたような白髪。
切れ長で綺麗な目。
少し遠くからでも分かる。
一目惚れしたんだ。
you
ハルチヨ
するとピンク頭はまたもや大きな舌打ちをして、爆破で壊れかけのソファーに腰掛けた。
ココノイ
you
ココノイ
ココノイ
人身売買だろうか。
私の事を売るのか。
それとも、個々の臓器売買か。
...というか、そんな事よりも。
you
私は、そう口に出してしまっていた。
ゆっくりと目が自然に開いていく。
朝を迎えた様だ。
目を擦り起き上がると、ここは牢獄だった。
ここは何処だ。
昨日の夜、私は何をして...
思い出そうとした瞬間、牢屋の外から足音がした。
ココノイ
you
その足音の正体は九井さんだった。
そうだ、昨日。
私は九井さんに一目惚れをして、そのまま直球で言ってしまったのだ。
そして捕まりこの牢屋に閉じ込められた、と。
私は無言で九井さんを見つめる。
やはり美形だ。
私の好みのタイプでもある九井さんは
立っているだけでも言葉に表せないオーラがあった。
そんな事を考えていたら、もう私の持っている組織などどうでもよくなっていた。
死んでいった部下達も。
私を慕ってくれていた者も。
ココノイ
you
ココノイ
you
ココノイ
すると、九井さんは微笑しながら言った。
you
ココノイ
何だろう、何でこんなにも優しい対応なんだ。
普通敵対視していた同士、こんな空気にはならない。
you
ココノイ
you
ココノイ
ココノイ
ココノイ
you
ココノイ
ココノイ
壁によりかかり、腕を組みながら話す九井さん。
確かに、人身売買か臓器売買のどちらかでも実質私は死なない。
私の臓器は他人の体の中で生き続ける。
でも違う。
死なないとか生きるとか、そういうんじゃないんだ。
初めて、初めて人を好きになった。
所謂初恋。
これが実らなくとも別に良い。
私は、九井さんの隣に居てみたい。
you
you
その言葉から、歯車は回り始めたのである。
【前編】𝑒𝑛𝑑
コメント
27件
ほほほほほほ(
わ 、やばいドタイプ好き 、、
最高デースココ格好いいよね