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茶色の髪を丁寧に巻き
100㌢丈のルーズソックスを履く
岸原萌歌
リビングに行くと
もうお母さんの姿はなくて、かわりに机には
"夕飯代"と書かれた紙と2000円が置いてあった。
私の家は片親だからこれが日課。
お母さんの手料理なんて5、6年は食べてない
岸原萌歌
誰もいない家に一人呟いて私は学校へ向かった。
ーー高校入って2度目の春
私岸原萌歌は高校二年生になりました。
井岡拓真
そして家の前にある公園で
毎朝彼氏と待ち合わせするのも、私の日課。
岸原萌歌
彼氏の拓真とは中2の時から付き合ってて
来月の記念日で3年になる
高校はお互い別々のところに進んだけど
これといった問題も起きずに順調に交際中
公園から駅までの、わずか20分の時間しか話せないけど
たまに放課後も会えるし、休日にも会える
井岡拓真
拓真がぼんやりしながら呟いた
…まだ実感わかない
岸原萌歌
岸原萌歌
井岡拓真
…なんかこの会話
岸原萌歌
井岡拓真
2人で笑いあって、たわいもない会話して、
いつも通り駅でバイバイした
いつもと同じ毎日
ずっとこの幸せな日常が続くと思ってた
ーーあいつに出会うまでは。
私はいつも通り同じ時間の電車に乗った。
今日も相変わらずの混み具合で、足を下手に動かしたら人の足を蹴ってしまうだろう
…あぁ、電車が空いてればいいのになぁ
そんな叶わない夢をボ〜っと考えていると
ふとお尻になにか違和感を感じた
岸原萌歌
お尻に触れている手らしきものは
パンツのラインをなぞったり、やわやわとゆっくりと揉むように触る
岸原萌歌
童顔を隠すための派手なギャルメイク。
金髪に近い髪色
短いスカートにルーズソックス
典型的なギャルだった萌歌に今まで痴漢行為をする人もいなかったため
私はどうすればいいかわからなかった。
横目で後ろを確認するが後ろには高校生らしき男の子がいるだけで
痴漢をしそうな人はいない
岸原萌歌
段々とヒートアップする手に私の体も反応してしまう
その時
"次は東丘駅、東丘駅ー"
やっと1つ目の駅だ
岸原萌歌
岸原萌歌
岸原萌歌
降りようか迷っている間に
"扉が閉まります"
というアナウンスが流れる
その瞬間
ーーーーぐいっ
誰かに手を引っ張られ、電車を降りた。
男の子
そう言って手を差し伸べてくれた男の子
岸原萌歌
そこにいたのは私の後ろにいた高校生らしき男の子だった。
私が痴漢されてるの気づいてくれたんだ。
男の子
男の子
岸原萌歌
"さっきの"というのは痴漢行為のことだろう。
すると
男の子
その男の子が私の制服を見ていう。
岸原萌歌
…南高校なんて良く知ってるなぁ
と、思いつつも私が返事をすると男の子は
意味ありげに不敵な笑みを浮かべた。
岸原萌歌
男の子
岸原萌歌
今"萌歌先輩"って言った?
なんで名前知ってるの?
聞こうと思った時には、男の子はいなくなっていた
岸原萌歌
不思議な体験をしたな程度で済ませて私は電車に乗った
だから、この時はまだ知るよしもなかったんだ
ーーこの出会いが運命を変えることになるのも
男の子
ーー電車に乗る私を見ながら彼が呟いていたことも
T s u m u g i☀︎
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