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だいふく
古びた事務所の一室
外のネオンが窓から微かに差し込み、部屋の隅をぼんやりと照らしていた
そこに、麗央は突き飛ばされた格好で転がっている
額には汗。胸は上下し、喉が乾いて息がうまく吸えない。
蓮が静かに歩み寄る。革靴の音が妙に耳につく。
蓮
声は低く、冷たい。だが怒鳴りはしない。それが逆に怖い。
蓮
麗央は小さく首を横に振る
麗央
すると次の瞬間、蓮の拳が鳩尾に叩き込まれた
麗央
麗央
胃の奥が跳ね上がり、吐き気がこみ上げる
床に手をついた麗央に、朔矢が屈みこんだ
朔矢
朔矢
朔矢
くぐもった声で言われ、麗央は歯を食いしばる
動かないと……もっと痛いことがあると、本能でわかっていた
ふと、背後から缶のプルタブが開く音がした。零斗だった。
零斗
零斗
零斗
その言葉に、麗央は腹の底から怒りがこみ上げた
麗央
麗央
バチン
今度は頬を打たれた
立っていた龍牙が、無言のまま掌で叩いたのだ。手加減などしていない。
龍牙
そう言って、彼はゆっくりと煙草を咥えると、火をつけて深く吸った
龍牙
龍牙
龍牙
煙がふわりと麗央の顔をなぞった。苦しくて、目が沁みる。
麗央はゆっくりと立ち上がる
震える脚を、なんとか支える。服の裾を握る手が白くなるほど力が入っていた。
麗央
蓮が、ネクタイを緩めながら静かに言った
蓮
その言葉に、麗央の意識が遠のくような感覚がした
お前がどこまで“覚悟”してるか、見せてもらう
震える指先でボタンに手をかける
胸元、腹、腰……露わになっていく肌。
朔矢が口笛を鳴らした
朔矢
朔矢
零斗
零斗が、やや低めの声で言う。が、どこか楽しんでいるような色も含まれていた。
零斗
その一言に、麗央の目が見開かれる
麗央
麗央
無意識に後ずさったところで、龍牙に腕を掴まれた。静かな手つきで、だが容赦はない。
龍牙
そのとき零斗が屈んで、目の前まで顔を近づけた
その瞳に、妙な色が宿っている。怒りでも、冷たさでもない――ほんのわずかな、興奮。
零斗
零斗
そのまま、乱暴に顔を掴まれ、顎を上げさせられる
零斗
そして、彼の“普通”は、容赦なく引き裂かれていった――。
だいふく
だいふく