三ツ谷
…そんなことがあったんだな…
ギュッ
そう言って、彼は私を抱きしめた。
三ツ谷
辛かったよな。
三ツ谷
よく頑張ったな。
杏奈
………( ´•̥̥ω•̥̥` )
自分では分からなかった。
どうしてこの人はこんなにも優しいのだろうか。
私を殴らない優しい人。
信じてもいいと思った。
気づけば私は泣いていた。
杏奈
あれ、私、泣いて…
三ツ谷
辛い時は泣いてもいいんだぞ。
三ツ谷
好きなだけ泣いて、落ち着かせろ。
私はその時、初めて泣いた。
何故かとても安心できた。
そこから少しずつ感情を取り戻した。
三ツ谷隆。あの人は私の恩人だ。
「妹になるか?」と言うあの一言だけで。
私の人生を変えてくれた。
三ツ谷
はぐれんなよ。
杏奈
うん。
あの日から私は少しずつ変わっていった。
大体の人には普通に接する事ができるようになった。
テンションが高いときはとても明るい性格になる。
でも
眼鏡を掛けた人だけは駄目だった。
私にとって、あの出来事はトラウマになっていたみたいだ。
三ツ谷
(そろそろ…かな)
杏奈
(*n'∀'n*)
杏奈
お兄ちゃん!
杏奈
次はあそこ行きたい!
三ツ谷
おうw行こうなーw
杏奈
うん!
杏奈
………
三ツ谷
お?戻ったか?
杏奈
うん…
杏奈
海、行きたい…
三ツ谷
行くかー!
杏奈
うん
杏奈
兄さん。
杏奈
私、頑張るね?
三ツ谷
ん?何がだ?
杏奈
本当の兄弟見たいになれるように。
三ツ谷
フッw
三ツ谷
頑張れ。
杏奈
うん。
三ツ谷
そろそろ帰るぞ。
杏奈
うん。
兄さんには隠している事がある。
実は、もう私は普通に接する事が出来る。
明るく、元気な理想の妹になることが出来る。
でも中々言い出せないんだ。
三ツ谷
飯にするか?
杏奈
……私が作る
三ツ谷
!!
三ツ谷
そうか。作ってみるか?
杏奈
うん
私は決意した。
御馳走を作って、兄さんがビッグリしている時に
事実を言おう。
杏奈
出来た…
三ツ谷
お!美味そうだな!
杏奈
兄さん。
三ツ谷
ん?
杏奈
言いたい事がある。
三ツ谷
おう。
杏奈
実は、私。
杏奈
˚‧º·(´ฅωฅ`)‧º·˚.
三ツ谷
どうした!?
杏奈
実は…
杏奈
もう…本当の妹みたいになれるよ…?
三ツ谷
!?
杏奈
兄さん…いや、お兄ちゃん!
三ツ谷
…( ´•̥̥ω•̥̥` )
杏奈
今まで、隠しててごめんなさい…
三ツ谷
よかった…
三ツ谷
じゃあ、俺からも言わせてくれ。
杏奈
うん!
三ツ谷
紹介…したい奴らが居るんだ。
杏奈
分かった。
杏奈
いつ、会うの?
三ツ谷
明日だな。駅で待ち合わせだ!
杏奈
うん!