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(ガラッ)
(教室の扉が開く音)
若井は教室の扉を開ける 先にいる友達を見つけると 駆け足で寄っていく
若井
若井はいつも通り 友達に朝の挨拶をする
若井の友達1(雄大)
若井の友達2(翔)
若井
若井の友達1(雄大)
若井の友達2(翔)
若井
若井の友達2(翔)
若井の友達1(雄大)
若井
若井
若井が話を始めると 結果グループ内に爆笑が巻き起こる
若井の友達2(翔)
若井の友達1(雄大)
若井
若井
若井の友達1(雄大)
(ガラッ)
(教室の扉が開く音)
若井は扉の方をみる 大森が登校してきた
若井
若井は話を始めると友だち以外は 見えなくなるタイプだが 大森の姿にはすぐに反応できる
若井
若井
若井の友達2(翔)
若井は話を中断して 大森の元へ向かう
若井
若井
若井は大森の肩を叩く
大森
大森
大森が驚いた様子で振り返る 黒目がちな瞳がこちらをみる
若井
大森
大森
若井の心臓がぎゅっとなる どうしてただの挨拶が こんなに可愛く聞こえるんだろう
若井
若井
大森
大森
大森は一瞬言われた意味が 分からず固まった
若井
大森
大森はやっと若井の伝えたい事を 理解した
毎月第1火曜日は 生徒会の集まりがある
若井と大森は生徒会役員だ 今日の放課後は生徒会室に 集まらないといけない
前回は休んだので 今回は来れるのか 聞いているのだろう
大森
若井
若井
大森
大森
若井
若井
大森
先月の火曜日 生徒会は学校からお願いされていた 校庭横の草むしりをする日だった
9月でもまだまだ気温は高かった 草むしりなんて大変だっただろう
大森
大森
若井
若井
大森
大森
若井
大森
大森
若井
大森
若井は驚いたが嬉しくもあった 大森から見たら 自分はそう見えるのか
若井
若井
若井
若井
大森
大森
若井
若井
若井
大森は若井に1歩近づいて 腕を両手でぎゅっと握る 若井は衝撃で一瞬、時間が止まった
大森
大森
大森の甘いような優しい声が 若井の耳元で鳴る 心臓がドキドキと高鳴る
若井
若井
大森
大森
大森が少しいらずらっぽく笑う
「2人だけの秘密」 その言葉が若井の心を 蜜のように甘く包む
若井
若井
大森
大森
大森がにっこりと笑って去っていく 若井はその後ろ姿を見ながら 愉悦感に浸る
これほど仲良くなれるとは 少し前では想像も付かなかった 若井は1ヶ月前の 出来事を思い出した
ーーーーーーーーーー
ーーーーーーー
ー1ヶ月前ー
若井はめずらしく 部活動がない日だった
同じ部活の者は 全員どこかテンションが高く 放課後どこに遊びに行こうかと 騒がしかった
もちろん若井も例外ではなく 放課後、友達との時間を 楽しみにしていた
ある程度、帰り支度を終えて 友達と合流しようとしていた所 大森が話しかけてきた
大森
若井
若井が振り返ると 大森が遠慮がちにこちらを見ている
若井
若井
若井
傍から見れば普通に見えるだろう しかし心の中は大騒ぎだった 大森から話しかけてくれた
それだけで部活が休み というイベントを軽々と超えた
大森
大森
大森
若井
大森はきょとんとした顔で 若井見つめる
若井
若井
すると大森は つい耐えられなかった様子で笑う
大森
大森
若井
大森
大森
若井
若井
いざ大森を目の前にすると 全く話せない 目すら合わせられなかった
大森
大森が若井の腕を掴んで引っ張る 若井は心臓が爆発しそうになった
大森
大森は若井を 人気のない所に誘導する
大森
若井
大森と人気のないところで2人きり それだけで若井は浮き足たった 何を言われるのだろう 心臓が痛いほど早く動いている
若井
大森
大森
大森は緊張しているのか カーディガンをぎゅっと掴む
大森はクールだという イメージがあったので つい、その様子が可愛らしくて じっと見つめてしまう
大森
大森
若井
若井
大森
若井
若井
大森が顔を上げて驚いた様子で 若井を見つめる どんな表情をしていても とても可愛く感じてしまう
大森
大森
若井
若井
若井は少し考える 確かに気にはなるが それは個人的に詮索したいだけだ
若井
若井
若井
大森
大森
大森
若井
大森
大森が少し焦った様子で 若井を見る 極端に瞳の瞬きが増えて 手の動きも忙しい
大森
大森
若井
その動きがあまりにも可愛いので 吹き出してしまう 不味いと思って顔を上げると 大森もほっとした様子で笑う
しばらく2人で笑い合う なんだか大森との距離が 縮まったような気がして嬉しい
若井
若井
若井
若井
大森
大森
若井
若井
大森
若井
2人の間に話が終わった空気が漂う 若井はまだ大森と話していたいが そういう訳にも行かないだろう
若井
大森
大森が唐突に名前を呼ぶ 若井は驚いて大森を見つめた
大森
大森
若井
若井
若井
若井の心臓は再び高鳴る なぜ休みかどうか聞くのだろう もしかして、この後どこか一緒に 遊びに行けたりするのだろうか
大森
若井
若井
大森
若井
若井
大森
若井の頭が高速で動く
若井
若井
大森
大森
大森
若井
大森が1歩踏み出して 若井の手を握る あまりに急な展開に言葉が出ない
若井
若井
若井
大森
大森は若井に微笑む
大森
ーーーーーーーーーーーー
ーーーーーーーー
ーーーー
大森の家に向かう道中 若井は部活の事や家族の事など 何気ない話をした それだけでとても楽しい
当たり前のように大森が隣にいる 若井の話に笑って ちょっとした冗談も言ってくれる
若井
なぜ、こんなに大森が気になるのか 自分自身でも正直分からない
ただ、初めて会った時から 大森は何もしなくても 目立っていた
それは彼の整った顔のせいだろう とも思っている しかし、それだけで説明のつかない 何かがある気もした
2人は電車から降りて 大森の家に向かう しばらく歩くと 大森がある方向を指さす
大森
大森が指さす方向を見ると 一軒家が並んでいる 地帯が見える
その中で白い家は一つだ
若井
大森
若井
大森
大森
確かに駅から少し距離があった 10分くらい歩いただろうか
若井
若井
若井
大森
大森
若井
若井
若井
大森
大森
若井
大森
若井
若井
大森
大森
大森
若井は嬉しくてつい口角が上がる この言葉は ずっと大切に取っておこうと思った
大森の自宅の前に到着する
大森
大森はカバンから鍵を取りだして 玄関の鍵を開ける
大森
大森
そう言いながら玄関の扉を開ける
若井
若井
玄関で靴を脱いで中に入ると 少し長めの廊下の先に 広めのリビングがある
整理整頓されていて綺麗な家だ 若井の家とは全くの別物で 少し恥ずかしくなる
大森
若井
大森
若井
若井
大森
そう言いながら大森は 冷蔵庫に向かう
大森
大森
若井
若井が迷っていると 大森が若井においでと手招きする
若井が近づくと冷蔵庫を指さす
大森
冷蔵庫を開けると中には コーラーやサイダー りんごジュースなど 様々な飲み物が並んでいる
若井
大森
若井
大森
大森
大森
大森もコーラーを取ると 若井のコーラーのボトルに 自分のボトルをぶつけた
若井
若井
若井も同じように答えると 大森は少しいたずらっぽく笑った
大森
まるで友達みたいじゃないか? 若井の浮ついた部分が囁く
若井
若井
若井
若井
若井はこっそり呼び方を変える
大森
若井
大森
大森がちらりとこちらを見る
大森
若井
大森
大森
若井
若井
大森
大森が恥ずかしさを 誤魔化すようにコーラーを飲む
その様子に若井の浮ついた部分が 巨大化していくのが分かった
若井
若井
大森
大森がついに耐えられず 笑ってしまう 恥ずかしいのか顔を手で隠す
大森
大森
大森が若井の身体を軽く手で押す 若井はつい、にやけてしまう
大森
大森
恥ずかしそうに呟く姿に 若井は心の中で歓声をあげた
若井
若井
大森が階段を上がっていく どうやら自室は2階のようだ
若井
若井
若井は想像を膨らませた
大森はある扉の前に立って ガチャと扉を開けた
大森
若井
若井
若井は部屋を見渡す なんというか まるで大人の人が住んでるような 雰囲気の部屋だ
若井
大森
若井
大森
大森
大森
若井
若井
若井
大森
大森
大森
若井
若井
若井
大森
若井は何とか誤魔化したが そういうことではない とても違和感がある まるでモデルルームのようだ
若井
若井
綺麗好きとか そういうタイプなのかもしれない 若井は違和感を振り払った
大森
大森が緊張した面持ちで 話を始める
大森
若井
若井も背筋を伸ばして 言葉の先を待つ
大森がふいに立ち上がって 机に向かう そして、引き出しから 冊子のような紙の束を取りだした
大森
大森
大森がその冊子を 若井に差し出す 30枚くらいの紙の束だ
若井
大森
紙の束の表紙には「傑子」 という2文字がある
若井
大森
若井
大森
大森
1枚、紙をめくってみる すると作文用紙のような物が 出てくる
文字がぎっしりと並んでいる どうやら小説のようだ
若井は何となく読み始めた
部屋にただページをめくる 音だけが響く
ーーーーー
しばらくして若井は 最後の一文を読み終えた 静かに冊子を閉じる
若井
大森
大森が若井の様子を 不安そうに見つめる
若井
若井
若井
大森
大森
若井
若井は手元の冊子を見つめる 「傑子」の文字が初めより とても強く重く感じた
大森
大森
大森が恐る恐るといった様子で 聞いてくる
若井
若井
若井は頭をフル回転させる 適切な言葉が見つからない どれも幼稚すぎる
若井
物語自体はありがちに思える ストーリーだった
主人公は悪魔に取り憑かれていて ある日それを取り払うために 旅に出る
旅をするうちに自分以外にも 悪魔に取り憑かれている人 そして、天使に愛されている人 様々な人間に出会う
そんな普通の話だが 時折、まるで水の中にいるような ゆったりとした気持ちになったり
そうと思えば、突然 自分に刃が向いて刺されるような
とにかく言葉では 簡単に説明できない 美しい世界がそこにはあった
若井
若井
若井
大森
若井
若井
大森
大森が緊張した様子で 手もとを見つめる
大森
大森
若井
大森
若井
若井
若井
大森
若井
若井
若井
大森
大森
若井
大森
大森
若井
若井は大森の肩を掴む 大森がびっくりした様子で 若井を見つめる
若井
若井
若井
若井
若井
若井
若井
大森
大森はつい笑ってしまう 若井はこの想いが届いて欲しくて ただ大森を見つめた
大森
大森
大森
若井
若井
大森
大森
若井
若井
大森
大森
若井
若井
大森
大森
大森
大森
若井
大森
大森が若井をまっすぐ見つめる
大森
大森
若井は心の深いところが震えた 大森にここまで言わせた人は 今までいるんだろうか
また、若井の浮ついた部分が囁いた もしかして俺は大森元貴に 選ばれたのではないか?