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コメント
5件
本性が…!!楽しみ🫶
はぅ … ♡ やばい !! 好き過ぎる!!
最近、若井は十分満帆だ 世界がとても輝いていて 何をしても楽しい
部活動では 最近、伸びてきたと褒められる 勉強の成績も上がってきた
1つの悩みといえば 恋愛ソングを聴くと なぜか大森を思い出すことだ
自分は女性が好きなはずだし まさか大森にそんな感情を 抱いているなんて考えたくもない
そのせいか最近は 恋愛ソングを聞いていない
だが、それくらいの欠点は どうでもいい 今、若井はとても幸福だからだ
〜ガラッ〜
(教室の扉を開ける音)
若井
若井の友達2(翔)
若井の友達1(雄大)
若井の友達2(翔)
若井の友達2(翔)
若井
若井の友達1(雄大)
若井の友達1(雄大)
若井
若井の友達1(雄大)
若井の友達1(雄大)
若井
若井
若井の友達2(翔)
〜ガラッ〜
(教室の扉が開く音)
大森が教室に入ってくる 席を立って 大森の所に向かう
若井
若井
大森
大森が席に座りながら 1限目の準備をする 若井は勝手に前の席に座った
若井
大森
若井
若井
大森
大森がぱっと顔を上げる 若井は少し得意げになる
大森
若井
若井
大森
若井
若井
大森
大森
大森
若井
若井
大森
国語の先生(山内)
大森が声のする方に振り返る 声の主は山内先生のようだ 大森に近づく
国語の先生(山内)
山内が木蓮と書いてある 雑誌のようなものを掲げて 1つの名前を指す
大森
国語の先生(山内)
国語の先生(山内)
大森
大森
国語の先生(山内)
国語の先生(山内)
国語の先生(山内)
大森
国語の先生(山内)
国語の先生(山内)
山内が眉間にしわを寄せると 突然、大森の肩を掴んだ
若井
若井
国語の先生(山内)
突然、山内が大声で叫ぶ その声で教室が一瞬、静まり返った
だが、山内にはそんな事 どうでもいいのか 身を震わせながら 大森の肩をさらに強く掴んだ
大森はその様子を 極めて冷めた目つきで眺めた
国語の先生(山内)
国語の先生(山内)
大森
大森
国語の先生(山内)
国語の先生(山内)
国語の先生(山内)
大森
国語の先生(山内)
国語の先生(山内)
近くにいた若井には 大森が小さく鼻で 笑ったのが聞こえてしまった
大森
大森
国語の先生(山内)
国語の先生(山内)
大森
大森
大森は会話をスパッと切って 前をむく
国語の先生(山内)
国語の先生(山内)
まだ折るつもりがないらしい 若井はあえて 一軍らしい笑顔を作りながら 山内を見上げた
若井
若井
その言葉につい大森は吹き出す
山内は途端に目の色を変えて 口をぱくぱくと動かした
若井
睨みつけると 山内はすっと無表情になって すごすごと教室を出ていく
若井
山内の背中に 敵意のこもった眼差しを向ける
大森
大森を見ると 愛しそうな表情で笑いかけられた 一瞬でイラつきが昇華される 初めて見る表情だ
大森
若井
若井
大森
大森
大森
大森の指が若井の手にそっと触る なにかのスイッチが 入りそうになった
ーーーーー
若井は1限目 ずっと夢の中にいるような 気分だった
少しの暇があれば 大森のあの笑顔と 甘い声が再生されてしまう
若井
若井
そんな事を自問自答して 気がついたら口角が上がっていた
ーーーーーーーーーーーーー
ーーーーーーー
大森は学校から帰宅した
自室の部屋の扉を開けて 学校カバンを地面に置いた
大森
山内のせいで散々だった 大森を探し回って居たので 隠れながら学校を出た
大森は舌打ちをする 上手くいかないことばかりだ
大森
大森
山内のおかげなのか 若井の使い所が増えた 思ったより使いやすい
若井に初めて会った時 こいつにしようと決めた
理由は単純で 承認欲求が強い割には 大した才能もなく そのくせ人には嫌われたくない
振ったらカラカラ音がしそうなほど 空っぽなやつだからだ
大森
部屋着に着替えながら 若井の姿を思い出す
実際、近くに置いてみたら 予想以上にうざったい 距離を詰めるのも早いし 目が合うとすぐ近くに寄ってくる
大森
だとしても 簡単に捨てられるだろう 大切な物が多い者ほど 処理するのは楽ちんだ
大森は何となく気楽に考えていた
ーーーーーーーー
ーーーー
ー1ヶ月後ー
若井は暖房のかかった電車の中で 本を読んでいた
あれからいくつ、新しい本を 読破しただろうか
読み慣れてくると面白く すっかり小説の持つ魅力に 捕まってしまった
だが、読めば読むほど大森の小説が どれほど異次元なのか 分かってしまう
今なら山内の気持ちが分かる あの才能を目の前にすると 自分が小さく感じる時がある それが、たまに辛い
電車のスピーカーから 最寄り駅がアナウンスされる
若井
若井は急いで本をしまって 席を立った
〜ガラッ〜
(教室の扉を開ける音)
若井
若井の友達2(翔)
若井の友達1(雄大)
若井は少し疑問に思う なぜか2人とも 朝からテンションが高い
若井
若井の友達1(雄大)
若井の友達2(翔)
若井の友達2(翔)
若井
若井の友達2(翔)
若井の友達2(翔)
若井の友達2(翔)
若井の友達1(雄大)
若井の友達1(雄大)
先週の金曜日を思い出す 今回こそは期待していたが レギュラーには選ばれなかった
若井の友達2(翔)
若井の友達2(翔)
若井の友達2(翔)
若井は悔しさでつい笑顔が 崩れそうになる だが、何とか繕った
若井の友達1(雄大)
雄大が立ち上がって 翔に掴みかかる 周りの生徒が少しだけざわつく
若井の友達1(雄大)
若井の友達1(雄大)
翔はポカーンとして雄大を見つめる 若井もポカーンとして 2人を見つめた
若井
若井
心がじんわりと暖かくなる 涙がこぼれそうになるのを 我慢した
若井の友達2(翔)
若井の友達1(雄大)
若井の友達1(雄大)
若井の友達2(翔)
若井の友達2(翔)
若井の友達2(翔)
若井
若井
若井
若井の友達1(雄大)
若井の友達1(雄大)
若井
それから、しばらく話していると 大森が教室に入ってくる
だが、今日は雄大の近くに居たい そのまま話を続けた
ーーーーー
クラスメイト(莉子)
大森が顔を上げると クラスメイトの女子が 目の前に立っている
大森
大森
少し気を引き締めた 女性はどのカーストでも 扱いを間違えると面倒を連れてくる 注意が必要だ
クラスメイト(莉子)
クラスメイト(莉子)
クラスメイト(莉子)
大森
舌打ちをしたい 気持ちを堪えた 務めて穏やかに対応する
大森
大森
クラスメイト(莉子)
大森
クラスメイト(莉子)
すぐに目を逸らして 窓の外を見る
最近こういうのが増えた どうやら、流行っている俳優が 「傑子」を褒めたようで その波がここまで来ている
本当に面倒な事をしてくれる ここに直接、来る奴は ふるいにかけられた阿呆ばかりだ
読みたいのなら 木蓮を買えばいい そこに全文があるのだから
どうせ「傑子」の読み方を聞いても 誰1人、答えられない あいつらが興味あるのは その俳優であって大森ではない
大森
大森は外の景色をじっと見つめた
ーーーーーーー
ーーーー
ー5日後ー
若井は自室で本を読んで ゆっくりとした休日を過ごしていた
今日は寒い なので外に出るのが億劫だ だが、心がポテチをつまみながら 本を読みたいと叫び続けている
その叫びをもう3時間くらいは 無視している だがもう、そろそろ限界だ
最近、部活漬けで 奇しくも溜まってしまった お小遣いを使うのなら まさに今だろう
若井
背伸びをして 何とか立ち上がる
面倒なので下のズボンはそのまま 上の服だけ着替えて コンビニに向かう
家の外に出るが 雨が降り出してきた
若井
若井
突然、降り始めた雨に 空気を読めよと毒づく 仕方ないので家に戻って 傘を取りに行く
家を出たばかりで幸いだった 中盤まで歩いていたら ずぶ濡れ覚悟で コンビニに向かっていた
若井
若井
傘立てから傘を取って それを差しながら向かう
いつものコンビニに入る すぐにお菓子売り場に向かう
若井
若井
若井はあるブランドの ポテトチップスが とても気に入っている
他のブランドと比べて 味、食感が段違いに好みなのだ
ここから歩いて10分程度の所に 別のコンビニがある
普通に歩くと10分はかかる ただ近道をすれば5分で着く
しかし、その近道を通るには 少しの度胸が必要だ
コンビニを出て もう1つのコンビニに向かう
少し歩くと周りを見渡す この辺りは人気はない しかし、万が一見られたら 恥ずかしい思いをする
人が居ないことを確認して ある家の敷地内を突っ切る 誰も住んでいない幽霊屋敷だ
伸びている雑草を かき分けて進む 小さい頃からお世話になっている 恐怖心は薄めだ
とくに何も考えず進んでいると 突然、悲鳴みたいな音が 聞こえた気がした
若井はピタリと動きを止める
若井
若井
悪い方へ考えないようにしながら 耳をすませていると もう一度 短い悲鳴のような声が聞こえた
この家の中から聞こえる それに気づいた瞬間 若井の背筋がすっと冷える
戻るよりこのまま進むほうが 早く出られる そっと1歩踏み出した
若井
もしも人だったら?
若井
若井
若井
若井
そういえば、小さい頃 この辺で誘拐事件が起きた
その時、犯人がこの家を 潜伏場所として 使っていたのではと 噂が立った事がある
若井
そう思った瞬間 若井は振り返る それでもおかしくない くぐもった高い声だった
若井は戻ろうとするが ふっと考える
戻ってどうする? 本当に人の声? 若井の恐怖心が 進まなくていい理由を探す
若井
さっきの声が頭から離れない 迷っていると また、短い悲鳴が続けて 2回聞こえた
若井
若井
今の声で確信した やはり子供の声にも聞こえる もし子供なら女の子だ
若井
若井
若井は歩を進める 息を殺して ゆっくり少しづつ進む
進みながら 壁が1部、腐り落ちて 中が見える場所を見つけた ゆっくりとそこへ向かう
たどり着くと 膝を折って中を覗き込む 恐怖で心臓の音が聞こえる 手も勝手に震える
中はとても暗い よく見えない 若井は目を凝らした
すると、人影がゆらりと揺れた 咄嗟に口を塞いだ 悲鳴が上がりそうになった
まるでリズムに 乗るように うしろ、前に、うしろに 身体を揺らしている
何をしているのか 瞳に神経を集中させる 布のようなものを 擦っているように見える
若井
少しずつ目が慣れてくる ふっと人影に違和感を感じた
若井
この人影、この髪型 思い当たった時 ますます頭が混乱した
若井
間違えるはずがない ほぼ確信めいた感覚で 揺れる影を注視する
さらに目が慣れてくると やっぱりと確信する まだ暗いが少しだけ見える やはり大森だ
若井
中にいる人物が分かっても 安心をもたらすことは無い
むしろ、不気味さが増した こんな所で何をしているんだろう
大森の行動を見つめた 何を拭いているんだろう
大森
その時、大森が笑った
若井は脳が一瞬、停止する
こちらに気づいたのかと とっさに穴から目を離す 身体全身が驚くほど震えている
若井
若井
若井
立ち上がろとするが 興味が後ろ髪を引っ張る
若井
いや、理解しようとするな これ以上は踏み込みすぎだ 頭の中では真っ赤な警報が 鳴っている
そう頭では思っていても 身体はもう一度 あの穴を覗こうとしている
若井
若井
何が?何が分かるんだろう
若井
若井
若井は好奇心に抗えずもう一度 穴を覗いた
揺れる影が床を拭いている ずっずっと断続的に音が鳴る
若井
若井は目を凝らす 揺れる影をじっと見ていると 突然、高い悲鳴のような 声が上がった
若井は身体をびっくと揺らす
若井
若井
大森の影がぐっと前のめりになる 口が動いている 耳をすませると 大森の独特の甘い声がする
大森
若井
どれだけ耳をすましても 何を言ってるかは聞き取れない
何に話しかけているんだろう 疑問に思った瞬間 車がこの家の前を通った
車のライトが一瞬だけ部屋を照らす その瞬間、弾かれるように 若井は立ち上がった
そのまま、後ろも振り向かず 全速力で走った