テラーノベル

テラーノベル

テレビCM放送中!!
テラーノベル(Teller Novel)

タイトル、作家名、タグで検索

ストーリーを書く

【第四章】今日も真っ黒な嘘をつく

一覧ページ

「【第四章】今日も真っ黒な嘘をつく」のメインビジュアル

【第四章】今日も真っ黒な嘘をつく

6 - #6 本当の嘘を ⚠️一部鬱展開

♥

161

2022年01月23日

シェアするシェアする
報告する

スマイル

ほう、つまり

スマイル

お前は…生きたいと?

黒葉

……はい

黒葉

少なくとも、

黒葉

今はですが

スマイル

…言っとくけど

スマイル

お前、すぐ気持ち変わりそうじゃん

スマイル

苦労するよー

黒葉

この人はスマイル。意地悪だから、

僕が嘘の笑顔を振りまくのを 想像してるんだ。

スマイルさんは、 嘘とは無縁だろうな。

こうして 自分の思った事は全部言えるから。

黒葉

黒葉

それでも生きてみせます

スマイル

…!

スマイル

……ふん、

スマイル

俺はあんたみたいな奴嫌いだよ

黒葉

僕も自分が嫌いです

黒葉

何の色にも染まってないし

黒葉

他人にビビってばっかりだし

黒葉

死にたい死にたいって言ってるし

スマイル

……

黒葉

でも

黒葉

心からの笑顔になれる

黒葉

そんな日を待ってるんです

スマイル

スマイル

…ふん、そうか

スマイル

好きにすればいいだろ

黒葉

はい、

黒葉

好きにしますニコッ

前はこんな鋭い人が一番の敵だと 思っていたし、 苦手な人だと思っていた。

でも今は

本当の事を言えるスマイルさんが

何より何より羨ましい。

スマイル

スマイル

なんだよ、ジロジロ見やがって

黒葉

黒葉

いや、

黒葉

何でも……

スマイル

……はあ

スマイル

本当にお前、アイツに似てるよな

黒葉

え?きんときさん?

スマイル

それもそうだけど

黒葉

スマイル

…昔、

スマイル

何十年も昔

スマイル

「柑無」って奴がいて

スマイル

灰色の自分が嫌だ

スマイル

って言って

スマイル

すぐ人の色に染まろうとしてた

スマイル

でも、最後に

スマイル

他人じゃなくて、自分の色を見つけると決めて

スマイル

現実世界に帰っていったよ

黒葉

黒葉

確かに……

黒葉

個性がないのは一番の悩みです

黒葉

自分が"白黒"に思えてくるのは

黒葉

……すごく分かる

スマイル

だろ?

黒葉

でも…僕も、

黒葉

僕は

黒葉

少しずつ自分の色を見つけていきたい

スマイル

そうか

スマイル

お前も生きる意味を見つけたか

スマイル

良かったよ、

スマイル

最後に自殺するのがオチでしたとかじゃなくて

スマイル

目の前でそんな事されたら呪い殺すけど

黒葉

(前言撤回)

黒葉

(この人、苦手です)

スマイル

じゃあ、今からでも現実世界に帰るか

黒葉

え?

黒葉

今から、ですか

スマイル

うん

黒葉

帰ったら僕はどうしたらいいんですか?

スマイル

…人探しだろ

黒葉

え?

黒葉

誰を探すんですか?

スマイル

誰……って

スマイル

自分の全てを大切にしてくれる人

スマイル

いるだろ、

スマイル

探せば見つかる

黒葉

…っ

日頃から冷たい人が、

こんな事を言ったりするから どうしても少しの希望を捨てられない

スマイル

じゃ、門は向こうのドアを開けて

スマイル

突き当たりだから

スマイル

心の準備が出来たらいつでも帰っていいから

黒葉

……ありがとうございます

スマイル

え?な、なんだよそれ

スマイル

俺達は別に何も

黒葉

…謝るなと、

黒葉

謝る代わりに

黒葉

"ありがとうを言え"と

黒葉

教えてくれた人がいるので

スマイル

……そうか

僕は深呼吸をひとつする。

周囲が鮮やかに見える。

スマイル

……行くのか

黒葉

はい

黒葉

またいつか──

黒葉

会いましょう

スマイル

…ああ

僕が出口に通ずるドアを開けると、

広間は強い光に包まれた。

スマイル

……──

黒葉

……え

光の中で、驚いて振り返る。

彼が、スマイルが、

何か口走ったような気がしたからだ。

スマイル

──

だが、光に気を取られて 聞き取れなかった。

ただ、スマイルさんの口調じゃない ような気がして、

心の中で反芻する。

《君を忘れない》

彼は確かにそう言ったのだ、と

僕は確信した───

黒葉

…この先が

黒葉

……現実世界へ続いてるのかな

黒葉

……

完全な無音。

ただ、1人で歩く。

すると、

100mほどある長い通路の先に、

鏡が見えた。

自分を静かに映す鏡。

ぼうっと、鏡を見ながら、

何故僕が鏡からこの世界に来たのかが わかった気がした。

虚像─── 偽物の自分だから。

鏡に映る自分は、

さぞかし綺麗に映っていただろう?

作り物の虚像を象徴しているから

だから、【鏡】。

黒葉

さあ、

黒葉

来た時と同じように手を添えて…

何故かそうしたら帰れる気がした。

黒葉

……え

虚像

そんな訳ないだろ

黒葉

…な、…自分!?

虚像

ご名答

虚像

散々"俺"を大事にしといて、

虚像

使わなくなったら見捨てるのかよ

黒葉

……なっ…!

黒葉

君は……!?

虚像

海原 黒葉。

虚像

俺だよ、

虚像

偽りの自分。

虚像

お前をほんとに愛してくれる奴なんているわけないだろ

虚像

いつも求められているキャラは俺

虚像

優秀でいつも笑顔で、

虚像

嘘まみれの自分

虚像

そんな黒葉が必要なんだよ

黒葉

…僕が本当の黒葉だよ

虚像

でもみんなが愛してくれるのは?

黒葉

…っ

偽りの自分

虚像

俺だ

虚像

さぁ、お前はもう要らない

虚像

さっさと俺にそこを譲れ

虚像

大丈夫だよ

虚像

俺だったらもっと上手く生きられるから

虚像

ああそうだ、

虚像

あの紫苑のいる廊下の向こうに行って死んできたらどう?

黒葉

な、何言って、

虚像

だってここは幻想の世界だから

虚像

"本当の黒葉"が死んでも

虚像

"嘘の黒葉"は今から現実世界に行く

虚像

だから、

虚像

‪w‪w‪w

黒葉

……っ、

黒葉

な、何がおかしいの

虚像

いやぁ、お前が今から死んでも

虚像

誰も悲しまないんだと思うとね‪w

黒葉

……!!

虚像

俺は楽しく生きてくからさ

虚像

根暗で個性も何も無いアンタは

虚像

もう不要なんだよ、

虚像

解る?

黒葉

…そ、

黒葉

んな……

視界が暗転する。

"嘘の自分"の嗤い声が響く。

気づけば僕は走り出していた。

死の方へ。

紫苑

え?

紫苑

な、何?どうしたの

紫苑

黒葉!?

紫苑

そっちは───!

黒葉

……

生きてる意味が、なかった。

誰かが愛してくれるなんて

そんなの、幻想だった。

扉を開ける。

崖の上へと走る。

黒葉

…………

こっちだよ──

黒葉

……?

そう、こっちに来て──

虚像

おい、

虚像

お前

黒葉

黒葉

……偽物だ

黒葉

お前なんか偽物だ

虚像

お前が始めた事だろ

虚像

自身を偽るのは

虚像

お前は自分が必要とされたいだけの

虚像

ただのガラクタなんだよ──

黒葉

!!

黒葉

そんな事ない!!

黒葉

僕は──

Nakamu

「そんな事ない」?

黒葉

!!

黒葉

Nakamuさん……!

Nakamu

悪いけど、

Nakamu

お前にはもう

Nakamu

生きる資格はないよ

Nakamu

自分の姉を殺したも同然じゃん

Nakamu

お前がもっと早く人に相談していれば──

黒葉

違っ……

黒葉

言う勇気がなかった…

Broooock

へ〜…ニコッ

黒葉

ぶるーくさん、、

Broooock

君はいつもそうやって自分を正当化するんだあ‪w

Broooock

紫苑ちゃんだって恨んでるに違いないよね〜

黒葉

……まって、

黒葉

WTのみんなはそんな事言わない

シャークん

これが現実なんだよ‪w

黒葉

わあ!?

シャークん

お前はいつも綺麗事だって

シャークん

俺らの言葉から逃げてたよな

黒葉

違う…逃げてなんか

シャークん

いい加減気づけよ

シャークん

自分のせいで紫苑が死んでしまったことに

黒葉

…………っ

きんとき

……グス…ウゥッ

黒葉

きんとき……さん…?

きんとき

なんでっ……泣

きんとき

なんで自分を偽らなきゃいけないんだよ……ッ泣

きんとき

もう死んだ方がマシだ!

バッ

黒葉

消え……た

黒葉

僕は死んだ方がいいのか?

スマイル

……、

黒葉

スマイルさん!

黒葉

スマイルさん、あなた、さっき僕に言ったよね!?

黒葉

僕に生きて、全てを愛してくれる人を探せって、言ってましたよね!?

黒葉

ねえ!!

スマイル

…うるさい

黒葉

っ!!

スマイル

お前、

スマイル

本当にさ、

な ん で ま だ い る の ?

黒葉

…………。

あはははは!!

あはははは!!

黒葉

お母さん!?

母親

アンタなんて生まなきゃ良かったんだわ!!!!‪w

母親

………………

母親

アンタさえいなけりゃ

黒葉

…え、…お、お母さん?

母親

アンタさえいなけりゃ良かったのに

母親

あんたがいるから紫苑は死んだのよ!!!!

黒葉

お母さ

母親

私の可愛い娘を返して!!!!

母親

返してよ!!!!!!

黒葉

ひっ……!

黒葉

…や、来るな!!

黒葉さん……?

なんで……?

黒葉

お姉ちゃん!?

黒葉

僕を…

黒葉

僕を否定しないでよ!

黒葉

僕を愛してよ!

黒葉

もう1回、

黒葉

僕を許してよ!!

黒葉

お願いだかr

紫苑

……黒葉さん

黒葉

泣いて…る

紫苑

なんで……私を殺したの…?

黒葉

お姉ちゃん…………

紫苑

私だってもっと生きていたかったのに!!!

紫苑

酷いよ!!!!!

紫苑

黒葉さんなんて大嫌い!!

黒葉

……あ…

……

黒葉

……サヨナラ、

黒葉

……みんな

紫苑も、WTも、 誰も止める人がいない。

飛び降りるには、いいタイミングだ。

あの日の崖で、

跡形もなく消えてしまおう。

グラッと、全身を前に倒す。

黒葉

さよなら──…

きりやん

待て!!!!

ガシッ!!!!

黒葉

……え

……To be continued

【第四章】今日も真っ黒な嘘をつく

作品ページ作品ページ
次の話を読む

この作品はいかがでしたか?

161

コメント

6

ユーザー

虚像ぉぉぉぉぉぉぉぉお前ッ、やめろよ!黒葉さんがやっとの思いで解決への道を切り開こうとしたのに..... kiriさん✨ 運悪くあのまま落ちないと良いなぁ

ユーザー

余計な事言いやがってぇぇぇ!()すまさん…ツンデレ(() おっ黄色い英雄がきたわ!()

チャット小説はテラーノベルアプリをインストール
テラーノベルのスクリーンショット
テラーノベル

電車の中でも寝る前のベッドの中でもサクサク快適に。
もっと読みたい!がどんどんみつかる。
「読んで」「書いて」毎日が楽しくなる小説アプリをダウンロードしよう。

Apple StoreGoogle Play Store
本棚

ホーム

本棚

検索

ストーリーを書く
本棚

通知

本棚

本棚