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「アイツの母さんオトコアソビが好きなんだって」 「うっわ、俺だったら恥ずかしくて生きてけねーわ」

「よく生きてられるよな」

誹謗 中傷 侮蔑 軽蔑

僕の日常はそれらで黒く塗り潰され、平凡で平穏な生活に憧れも抱かなくなった。 はず。

___母親と手を繋ぎながら今日の出来事を話す。 「すごいじゃない。お父さんにも話してあげなきゃね。今日は〇〇の好きなハンバーグよ」

絵に描いたような幸せな家族の姿。 ありふれてるけど僕は持ってない。 近所で学校の近くで公園の近くで

その光景を見た夜は

幸せそうな光景が頭から離れなくて鼻の奥がツンとして

眠れない時がある。

山川のぞみ

膝枕って寝心地いいと思う?

柚月

なんで?

山川のぞみ

いや、友達から借りた少女漫画を読んで思ったんだけど

山川のぞみ

ヒロインは
わードキドキだよーー
ってなってるだけなんだよね

山川のぞみ

やばい、足しびれた…… みたいなことは起きないのかなぁって思って

柚月

……少女漫画にマジレスしたらキリがないと思う

山川のぞみ

そうだね…
ナニカを敵に回しそうだね

山川のぞみ

映画化された「午前0時にハグしにきてよ」もバリバリの少女漫画だからね

お姉さんは1人で納得しながら読書を再開する。

僕も漫画に目を落とし、読書を再開する。

が、すぐにまたお姉さんが声を出した。

山川のぞみ

ところで柚月君

柚月

なに?

山川のぞみ

…なんで今日はそんなに密着してるの?

柚月

………………

_お姉さんは床にクッションを敷いて座っている。

僕はお姉さんのすぐ隣にクッションを敷き、お姉さんにもたれかかりながら漫画を読んでいる。 ものすごく密着している。

柚月

…迷惑だった?

山川のぞみ

いや、別にそういうわけじゃないけど…

柚月

じゃあもう少しこのままでいい?

山川のぞみ

いいけど……なんで?

柚月

…………なんとなく

柚月

そうしたくなった

山川のぞみ

ふーん

昨夜は全然寝付けなかったから、寝不足であまり頭が働かない。

どうしてだろう。 大人のアソビの為に家から追い出されて、お姉さんの家に来た時涙が出そうになった。

お姉さんと密着しているこの時間が、とても落ち着く。

寝不足と充足感で思考回路は完全に麻痺し、その言葉は意識するより早く口からこぼれた。

柚月

たぶん良いと思うよ。膝枕の寝心地

山川のぞみ

えー。私は寝るなら熟睡できる環境がいいなー

山川のぞみ

柚月君ってわりとどこでも寝れるタイプ?

柚月

あんまり自分の家以外の場所で寝たことないからわからない

山川のぞみ

言っとくけど私は人に安眠を与える体じゃないからね

山川のぞみ

以前女友達が私の肩の上にもたれて眠っちゃった時

山川のぞみ

「硬(カタ)すぎて熟睡できない!」と文句を言われたんだよね。肩(カタ)だけに

柚月

あまり面白くない

山川のぞみ

さいですか

山川のぞみ

とりあえず私が言いたいのは、当然私の膝も鋼鉄仕様だよってこと

柚月

………わからないよ、そんなの

学校にも家にも居場所がない僕の唯一の居場所。

だからこんなにも

山川のぞみ

……どうしたの柚月君。今日は

山川のぞみ

甘えたい気分なの?

甘えたくなるのかもしれない。

お姉さんの太ももの上に頭を乗せて、そう考えた。

柚月

うん

山川のぞみ

寝心地悪いでしょ?絶対

柚月

案外そうでもないよ

柚月

もう少しだけこのままでいい?

山川のぞみ

いいよ

世界一優しく睡魔が襲った。

目が覚めた と、同時に現状を理解した。

僕は飛び起きた。

柚月

ごめん、寝るつもりは……

時計を見たら20分は経っている。

お姉さんは20分以上の正座による足のしびれで顔が死んでいた。

柚月

本当にごめんなさい

柚月

あの、足大丈夫…?

山川のぞみ

…だ、だいじょーぶ
少し足がしびれて感覚がなくなりかけてるだけよ…

柚月

ごめんなさい…

山川のぞみ

本当に大丈夫だから、気にしないで。
それより手貸して欲しい…

柚月

うん

お姉さんの手をとってそっと引っ張り上げる。 しかし___

山川のぞみ

あっっ…………

20分以上正座したお姉さんの足は急な動作に対応出来なかったらしく、僕に倒れこんで来た。

加えて僕はお姉さんの手を引いているので慣性の法則に従い___

お姉さんが僕を押し倒した____ような図になった。

山川のぞみ

ご、ごめん……

思いがけない近距離にお姉さんの顔があった。

山川のぞみ

足が言うことを聞かないので……

山川のぞみ

おさまるまでこのままでいいですか?

柚月

………うん

柚月

元はと言ったら僕が寝ちゃったからだし

山川のぞみ

それは本当に大丈夫

長く垂れた髪のすき間から、お姉さんの照れたような笑みが覗いた。

山川のぞみ

……好きな人が安らぎを覚えてくれたら、全然たいしたことないよ

そういう所が僕の涙腺を緩くする。 だから好き。

柚月

…せっかくいいこと言ってるのに、髪で全然見えないよ

僕は手を伸ばすと、長く垂れたお姉さんの髪をお姉さんの耳にかけた。

沈黙

山川のぞみ

足のしびれも極限まで行くとやばいね

山川のぞみ

足がしびれない膝枕の方法ってないかな

柚月

足伸ばしたら?

窓の外はもう暗い。

もうそろそろ、あの家に帰らなければならない。 楽しい時間が終わってしまう。

出来ることならもう少しだけ___

まるでそれが伝わったかのように__

山川のぞみ

ねえ柚月君

山川のぞみ

今日はもう帰っちゃうの?

山川のぞみ

もう少しだけ一緒にいたい

山川のぞみ

泊まって……いかない?

きっと今日は

甘えたい気分なんだ

柚月

うん

女子大生と男子中学生が交際している話

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コメント

14

ユーザー

泊まっちゃうんだ!? また、母が何か言いそう……

ユーザー

次の話はいつだー …と思ったら記載されておりましたwwwww

ユーザー

柚月君みたいにクールに甘え(?)てみたい 2年も付き合っててても繋げてないなぁ…

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