「アイツの母さんオトコアソビが好きなんだって」 「うっわ、俺だったら恥ずかしくて生きてけねーわ」
「よく生きてられるよな」
誹謗 中傷 侮蔑 軽蔑
僕の日常はそれらで黒く塗り潰され、平凡で平穏な生活に憧れも抱かなくなった。 はず。
___母親と手を繋ぎながら今日の出来事を話す。 「すごいじゃない。お父さんにも話してあげなきゃね。今日は〇〇の好きなハンバーグよ」
絵に描いたような幸せな家族の姿。 ありふれてるけど僕は持ってない。 近所で学校の近くで公園の近くで
その光景を見た夜は
幸せそうな光景が頭から離れなくて鼻の奥がツンとして
眠れない時がある。
山川のぞみ
柚月
山川のぞみ
山川のぞみ
山川のぞみ
柚月
山川のぞみ
山川のぞみ
お姉さんは1人で納得しながら読書を再開する。
僕も漫画に目を落とし、読書を再開する。
が、すぐにまたお姉さんが声を出した。
山川のぞみ
柚月
山川のぞみ
柚月
_お姉さんは床にクッションを敷いて座っている。
僕はお姉さんのすぐ隣にクッションを敷き、お姉さんにもたれかかりながら漫画を読んでいる。 ものすごく密着している。
柚月
山川のぞみ
柚月
山川のぞみ
柚月
柚月
山川のぞみ
昨夜は全然寝付けなかったから、寝不足であまり頭が働かない。
どうしてだろう。 大人のアソビの為に家から追い出されて、お姉さんの家に来た時涙が出そうになった。
お姉さんと密着しているこの時間が、とても落ち着く。
寝不足と充足感で思考回路は完全に麻痺し、その言葉は意識するより早く口からこぼれた。
柚月
山川のぞみ
山川のぞみ
柚月
山川のぞみ
山川のぞみ
山川のぞみ
柚月
山川のぞみ
山川のぞみ
柚月
学校にも家にも居場所がない僕の唯一の居場所。
だからこんなにも
山川のぞみ
山川のぞみ
甘えたくなるのかもしれない。
お姉さんの太ももの上に頭を乗せて、そう考えた。
柚月
山川のぞみ
柚月
柚月
山川のぞみ
世界一優しく睡魔が襲った。
目が覚めた と、同時に現状を理解した。
僕は飛び起きた。
柚月
時計を見たら20分は経っている。
お姉さんは20分以上の正座による足のしびれで顔が死んでいた。
柚月
柚月
山川のぞみ
柚月
山川のぞみ
柚月
お姉さんの手をとってそっと引っ張り上げる。 しかし___
山川のぞみ
20分以上正座したお姉さんの足は急な動作に対応出来なかったらしく、僕に倒れこんで来た。
加えて僕はお姉さんの手を引いているので慣性の法則に従い___
お姉さんが僕を押し倒した____ような図になった。
山川のぞみ
思いがけない近距離にお姉さんの顔があった。
山川のぞみ
山川のぞみ
柚月
柚月
山川のぞみ
長く垂れた髪のすき間から、お姉さんの照れたような笑みが覗いた。
山川のぞみ
そういう所が僕の涙腺を緩くする。 だから好き。
柚月
僕は手を伸ばすと、長く垂れたお姉さんの髪をお姉さんの耳にかけた。
沈黙
山川のぞみ
山川のぞみ
柚月
窓の外はもう暗い。
もうそろそろ、あの家に帰らなければならない。 楽しい時間が終わってしまう。
出来ることならもう少しだけ___
まるでそれが伝わったかのように__
山川のぞみ
山川のぞみ
山川のぞみ
山川のぞみ
きっと今日は
甘えたい気分なんだ
柚月
コメント
14件
泊まっちゃうんだ!? また、母が何か言いそう……
次の話はいつだー …と思ったら記載されておりましたwwwww
柚月君みたいにクールに甘え(?)てみたい 2年も付き合っててても繋げてないなぁ…