いつもより早く家を出たため、教室には誰もいなかった
荷物だけおいて生徒会室に行く
赤
あッ...
黒
おはよ
千玖
おはよ~ございますッ
2人が俺よりも早く仕事をしていたようだった
赤
おはよッ
普段通りに明るく話したいが苦しかったから素の感情で話す
赤
今日の予定は?
黒
特に何もない
千玖
あるとすれば体育祭のことですかね
赤
体育祭...
半年後に控えている体育祭
俺らは今年で最後である
赤
プログラム考えとく
千玖
ありがとうございます
赤
カタカタカタカタ...
この学園の体育祭は午後までかかる
そのためプログラムを考えるのは少し時間がかかる
千玖
会長ッ
赤
なに
千玖
生徒会とは関係ないのですが聞きたいことがあって...
赤
なんだ
千玖
‶いつから記憶がないんですか?”
赤
はッ?
突然聞かれたこの言葉
頭でこの言葉がループする
赤
小5まで覚えていない
千玖
ッッッッ...
千玖
そう、なんですね
千玖
ありがとうございます
赤
ん、
なぜ千玖はこの質問をしたのか
この日はこのことしか頭になかった
千玖side
千玖
カタカタカタカタ...
突然、聞いてみたくなった
いつから記憶がないのか
赤くんと黒くんと俺
いや、赤にぃと黒にぃと俺は
兄弟だ
3人とも仲が良かった
ある日、理由はわからないが3人はそれぞれ違う親戚に預けられた
何年かたったとき、一本の電話が来たらしい
赤にぃが交通事故で頭を強く打った
その時俺はとても幼く、中学生になった時にようやく教えてくれた
赤にぃは一命は取り留めたものの、記憶喪失になってしまったとのこと
そのため、俺らが兄弟ということは覚えていないらしい
俺は勇気を振り絞って聞いてみた
千玖
いつから記憶がないんですか?
赤
はッ?
突然聞いたことだから赤にぃも黒にぃも驚いていた
少しの沈黙の後、答えてくれた
赤
小5まで覚えていない
俺はこの時決意した
千玖
そう、なんですね
千玖
ありがとうございます
俺は絶対に
赤にぃの記憶を取り戻す