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私の大切なもの…

第1話 - 私の大切なもの…

2021年07月14日

#ホラー

赤野ももね

陽汰

はぁ、バイト行きたくねぇ……

尾高

ん？どした？

陽汰

いや、さ？俺この前バイト変えたじゃん？

尾高

あー。桜沼通りのラーメン屋だっけ？

陽汰

そそ

尾高

あそこ、桜って名前ついてるくせに、雰囲気暗いんだよなぁ

陽汰

たしかに‪w

凪

なんの話ししてんの？

尾高

お、凪か。いや、ね？

尾高

桜沼通りの話してんのよ

凪

あー。あそこね〜

陽汰

え？なに？なんか知ってんの？

尾高

なんか知ってるなら教えろよォ〜‪w

凪

え？まじ？聞く？

凪

後悔すんなよ？

尾高

おうw

凪

あそこ……元々でっかい沼地だったわけよ。

尾高

沼？

凪

そそ、本当はでっかい池？湖？だったんだけど、戦争とかなんだかんだで、沼になったんだと

陽汰

ほー。それで？

凪

よく、自殺しに行く人が多くてな。
それで、あんまりイメージも良くないから、市が埋立ようってなったんだと

尾高

それでそれで？

凪

でな、工事が始まったんだけど…
工事現場で相次ぐ事故が起きてな。
次々と作業員が沼に足を取られて、沼に落ちて、溺死してったんだって。

尾高

え…まじ？

凪

それで、埋め立て計画に支障が出るから、水全部抜いて埋め立てようってなって、水を抜いたんだって…

尾高

うん…(ごくり)

凪

水を抜いたら…なんと……

陽汰

ぬわぁぁぁぁぁぁー！！！！

尾高

！？なんだよ…

陽汰

やめやめ！俺のバイト先だぞ！怖い話すんなよ！

凪

え？そうなの？

陽汰

おう！

凪

……ご愁傷さま

凪

まぁ、気をつけろよ

陽汰

なんだよ。含みのある言い方だな…

尾高

…俺も今度いくよ…

凪

夜中に行くなよ？

陽汰

…おれ…閉店までなんだが…夜中なんだが？

凪

お気をつけて

放課後

陽汰

なんだよ…あんな話しやがって……

陽汰

お、俺は信じねぇぞ

店主

陽汰くんじゃないか

陽汰

あ、店長！

陽汰

買い物ですか？

店主

そうだよ。
今からバイト向かうのか？

陽汰

はい。

店主

一緒に行こう

陽汰

はい！

しばらく歩いて

陽汰

店長…

店主

んー？

陽汰

俺以外のバイトどうしたんっすか

店主

あー。辞めた

陽汰

や、やめた！？

店主

うん…なんでも、夜遅くまで残ってくれるとね、女が座ってるんだと
それで、話しかけても返事もなく、だから掃除に戻って、もう一度見ると居なくなるんだと。

陽汰

え。なんすかそれ

陽汰

今日から俺、夜中までなんですよ？わかってそれ言いました？

店主

噂だよ噂。

店主

俺見た事ないもん

陽汰

そ、そうっすよね、噂すっよね

ラーメン店にて

陽汰

ありがとうございましたー！

陽汰

終わりっすね

店主

そうだな。おつかれ

陽汰

はい！

店主

ちょっと片付けしてくれるか？
俺は会計を計算してくるから

陽汰

はーい

10分後

陽汰

(こんなもんかなぁ…)

陽汰

？？

女

…

陽汰

あのぉ……

陽汰

閉店なんですが…

女

……

陽汰

えっとぉ…お客さん？

店主

おーい。終わったか？

陽汰

あ、はい！でも今…

店主

なんだ？今何してんだ？

陽汰

い、今お客さんが…って、あれ？

店主

どうした？

陽汰

いや、今ここにお客さんがいたんですけど…

店主

見間違えだろ。

陽汰

そうですかね

店主

もう終わりでいいよー。片付けもバッチリだ

店主

お疲れさん

陽汰

ありがとうございます！

陽汰

(ガラガラ)

陽汰

お疲れ様でした！

店主

おー。お疲れさ〜ん

陽汰

ふぅ…疲れたあ
帰って風呂はいって…

女

……

陽汰

？(あ、さっきの…めっちゃこっちみてる…)

陽汰

(気にしない方がいいよな。)

女

あの…

陽汰

え！？あ、はい

女

さっき…おとしましたよ…

陽汰

あ、ありがとうございます。

女

ベチャッ

陽汰

(う、うわ。。。びしょ濡れ…なんでだよ…最悪)

陽汰

では、俺はこれで

陽汰

めっちゃ疲れたぁ〜

陽汰

あ、あいつらにLINEしとこ……ちょっと怖かったし

陽汰

なぁなぁ、聞いてくれよ

尾高

どした？

凪

なにかあったの？

陽汰

さっき、バイト終わったんだけどさぁ

尾高

うん

陽汰

バイトの後片付けしてたときに、席にいつついたのかわからん女がいて、しかも、いつ消えたのかもわからんのよ

陽汰

で、帰り道にあってさ。びっしょりのハンカチ渡されて。俺のなんだけど、なんでこんなにびっしょりなのって話

凪

え、まって…受け取ったの？

陽汰

うん。俺のだし

凪

付けられてない？

陽汰

家はいる時まわりみたけど誰も居なかった

凪

……気をつけてねほんと。

尾高

なんだよナギ〜怖いぞ♡

凪

いや、友達の危機なんだから、そりゃ慎重にもなるだろ。

陽汰

え？危機？

凪

うん。危機…

陽汰

あ、ちょいまち。宅配かも待ってて！

凪

おい！ドア開けるなよ！

陽汰

はーい

ガチャっと、ドアを開ける

女

……

陽汰

！な、何か用ですか？

女

あなた。私のモノ持っていったでしょ

陽汰

え？あなたの？

陽汰

(！もしかして…)

陽汰

少し待っててくださ…

女

許さない……私の大切なものなのに！

陽汰

ちょ、ちょっと

女

返してよ！

女に呪い殺された…

尾高

応答なし

尾高

おーい。生きてるか？ナギが心配してたぞ？

尾高

陽汰？

女

誰よあんた…

尾高

お前こそ誰だよ！

女

……あんたも私のもの持っていったんでしょ！
呪ってやる！明日行ってやるんだから！

尾高

！

凪

あれ？陽汰くんは？

尾高

あ、ナギ…

尾高

多分、死んだ……

凪

え？なんで？

尾高

昨日…LINEが返ってこなくなったあと、電話したのよ……

尾高

そしたら、女が出て……

凪

え？女？陽汰くんの彼女？

尾高

いや……呪ってやるって…お前も私の大事なもの持って言っただろって……

凪

なにそれ。

尾高

ナギ…昨日怖い話してたじゃん……

凪

うん。でも、あれ……噂だよ？

尾高

ほんとなんだって！俺、今日、殺される！

凪

何言ってんの‪w

尾高

だって、そうだろ！現に陽汰居ねぇじゃん！

凪

……なにか、持ってるんじゃない？誰かから貰った時は普通のだったけど、後々見たらなにこれってモノ

尾高

！ある……1週間前……

尾高

夜中になにか食いたくなってコンビニ向かってたんだけど、桜沼通りの近く行ったら、なんか、いい匂いがして…誘われるようにそっちに向かったんだが……どこのお店もしまってて…でも、ベンチに婆さんが座ってた……

尾高

婆さんに話しかけられて飴貰ったんだが……濡れててさ……気持ち悪くて食わなかったんだ…

尾高

コンビニに着いた時には、飴はなくて、わけわかんない球体を持ってた……だから、捨てたんだよコンビニのゴミ箱に

凪

だからか……話したでしょ、その婆さんと

尾高

うん。少しな

凪

……お前…その婆さん…多分陽汰を殺したやつだよ。

尾高

え！？

凪

球体も多分その女の目玉かなんかだろ

凪

でも、お前がそれを捨てたから家まで行けなかったんだと思う。でも、昨日お前が電話したから、バレたんだろ。

尾高

あ……ああ……俺怖ぇよ！まだ死にたくねぇ！

凪

……俺には止められない。
今のところ女が来るのを止められる人はいない。

尾高

じゃあ！どうすれば！

凪

なすすべは無い……よ……

尾高

くそ！

女

…みぃつけたぁ〜♡

尾高

！？

凪

ん？尾高？どした？

尾高

来るな！

女

私の大切なもの返してちょうだい

尾高

そんなものは知らねぇ！

女

……あなたに渡したはずよ

尾高

知らねぇ！どっか行けよ！

女

……なら、私のもの……持っていてくれなかったのね…死んでちょうだい

尾高

……

凪

！？尾高！おい！

尾高の目、耳、口から血が滴り落ち、目玉はひとつ無くなっていた。

作者

長くなりましまが、話は以上になります。

作者

女は、陽汰と尾高を殺し、凪は生かしました。
なぜなのでしょうか。

作者

今回の話は、女があまり怖い言い方をしていませんが、渡したものを考えると少しゾッとします。

作者

尾高には、飴に見立てた目玉。
では、陽汰には？ハンカチに見立てた…何を渡したのでしょうか

作者

そして、陽汰の最後は？

作者

謎が多い作品ですが、ここまでです。
読んでくださりありがとうございます。
次の作品をお楽しみに

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赤野ももね

プロフィール

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