マイキー
お邪魔します、……って

ブックル
お、やっと来たかお前ら

MDO
遅かったな

夢の病室には、ブックルとMDOがおり何やら話していたようだった。
春千夜
これでも早めに切り上げてきた方だわボケ

竜胆
つかなんでお前らが
ここにいるんだよ

ブックル
おいおい、そんな邪魔者を
見るような目で見んなよ…

MDO
和田さん見舞いはいらねぇって、入れてくれねーんだよ

ココ
なるほどな

鶴蝶
夢、大丈夫だったか?何か変なことされてないよな?

ブックル
どういう意味だコラ

夢
はい、むしろ二人とも
凄くいい人たちですよ!

夢
マイキーさん達が来るまで、たくさん話して時間つぶせたんです

鶴蝶
そうか…

望月
そういやお前らって、
まだ曉牙のメンバーなのか?

ブックル
まさか、和田さんにあんなことするようなボスの下になんて、もう付きたくもねぇよ

MDO
今は素性を隠しつつ、
ひっそりと暮らしてるとこだ

武臣
大変だな

蘭
……………夢…ちゃん

夢
はい?えっと、
蘭"さん"…ですよね?

蘭
…ッ……うん、そうだよ

蘭
元気?身体大丈夫?

夢
はい、まだ治ってない部分はありますけど、痛みは無いです

蘭
そっか…

蘭は夢の言葉に、少し
ホッとしたような表情を浮かべた。
夢
蘭さんは、大丈夫ですか?

蘭
え…?

夢
目元が腫れてますし、何だか元気がないように見えます

蘭
………大丈夫、元気だよ

夢
そう…ですか、

ブックル
てか夢、随分
喋るようになったよな

MDO
最初はコミュ障かって
レベルだったのにな

武臣
お前ら昨日も会ってたのかよ

ブックル
ああ、お前らが帰った
あとにちょっとだけな

鶴蝶
夢、その時も大丈夫だったよな?

MDO
お前は俺らをなんだと思ってんだ?

夢
はい、不安がってた私を安心させるために、寝るまでいてくれたんです

ココ
お前ら入室許可貰ったのか?(ボソッ

ブックル
それは言わねぇお約束だ(ボソッ

ココとブックルは外に聞こえないように、ボソッと話し合った。
MDO
…さてと、俺らはこの後やることがあるから、おいとまさせてもらうぜ

ブックル
は?やることってなんだよ?

MDO
いいから、行くぞ

そう言ってMDOはブックルの
襟元をつかみ引っ張った。
ブックル
ぐえっ!?おい、引っ張んな!

MDO
じゃあな夢、また今度

夢
はい、また!

夢が笑ってそう言うと、二人は嬉しそうな顔をして病室を出ていった。
春千夜
なんなんだあいつら

竜胆
知らね、別に
気にしなくて良くね?

マイキー
夢

夢
はい?

マイキー
何か、思い出したことはないか?

夢
……いえ、まだ何も

マイキー
そうか

蘭
なんか、写真とか見せてみる?

蘭
俺のスマホになら色々あるけど

蘭はそう言うとスマホを
取り出し、アルバムを開いた。
武臣
あ、これ初めて会った時のだな

蘭
夢ちゃん覚えてない?この写真、夢ちゃんが隠し撮りしたやつだよ?

夢
隠し撮り!?私そんな、犯罪みたいなことしてたんですか!?

夢
なんかショックです…

ココ
それ前の夢に聞かせてやりたいな

春千夜
あいつならンなこと
絶対言わねぇからな

鶴蝶
むしろ「撮られる方が悪い、警戒心が弱いぞ!」とか言ってきそうだよな

望月
確かにw

竜胆
兄貴、他には何ある?

蘭
えっと、あ…!

蘭
夢ちゃん、これはみんなで
旅行に行った時のやつ

夢
旅行ですか、楽しそうですね!

マイキー
確か夢の勘違いから
始まったんだよな

竜胆
そうそう、俺らがちょっとからかってやったら本気にしちまってさw

ココ
買い物行ったり、宿で大騒ぎしたり、遊園地行ったり楽しかったよな

鶴蝶
夢、覚えてないか?

夢
はい…

蘭
そっか、じゃあこれは?

蘭
俺がお揃いのピアスあげて、
一緒に付けて撮ったやつ

夢
ほんとだ、確かに写真の私と
蘭さんのピアス同じですね

夢
お揃いの…ピア、ス…

夢
おそ、ろい…?

望月
どうした夢?

夢
い”た”ッッッッ!!!!

蘭
夢ちゃん!?

武臣
どうした、大丈夫か!?

夢
あ”ぅッッ…いた”、あ”あ”ッ…!!

マイキー
おい!早くナースコール!!

竜胆
わ、分かった!!

マイキーにそう言われ、竜胆は急いでナースコールを押した。
夢
い”あ”ッ、い”た”ぃ”…ッッ!!

春千夜
夢…大丈夫だ、落ち着け!

医者
夢さん!

ココ
先生、夢がいきなり頭が痛いって!

医者
落ち着いてください、
ゆっくり呼吸を…!

夢
ぁ”あ”ッ…!!う”っ……いぅ”ッッ……!!!!

夢
ヒュー……カヒュ、ゲホッ…!!

看護師
先生ダメです、治まりません!

医者
くそっ…!!

蘭
……っ…!!

竜胆
兄ちゃん…!?

蘭
大丈夫、大丈夫だから

蘭
落ち着いて夢ちゃん、ゆっくり…俺と一緒に呼吸して

夢
ひぅ”……うぐっ、グスッ…!!

夢
ヒュー……ハッ、はぁ……

蘭がそう言うと、少しずつ夢の頭の痛みが治まり落ち着きを取り戻した。
そして蘭はゆっくりと体を離し、
夢をベッドに寝かせた。
蘭
ふぅ…良かった

鶴蝶
蘭、お前すごいな…

蘭
え?そう?

医者
ええ、私達も驚いています…

医者
まさか錯乱している方を、こうも簡単に治められるなんて思いませんでした

竜胆
まあ兄貴、旅行の時も過呼吸になった夢落ち着かせてたもんな

竜胆
慣れてるんだろ

蘭
そうかもね

夢
んんっ……

夢
寝てた、のかな?

夢
みんな、寝てる…

夢が目を覚ますと、ベッドの周りに
蘭達が雑魚寝していた。
夢
そうだ、私いきなり頭痛くなって、蘭さんに助けてもらったんだ

夢
何でだろう、あの時…
なんだかすごく安心した

夢
蘭さんの温もりというか、
匂い…みたいな?

夢
よく、分からない…

そう色々と考えていると、夢はさっきまで使っていた蘭のスマホを見つけた。
夢
他には、どんな写真があるだろう

夢
これは…春千夜さんが、
ゴキブリにびっくりしてる?

夢
こっちはパーティしてる、
クリスマスかな?

夢
すごく楽しそう…

夢
なんで、忘れちゃったんだろう…

夢
早く、思い出したいな

夢
あれ?

夢
この人、誰だろう?

夢が見つけた写真には、髪をお団子にした一人の女性が写っていた。
夢
写真、いっぱいある…
彼女さんかな?

夢
何だか、見覚えがある気がする…

夢
知り合いだったのかな?

夢
分からない…
