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もう、物凄く…好きです…!! すみれちゃんとレオくんが、お互いを大切に想い合っているのが凄く伝わってきて、感動しました…!!優しい世界ですね。 すみれちゃんを苦しめた会社への復讐をするレオくん、とてもかっこよかったです…✨ 今度こそは、絶対幸せになってほしいです…!!! そして、アイコンの猫!!凄く可愛いですね💕 最高でした!!!!!
え、もうトゥンクしました……… レオくんがすみれちゃんをどれだけ大切にしていたかが よく分かります…… そして、すみれちゃんもレオくんを放って行くようなことはせず、ちゃんと次の飼い主さんを用意している、というところにも ご主人としての責任を感じているのが分かります…(;;) すみれちゃんが第2の人生を楽しく幸せに送れることを願っています…!
あったかい暖房の効いた部屋。
美味しいご飯と、 ふわふわのおふとん。
そして…
すみれ
大好きな僕のご主人様。
レオ
足に擦り寄る僕をご主人様のすみれは優しく抱き上げ、こたつの中に入る。
すみれ
レオ
こたつとご主人様のぬくもりに 僕はうっとりと目を細めた。
すみれ
ご主人様は僕のことを 何でも分かってる。
こたつに入ったらまずは 右頬をなでなで、
そのあとは左頬。
顎の下は優しくゆっくり撫でる。
すみれ
僕がゴロゴロと 喉を鳴らしたのを見て、 ご主人様は再び右頬をもふもふした。
あぁ、うれしい。
うれしいよ。ご主人様。
優しいご主人に甘やかされる 冬は格別だ。
ずっとこの時が続いたらいいのに…。
今から一年前、
僕はご主人様と出会った。
激しい雨と雷が鳴る夜に
びしょ濡れでお腹が ぺこぺこだった僕は
ご主人様に体を拭いてもらったり、 お風呂に入れてもらったりして
元気になると 僕のことを「レオ」と 呼ぶようになった。
それからずっと僕と ご主人様は一緒だ。
ご主人様が泣く姿も、喜ぶ姿も
ずっと隣で見てきた。
ご主人様の笑った顔が大好きだ。
スペシャルなご飯よりも、 新しいおふとんよりも
ご主人様の胸の中にいることが 1番幸せだ。
僕とご主人様はずっと一緒だ。
誰にも、邪魔させない。
すみれ
すみれ
レオ
ご主人様??
すみれ
すみれ
すみれ
すみれ
すみれ
ピッ!
すみれ
レオ
どうしたのご主人様?
すみれ
すみれ
すみれ
すみれ
会社の人…?
すみれ
すみれ
レオ
ご主人様…。
本当に平気なの?
僕、なんだか
嫌な予感がするよ…。
数日後
すみれ
レオ
おかえり!ご主人様!
今日もお疲れ…えっ!
レオ
ご主人様、どうしたのその顔!
すみれ
すみれ
すみれ
すみれ
すみれ
すみれ
すみれ
すみれ
すみれ
レオ
ご主人様、かわいそう…。
そんな会社、辞めちゃいなよ。
すみれ
すみれ
レオ
僕のご飯のことなんて どうでもいいよ。
ご主人様が1番大事だよ。
ご主人様。
自分の心を壊さないで
僕と一緒に休んじゃおうよ、ね?
レオ
すみれ
すみれ
レオ
レオ
レオ
あぁ、
どうして僕はにゃーしか言えない猫に 生まれてしまったんだろう。
こんな声じゃ 僕の気持ちは届かないし、
こんな小さな手だと抱きしめて あげることもできない。
猫の僕には、ご主人様が泣く様子を 見ることしかできない。
ご主人様をこんなにも助けてあげたい気持ちでいっぱいなのに、
小さな僕には…何もできない。
それから、ご主人様は会社を休んだ。
辞めるかどうかはまだ 考えるみたいだけど、多分あの状態で 会社に戻ることは難しいだろう。
すみれ
ご主人様は、暗くなった。
伸びた前髪も切らず、 ご飯も食べないで、
毎日嫌なことを思い出しては傷つき、
消えたい、と呟くようになった。
両親を事故で亡くして、 ひとりぼっちだったご主人様に とって会社は大切な場所だった。
ご主人様はあの会社で 6年も働いていて
入社の時から一緒だった友達をとても
大切に思っていた。
周りの人も始めは家族のように ご主人様を慕ってくれて
ご主人様もそれに応えようと 必死に仕事を覚えた。
一生懸命働き、友達を大切にして、
この僕をあったかく 包んでくれるご主人様が、
なんでこんなことに…。
レオ
ねぇ、ご主人様…。
すみれ
レオ
えっ…。
ご主人様!?だめ!
だめだよそんなこと言っちゃ!
死んじゃ嫌だよ!
レオ
すみれ
レオ
ご主人様は腫れた目で
僕の頭に手を伸ばした。
優しく撫でる手が、震えていた。
ごめんね、レオ…。
…。
それは、ある日の朝のことだった。
レオ
ご主人様!おはよう!
ごめんね、 起きるの遅くなっちゃっ………
えっ。
すみれ
ご主人様は、浮いていた。
レオ
ご主人様…?
ご主人様?、どうしたの?
ねぇ、ご主人様!
レオ
レオ
ご主人様!!!
嘘だ…。
嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ!!
死なないでって言ったのに。
僕に何も言わないで 死んじゃうなんて、
そんなの…悲しいよ。
僕、ご主人様と一緒ならどこでも 幸せだったんだよ?
なんで…なんで僕を置いて行ったの?
…僕が猫だから?頼れなかったから?
レナ
レナ
数日後、
僕はご主人様の従姉妹のレナに 引き取られることになった。
…ご主人様の遺書に そうあったらしい。
この子は幸せになってほしいって。
ごめんね、と 伝えておいてほしいって。
そんな言葉が沢山あったみたいで、
僕は本当にご主人様に 愛されていたんだな、と思った。
でも、
僕の幸せは、 ご主人様と一緒にいることだ!
だから、このままここで幸せに 暮らすなんて嫌だ!
レオ
レナ
ガラッ!
たったったっ (レオが外に飛び出す)
レナ
会社の人
会社の人
会社の人
会社の人
会社の人
会社の人
会社の人
会社の人
会社の人
会社の人
会社の人
会社の人
会社の人
会社の人
課長
会社の人
会社の人
会社の人
会社の人
…ここか。
会社の人
ブシャッ!
会社の人
会社の人
会社の人
課長
会社の人
会社の人
課長
レオ
会社の人
会社の人
会社の人
会社の人
会社の人
会社の人
レオ
レオ
レオ
レオ
レオ
レオ
課長
会社の人
会社の人
会社の人
会社の人
レオ
レオ
レオ
レオ
レオ
猫
猫
猫
猫
レオ
レオ
レオ
「「「シャーッ!」」」
「「「「「「うわぁぁぁ!!」」」」
♫〜
レオ
レオ
レオ
白猫
レオ
レオ
レオ
レオ
白猫
レオの足の上に 白猫がよじ登る。
レオ
レオ
レオが両手で猫を抱き上げる。
白猫
レオ
レオ
レオ
レオ
猫と目があった瞬間、 稲妻のように記憶が 脳内でフラッシュバックして
僕は思わず猫の目を凝視した。
レオ
レオ
レオ
元猫だから、僕にはすぐ分かった。
手の平の白猫にはあの人と 同じ穏やかな光があった。
レオ
レオ
白猫
レオ
レオ
白猫
レオ
レオ
白猫
レオ
レオ
レオ
白猫
レオ
それからしばらくして、
あったかい暖房の効いた部屋。
美味しいご飯と、 ふわふわのおふとん。
そして…。
レオ
大好きな私のご主人様。
すみれ
足に擦り寄る私をご主人様のレオは 優しく抱き上げ、こたつに入る。
レオ
こたつとご主人様のぬくもりに 私はうっとりと目を細めた。
レオ
私を撫でるご主人様の手は
とっても優しい。
すぐに眠ってしまいそう。
レオ
すみれ
どうしたの?ご主人様。
レオ
レオ
レオ
すみれ
すみれ
私もだよ、ご主人様。
私ね、
ご主人様といると とっても落ち着くんだ。
まるでずっと長い間 一緒にいたみたいに、
ご主人様と一緒ならどこでも 幸せになれそうな気がするの。
すみれ
ねぇ、ご主人様。
ずっと一緒にいようね。