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陽菜

涼真くんっ・・・待って!

涼真

あ、すみません強引に連れ出しちゃって

陽菜

まあ…それはもういいんだけど

ここは静かな河川敷

涼真

ここサボりたい時とかによく来るんす

涼真

何も考えたくない時とかに

陽菜

涼真くんもサボったりするんだね、ちょっと意外

涼真

俺、そんなに真面目に見えます?

陽菜

まあね…けど少し安心したな

涼真

え?

陽菜

涼真くん頑張り屋さんだから、頑張り過ぎちゃうとこあるでしょ?

陽菜

少しでも息抜きできる場所があるんだなあって、安心した

涼真

相変わらず陽菜先輩は優しいっすね

涼真

でもそうやって誰にでも優しい所

涼真

俺不安になっちゃうな

ドンッ

陽菜

ちょ、涼真くん?

一瞬の出来事 私は涼真くんに押し倒された

何故か少し悲しげな表情で 私を見下ろしていた。

涼真

ほら、先輩隙ありすぎ

陽菜

ちょっと!?涼真くん落ち着こ?

涼真

陽菜先輩

涼真

俺と付き合ってよ

陽菜

昨日も言ったけど・・・涼真くんが辛い時は相談に乗るし

陽菜

傍に居てあげるから

涼真

それはマネージャーとして俺を気にかけてくれてるだけでしょ

涼真

一部員じゃなくて1人の男として俺を見てよ

悲しそうな瞳で真っ直ぐ私を見据える彼から 視線をそらすことも、彼の手を振り切ることも出来なかった

陽菜

(応えてあげなきゃいけないのかな)

陽菜

(私まだ・・・涼真くんのことよく知らない)

陽菜

(けど、彼の悲しそうな姿は見たくない)

涼真

だめ・・・っすか?

陽菜

いいよ

一瞬 時が止まったかのような時間が流れた

涼真

陽菜先輩、俺・・・ごめんなさい

彼は消え入りそうな声でそう囁き 私は優しく抱き寄せられた

涼真

俺、また陽菜先輩に嫌なことしちゃって・・・

陽菜

もういいよ、私は大丈夫!

涼真

本当にいいんすか?

陽菜

うん、まだお互い知らないことだらけだけど

陽菜

これから涼真くんのこと沢山教えてね

涼真

うわ・・・俺めちゃくちゃ嬉しい

涼真

俺絶対、陽菜先輩の事離しませんよ

涼真

覚悟しててくださいね?

この日から 私と涼真くんは付き合う事になった

昼休み前に私と涼真くんは学校に戻った 涼真くんは駄々を捏ねてたけど、放課後は部活もあるから休む訳にはいかない。

結衣

陽菜おかえりー遅いから心配したのよ

陽菜

ごめんごめん、なんか色々ありすぎて何から話していいやら・・・

結衣

なになにー?気になるじゃない

陽菜

私、やっぱり涼真くんと付き合う事になったんだけど

結衣

えぇ!?

陽菜

話せば長くなるんだけどさあ・・・

私は数時間前の出来事をすべて結衣に話した

結衣

陽菜、ほんとに涼真くんの事好き?

陽菜

・・・正直分からないの、けどなんか放って置けない子で

結衣

そっかあ…でも陽菜が決めたことだもん!

結衣

全力で応援するよ!

結衣

(本当は凄く心配なんだけどな・・・)

結衣

(第三者の私から見てもあの子の陽菜への執着心尋常じゃないもの)

陽菜

結衣ありがとー!何かあったら相談させて!

結衣

もちろんよ!

・・・

陽菜

さて次の授業は真面目に受けよーっと

結衣

ホントよ!単位落として留年とかシャレにならないからねー

陽菜

気をつけまーす

ピコン…ピコン…

陽菜

あ、LIMEかな

「陽菜先輩(つ´・ω・`)っ」 「お昼迎えに行きますね❤️」 「早く授業終わらないかな~」 「陽菜先輩に早く会いたい」

全て涼真くんからのLIME

陽菜

(ちょっと前に会ってたんだけど・・・)

陽菜

(付き合うってこんな感じなのかな?)

その後も涼真くんからのLIMEは止まらなかったが、既読スルーする訳にもいかず・・・ 気づけば授業中ずっとLIMEを返し続けていた

陽菜

やばー、授業全然聞けなかったよ

結衣

陽菜ずっとスマホいじってたでしょ?

陽菜

いや、涼真くんからのLIME止まらなくて・・・

結衣

そうだったのって…噂をすれば

涼真

陽菜先輩ー

突然光が涼真の前に立ちはだかり

おい、涼真ちょっと話があるから来い

涼真

なんすか?話ならここでいいじゃないっすよ

いいから来いっつってんの

陽菜

ちょ、光!?何やって・・・

光は涼真の腕を乱暴に引っ張り、強引に連れて行ってしまった

陽菜

涼真くん大丈夫かな・・・?

結衣

うーん…光も何か本当に話したいことがあったのかも

結衣

(私は光を応援してるわよ・・・)

ーー体育館ーー

涼真

まじなんなんすか?

お前、陽菜と付き合ったって・・・冗談だろ?

涼真

本当ですけど?あ、嫉妬っすか?

涼真

知ってますよ、光先輩が陽菜先輩のことが好きだってこと

陽菜の前では決して見せない人の悪い笑みを浮かべる涼真

お前は俺が気に入らないだけだろ

そんな事で関係ない陽菜を巻き込むな

涼真はバスケ部に入った当初から、部長の光に敵意むき出しだった。

光はそんな涼真を見てきたからこそ、陽菜が涼真と頻繁に関わるようになり始めた頃からなんとなく嫌な予感はしていたのだ

涼真

そうっすね、正直最初は俺もアンタが陽菜先輩のことを好きだって知ったから

涼真

陽菜先輩を俺のものにして嫌がらせして、アンタの悔しがってる顔が見たいって・・不純な動機で陽菜先輩に近づきました

やっぱり…女に興味ないって言ってた奴が急に陽菜に近づき始めたんだもんな

なんか裏があるとは思ってた

涼真

今も女に興味なんてないっすよ?

涼真

けど、陽菜は特別

は?

涼真

先輩に残念なお知らせ

涼真

俺、今は陽菜のこと本気で好きだから

っ…

涼真

いいっすね、先輩のその顔見たかったっす

涼真

バスケでも・・・すぐ先輩抜いてやりますよ

ニヤリと不敵な笑みを浮かべ涼真はその場を去っていた。

くそっ…

(俺の方がずっと前から陽菜のことが好きだったのに)

光は無言でバスケットボールを手に持った 体育館ではしばらくの間、キュッキュッというシューズの音とボールを打ち付ける音が響き渡っていた。

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