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保健室の眠り姫

第1話 - 保健室の眠り姫

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2018年04月29日

#恋愛

海月

私は新しい学校に入学したが周りに馴染めずにいた。

雪

先生。保健室の鍵貸してください。

先生

また？あなたお弁当くらいは教室で食べなさい。

雪

具合が悪いんです。

先生

仕方ないわね。

冗談じゃない。教室にいる奴らと一緒に食事なんてとてもする気にならない。

先生

それに最近保健室に閉じ籠もりっきりでしょう？

雪

ちゃんとノートは書いてます。問題ないので失礼します。

雪

はぁやっぱり保健室の方が落ち着く・・・こんなんじゃ駄目なことぐらい自分でも分かってる・・・

雪

教室戻ってみようかな・・・

駄目だ。戻る気にならない。

雪

気持ち悪い・・・

ガラッ

雪

あっ鍵掛け忘れてた。

拓斗

ん？あれ？人がいる。

拓斗

あーもしかしてあんたがあれ？眠り姫って呼ばれてる子？

雪

何その呼び名は。（まぁクラスメイトの皮肉だろうけど）

拓斗

結構有名だよ。学校１保健室で寝てるって聞いたことある。

雪

寝てない時くらいある・・・

拓斗

何？ここで弁当食ってんの？１人で食っても美味くないだろ？

雪

うるさい！あんたなんなの？！１人でペラペラ喋ってしかも私の気持ち知ってるように語らないで！私の・・・気持ち・・・なんて・・・

雪

（分かれとは言わない・・・）

拓斗

あーなんかごめん。ちょっと偉そうだったかも・・・初対面で眠り姫ってのも失礼だったな。俺話せたのが嬉しくて興奮しちゃってさ。

雪

嬉しい・・・？

拓斗

そう！

雪

変わってるって言われない？

拓斗

俺変わり者だから。そうだ！明日から俺と弁当食おう？勿論保健室でいいからさ。

雪

え？！なんで？

拓斗

じゃあまた明日な！

雪

本当になんなの？

翌日

雪

結局来たけどいないわよね・・・

拓斗

よっ！約束守ってくれたんだな。

雪

いた・・・

拓斗

こう見えても約束したことは守る方だからな。弁当食おうぜ！

拓斗

俺保健室で弁当って初めてだからすっげーワクワクする！

雪

ただ食べるだけじゃない。

拓斗

教室で食べるのも飽きるんだよな。ここは静かでなんか落ち着く・・・

拓斗

・・・あのさ・・・言いたくないなら無理に聞かないけど保健室に来るのって理由あるの？

拓斗

具合悪いとかじゃないよな？

雪

・・・

雪

教室にいたくない。友達もいないし。教室に私の居場所もない。

拓斗

寂しくないか？

雪

・・・寂しい・・・寂しいよ・・・

拓斗

ごめん。謝るから泣くな。

雪

ご・・・めん・・・

拓斗

これからは俺がいてやる。いや・・・いさせてください。絶対に雪を寂しくさせない。

雪

名前・・・

拓斗

聞いた。クラスの奴に。みんな眠り姫とか言ってるけど案外雪と友達になりたい奴多いぞ。

雪

本当・・・？

拓斗

教室にだって雪の場所はある。

雪

私・・・頑張ってみる・・・友達ができるように・・・

拓斗

じゃあさ・・・俺立候補する！

雪

友達候補？

拓斗

違う・・・彼氏・・・候補

雪

かっ彼氏？！無理だよ！名前も知らないし。

拓斗

拓斗。倉田拓斗。俺は彼氏候補に立候補します！

雪

・・・当選します・・・

拓斗

よっしゃあっ！

拓斗

あ！でもこれからも弁当は一緒だからな！

雪

それじゃ友達できないんじゃ・・・

拓斗

大丈夫！ちゃんと宣言してきた。「昼だけは俺が独占する！」ってな。

雪

そんなこと言わないで！恥ずかしいじゃない！

拓斗

でももう俺だけの眠り姫だからな。

拓斗

一緒にいてくれ。お姫様。

雪

はい・・・

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海月

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