瑠姫
悪ノ娘(緑の子視点)
涼夜
あぁごめんなさい
涼夜
むかしむかしあるところに
涼夜
謀略渦巻く国の中
涼夜
平穏の価値を知るわ
涼夜
澄んだ緑髪の街息子
涼夜
望まれ生まれたこの命
涼夜
平和のためと
言い聞かせ
言い聞かせ
涼夜
終わりのために演じてる
涼夜
亡国の民の筋書きを
涼夜
青の王子がお忍びで
涼夜
この街へと
来るならば
来るならば
涼夜
偶然装い近ずいて
涼夜
心にもない笑顔
涼夜
おや、
はじめまして?
はじめまして?
涼夜
悪の華
可憐に咲く
可憐に咲く
涼夜
作られた彩で
涼夜
周りの哀れな野望への
涼夜
嗚呼
礎となり
朽ちてゆく
礎となり
朽ちてゆく
涼夜
街中出会った召使
遥輝
あ、落としましたよ
涼夜
ありがとうございます
涼夜
自嘲を含む
その笑顔
その笑顔
涼夜
刹那に
生きるもの同士
生きるもの同士
涼夜
静かに
心が惹かれ合う
心が惹かれ合う
涼夜
初めて微笑む
心から
心から
涼夜
全て筋書きに
無い言葉
無い言葉
涼夜
互いの
立場
知った時
立場
知った時
涼夜
絶望するのは
何秒後?
何秒後?
涼夜
王女の心を
手に入れて
手に入れて
涼夜
予定調和の茶番劇
涼夜
王子に殺され
全ての
全ての
涼夜
シナリオは終焉へ
涼夜
早く……
終わらせて
終わらせて
涼夜
悪の華
可憐に咲く
可憐に咲く
涼夜
悲しげな彩で
涼夜
決められた
花の収穫は
花の収穫は
涼夜
嗚呼
もうすぐ
そこまで迫ってる
もうすぐ
そこまで迫ってる
涼夜
ある晩
彼がやって来て
彼がやって来て
遥輝
こんばんは(作り笑顔)
涼夜
涙をこらえ
作り笑顔
作り笑顔
涼夜
気づかぬ振りして
ほほえんだ
ほほえんだ
涼夜
最後は笑って
死にたいな
死にたいな
涼夜
真夜中井戸へと
連れ出され
連れ出され
涼夜
何も言わない
彼見つめ
彼見つめ
涼夜
短い恋が
できたこと
できたこと
涼夜
彼に心から
感謝した
感謝した
涼夜
ついに
ナイフを
握り締めて
ナイフを
握り締めて
涼夜
震えてすくむ
彼の手を
彼の手を
涼夜
重ねるように
包み込んで
包み込んで
涼夜
自分へと突きたてた
涼夜
…ありがとう
涼夜
悪の華可憐に散る
涼夜
愛おしい彩で
涼夜
彼の生と引き換えに
涼夜
嗚呼
火種は大きく
落とされた
火種は大きく
落とされた
涼夜
むかしむかし
あるところに
あるところに
涼夜
腐敗しきった
王国で
王国で
涼夜
亡国の革命への
涼夜
生贄となった街息子
涼夜
黄色と青が争って
涼夜
姉が姉が民を
導くでしょう
導くでしょう
涼夜
生まれた時から
そのための
そのための
涼夜
筋書きだけを
生きていた
生きていた
涼夜
ついに
最後の締めくくり
最後の締めくくり
涼夜
彼に
殺して欲しかった
殺して欲しかった
涼夜
筋書きを
改竄したのは
改竄したのは
涼夜
俺のわがままだな
涼夜
あぁ…
ごめんなさい
ごめんなさい
涼夜
悪の華
可憐に散る
可憐に散る
涼夜
鮮やかな彩で
涼夜
後の人々は
知らない
知らない
涼夜
嗚呼
生贄となった街息子
生贄となった街息子