コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
潔 世一
糸師 凛
くちゅっ…
糸師 凛
舌が絡む音が洗面所全体に響く。
ぬちゅ…、ちゅる…
糸師 凛
だめだ…潔の力が強すぎて抵抗が出来ない。
…俺は…兄ちゃんを裏切るつもりなんて、無かったのに。
潔 世一
糸師 凛
糸師 凛
俺は潔を睨む。 本当に屈辱的だったからだ。
…その時、急に洗面所のドアが開いた。
──ガチャッ…
糸師 凛
糸師 冴
ドアの前に立っていたのは… 紛れもない兄ちゃんだった。
糸師 凛
潔 世一
潔は鋭い目つきで兄ちゃんを見つめる。
まるで、挑発するかのように。
糸師 冴
糸師 凛
糸師 冴
糸師 冴
糸師 冴
兄ちゃんの声は低く、何かを抑え込むように眉間にしわを寄せている。
潔 世一
潔 世一
糸師 凛
俺は焦った。 そんなことを言ったら兄ちゃんの怒りが爆発するのも時間の問題だろう。
糸師 冴
糸師 冴
潔 世一
潔 世一
潔 世一
糸師 凛
糸師 凛
まずい。 俺の言い訳がましく焦った様子が、 逆に疑われてしまっている。
兄ちゃんは俺を疑わしげに見つめる。
糸師 冴
糸師 冴
糸師 冴
糸師 冴
糸師 凛
…確かにそうだ。 本来なら自身の力で潔には勝てる。
だが、さっきの出来事はあまりにも 突然すぎて状況が把握できていなかったんだ。
糸師 凛
糸師 冴
糸師 冴
糸師 冴
糸師 凛
兄ちゃんがそう言い放った瞬間、 俺の中で何かが崩れる音がした。
…兄ちゃんに…見放された…?
俺は必然的にそれしか考えられなくなってしまった。
糸師 凛
もはや反論する気も無くなった俺は、 ただ床に座り込むしかできない。
俺はそのまま何も言えずに座り込んでいた。
俺は放心状態に陥ったように床を見つめる。
…ふと、上を見ると…潔が俺の目の前に立っていた。
糸師 凛
潔は兄ちゃんの方をジッと見つめていた。
…なにをする気なのかが分からなく、 なおさら怖く感じた。
潔 世一
潔から呟くように放たれたその言葉は、 どこか、威圧感と挑発が含まれていた気がした。
糸師 冴
兄ちゃんは顔色ひとつも変えずに 潔に問いかける。
…だが、怖いのは変わらない。
潔 世一
潔 世一
糸師 冴
糸師 凛
俺は潔の言葉に理解が追いつかなかった。
…何を言ってるんだ?こいつは。
兄ちゃんが…、俺のことを利用しているわけが…
糸師 冴
糸師 冴
兄ちゃんは淡々と潔に言葉を放つ。
けど俺は思ったんだ。
…なぜ否定しなかったのか、と。
糸師 凛
糸師 冴
糸師 凛
兄ちゃんに…丸め込まれている気がした。
もしも、本当に兄ちゃんが…
俺を、捨てたら?
…そんなこと、考えたくもなかった。 けど頭から離れなかった。
糸師 凛
つい、言葉が漏れてしまった。
…あぁ、…二人の目線が俺に刺さる…
糸師 冴
糸師 冴
糸師 冴
糸師 凛
兄ちゃんの声はいつものような冷たさじゃなかった。
まるで、俺に…言い聞かせるような、 そんな声色だった。
潔 世一
潔 世一
…? 今ここで俺に話を振るのか?
この気まずい状況で? …ふざけるな、クソ潔が。
糸師 冴
兄ちゃんも…俺を見ながら了承してしまった。
どっちを選んでも嫌な予感しかしない。
糸師 凛
…俺はどうするべきなんだ…? ━━━━━━━━━━━━━━ ━━━━━━━━━━━━━ ━━━━━━━━━━━