episode 0 Prolog
「 招待されし異物 」
ナイトレイブンカレッジ
《 鏡の間 》
闇の鏡
汝の魂の形は ……
闇の鏡
……………
闇の鏡
……………
闇の鏡
わからぬ 。
ユウ
へぇ … 。
クロウリー
なんですって ?
闇の鏡
この者からは魔力の波長が一切感じられない …… 色も 、 形も 、 一切の無である 。
闇の鏡
よって 、 どの寮にもふさわしくない !
ユウ
そこまで言いきられちゃうと , 少し落ち込むなぁ … 、
クロウリー
魔法が使えない人間を黒木馬車が迎えに行くなんてありえない !
クロウリー
生徒選定の手違いなどこの100年ただの一度もなかったはず 。
ユウ
ふはっ 、 手違いとは … まったくもって酷い言われようだ 。
ユウ
僕は “ しっかりと招待を受けて来た ” はずなのに 、 ねぇ ?
ユウ
( 100年 … ねぇ 、 本物の人間ならこんな姿でいる訳がないのだけど
… 。 )
… 。 )
ユウ
( ま 、 もしかしなくても人では無いね 。 ウサンクサっ 、! )
クロウリー
“ ユウ ” というのは本当にあなたの名前なんですか ?
クロウリー
こんなファミリーネームもない奇怪な名前 、 聞いたことがありません 。
ユウ
嗚呼 , 勿論だとも 。
ユウ
( 勿論 , 偽名に決まっているだろう 。 )
ユウ
この名は , 僕の大切な人がつけてくれた名さ 。
ユウ
( ねぇ 、 こんな言葉を知っているかい ? )
ユウ
( “ 嘘の中に真実を混ぜると信憑性が増す ” んだよ 。 )
ユウ
( まったく … ただでさえ “ こんな身 ” なのに , わざわざ真名を明かすわけがないだろう 。 )
ユウ
( 縛られてしまったらたまったもんじゃない 。 )
クロウリー
んん … やっぱりそうですか … 。
ユウ
おいおい , まさか疑うのかい ?
ユウ
何度でも言うがね , 僕は招待されたんだよ 。
ユウ
そして , 僕達はそれを承諾した 。
ユウ
まさか , “ そちらの不祥事 ” という訳ではないだろう ?
クロウリー
ぐぬぬ …
なんと 、 ただならぬ気配を感じて急いで来てみたら …
お主 、 なぜその身で生きていられる … ?
ユウ
… へえ 、 僕のこと 、 わかるんだ ?
クロウリー
ヴァンルージュ君 ? いったいなんのことですか ?
ユウ
へえ … 君 、 ヴァンルージュというのか 。
ユウ
… もしかしなくても 、 人間じゃないよね ?
リリア ・ ヴァンルージュ
ほう ! わかるか 。
ユウ
雰囲気でね 。
ユウ
… では 、 もう一度問おうか 。
ユウ
君は 、 僕の事がわかるのかい ?
リリア ・ ヴァンルージュ
全てはわからんよ 。 ただ 、 お主は闇のものに好かれているらしい 。
リリア ・ ヴァンルージュ
わしも同族のようなものだからな 、 なんとなくはわかるぞ 。
ユウ
… 君は 、 コレより何十倍も清いだろう 。
リリア ・ ヴァンルージュ
はっはっは ! そうでもないぞ 。
リリア ・ ヴァンルージュ
して 、 異邦からの旅人よ
リリア ・ ヴァンルージュ
貴殿はなんのためにこの地へ ?
ユウ
… さあね 、 ただ言えるのは招待されたこと 、 それと ……
ユウ
その招待の理由はただの気まぐれという事くらいかな 。
クロウリー
ちょ 、 ちょっとなんなんですか !
クロウリー
二人で話を進めないでください !!!
リリア ・ ヴァンルージュ
おっと !
わしはもう行くとしよう 。
わしはもう行くとしよう 。
リリア ・ ヴァンルージュ
わしは副寮長として新しい寮生たちの引率に来ただけじゃからな !
リリア ・ ヴァンルージュ
まったく 、 マレウスにも困ったものじゃ 。
ザワッ
マレウスって 、 まさかあのマレウス・ドラコニアか ?
怖ぇ 〜 … 、
ユウ
…………… 。
グリム
な 、 なんかよくわかんねぇけど …
グリム
その席オレ様によこすんだぞ !!
episode0 Prolog [ END ]
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……To be continued