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コハネ

持ってきたよ…!

コハネ

青柳くんの仕掛けたカメラが、頑丈に固定されてて取り外すのに苦労したけど…

トウヤ

…簡単に取り外せたら困るだろう?
動く本棚を狙う大事なカメラなんだ。

コハネ

ほら、この3台のカメラだよ。

コハネ

後は、このカメラのフィルムを、倉庫にあった現像液で現像するだけなんだけど…

ホナミ

現像なら私がしておくよ?

サキ

さすがほなちゃん!
安心して任せれるよ〜!

モノメグ

話なら聞かせて貰ったわ〜!
そういう事なら、私に任せてちょうだい!

トウヤ

…は?

モノメグ

現像なら私がやるから、あなた達は捜査に集中して貰って構わないわ〜

モノメグ

だって、あなた達が全員おしおきされちゃうだなんて…なんだか嫌だもの。

トウヤ

よ、余計なお世話───

と、反論しようとする俺の横をすり抜けて、モノメグは小豆沢の手からカメラを奪い取った。

コハネ

…あっ!

モノメグ

うふふ…貰ったわよ〜

トウヤ

おい!返してくれ!

モノメグ

心配しなくても大丈夫よ〜

モノメグ

私達は絶対にルールを守らなくちゃいけないらしいから、不正なんてしないわよ〜

モノメグ

じゃあ、現像が終わったら教えるわね〜

トウヤ

ま、待て!カメラを返してくれ!

呼び止める声も虚しく、モノメグは風のように去っていった。

エム

あーー!ピンクのクマさん行っちゃったよー!

トウヤ

そ、そんな…大事な手掛かりなんだが…

コハネ

ごめん…私が油断したせいだね…

アン

こはねは悪くないよ!
それに、多分大丈夫でしょ。現像して返してくれるって言ってたしさ!

カナデ

ルールは守るって言ってたし…勝手に処分するなんて事はないはずだよ。

アキト

…そいつを信じるしかねぇみてーだな。

ミノリ

信じるのは大事だよ!
信じないと叶うものも叶わなくなっちゃうからね!

トウヤ

………………

コハネ

青柳くん…心配なのはわかるけど、今は信じて待つしかないんじゃないかな?

トウヤ

あ、いや…その心配だけじゃないんだ。

トウヤ

首謀者を暴いて終わりだと思っていたのに、…とんでもない事になってしまったな…と…

トウヤ

…だが、やるしかないんだよな。

コハネ

………………

コハネ

あ、あのさ…青柳くん。
ちょっと提案なんだけど…

コハネ

良かったら…捜査も今までみたいに一緒に行動しない?

トウヤ

え?…小豆沢と?…

コハネ

私は…まだ見習いだけど…
探偵として、少しは青柳くんの役に立てると思うんだ。

コハネ

いや、役に立ちたいんだ…青柳くんの為に。

トウヤ

…あぁ!もちろんだ。
小豆沢がいれば百人力だ。

コハネ

…ありがとう…!

ミズキ

ねぇ、なんでもいいからさ、早く始めよ〜よ。

ミズキ

あ、ちゃんと真剣にやってよ?
みんなの命が懸かってるんだからさ!

エナ

…って、明るく言える精神的、どうなっているわけ?

ハルカ

その前に1つ提案なんだけど、捜査の時はできるだけ単独行動は控えない?

ミノリ

え? なんで?

ホナミ

犯人に単独行動を許しちゃったら、勝手に証拠が隠滅されるかもしれないからね…

イチカ

あ、そっか…犯人はこの中に、いるんだよね…

ハルカ

こんな風に疑い合うような提案は、本当はあんまりしたくないんだけど…

ネネロボ

イイエ、合理的ナ判断デス!
ハルカチャン、胸ヲ張ッテ良イデスヨ!

ツカサ

胸を張るような提案でもないが…まぁ、こればかりは仕方がないだろう。

ツカサ

ここで犯人を突き止められないと、オレ達はまとめて殺されてしまうからな。

そうだよな…やるしかないんだよな。

だが、ここで首謀者の正体を暴けば、きっとみんなは外に出られるはずだ…

……やるしかない!

コハネ

ねぇ、青柳くん…
私達が図書室に来た時の事は覚えてる?

トウヤ

あぁ…もちろん覚えている。

トウヤ

ちょうど、動く本棚が閉まっていくのが見えたよな?

トウヤ

だが、あれはなんだったんだ?
なぜ、本棚が勝手に動いていたのだろうか…

コハネ

実は…この本棚は”そういう仕組み”なんだよ。

そう言いながら、小豆沢は本棚を動かして隠し扉を出現させた。

ゴゴゴゴ…

コハネ

ほら、見てて。
私達がこの本棚から手を離すと…

と、小豆沢が本棚を掴んでいた手を離し、しばらく待つと…

ゴゴゴゴ…

トウヤ

あっ…本棚が勝手に閉まった…?

コハネ

この本棚は自動ドアみたいに、一定時間で勝手に戻る仕掛けなんだよ。

コハネ

よく考えてみれば…当たり前なんだけどね…。

コハネ

だって、勝手に閉まるようになってないと、中に入った後で本棚を元の位置に戻せないからね。

トウヤ

そうか…隠し扉に入った後で本棚を戻すには、自動で閉まってくれないといけないんだな。

隠し扉に入った後で…本棚を戻す?

トウヤ

…そうだ! もしかすると、あの時、勝手に本棚が閉まっていったのは…

トウヤ

首謀者がこの中に逃げ込んだ直後だったからじゃないか?

コハネ

神代さんを殺した後に隠し扉の中に逃げた…うん、その可能性はあるかもしれない。

コハネ

さっそく確認してみよう…!

トウヤ

…カードリーダーの埃の事だよな?

コハネ

うん!何かわかるはず…!

そう言いながら、小豆沢はもう1度、本棚を動かして例の隠し扉を出現させた。

ゴゴゴゴ…

コハネ

…じゃあ、見てみよっか。

俺達は顔を寄せ合うようにして、カードリーダーの隙間を覗き込んだ。

トウヤ

……?
埃が残ってるぞ?

コハネ

カードリーダーは使われてないみたいだね…ってなると、首謀者がこの中に隠れた可能性もなくなるね。

トウヤ

首謀者がカードリーダーを通した後に埃を戻した、というのは?

コハネ

いや…埃は私が挟んだ時のままだよ。ちゃんと位置と形を覚えておいたから間違いないと思う。

コハネ

だから、断言していいと思うよ。 首謀者は、この扉の中に入ってないよ。

トウヤ

だったら、あの時の本棚を動かしたのって、この図書室にいた…

トウヤ

神代さん自身で間違いないという事か?

コハネ

それは…まだわからないよ。
あのカメラで撮った写真を見ない限りは。

コハネ

まだ、別の誰かが隠れていた可能性もあるからね。

トウヤ

だが…俺の意見は変わらない。
俺はやっぱり首謀者が犯人だと思う。

トウヤ

だから…絶対に首謀者に繋がる手がかりを見つけたいんだ。

トウヤ

そうすれば…このコロシアイも終わるはずなんだ。

コハネ

……………

トウヤ

当たり前だが…
神代さんの死体も調べた方がいいんだよな?

コハネ

そうだね…犯人の手掛かりを見つける為には、必要だと思う。

コハネ

えっと…辛かったら無理しなくてもいいんだよ?

トウヤ

いや…大丈夫だ。やるぞ。

トウヤ

……………

神代さん…前に見た時はあんなにピンピンしていたのに…

コハネ

神代さんは…どうしてこんな所で死んでるんだろう…?

トウヤ

こんな所でとは…どういう意味だ?

コハネ

神代さんが本棚を動かした張本人だってなると…

コハネ

神代さんは本棚を動かして隠し扉を出現させた後、わざわざ、この場所まで移動して来たのかな?

コハネ

隠し扉とも離れた…こんな位置に…。そんな事をする理由はないよね?…

コハネ

かといって、死体を移動させたような跡もないから…それが、不思議で。

トウヤ

………………

コハネ

えっと…大丈夫?
顔が真っ青だよ…?

コハネ

…無理もないよね、
いきなり死体を調べないといけないなんて…。

コハネ

しかも、さっきまで一緒にいた人の死体を…

トウヤ

い、いや…大丈夫だ。
頑張らないといけないしな。

トウヤ

死んでしまった神代さんの為にも…、彼の死に…少しでも報いる為にもな…

トウヤ

せめて、残ったみんなを救わなければ。

トウヤ

俺達にこんな事をさせている首謀者を倒してな。

コハネ

あ、あの…私もできるだけ協力するよ…! 捜査は私がサポートするし!

コハネ

一応は…探偵だからね。

トウヤ

…一応じゃないだろう?

コハネ

そ、そうだったね…!

トウヤ

えっと…調べると言っても、どうしたらいいのだろうか?

コハネ

…大丈夫だよ。私に任せて。

小豆沢はそう言うと、一切の迷いなく神代さんの死体を覗き込んだ。

コハネ

…後頭部から血が出てるね。
かなり深い傷みたい…。

コハネ

多分、鈍器みたいな物でやられたんだよ。

コハネ

外傷は他にないみたいだし…モノクマファイルにある通り、これが致命傷で間違いないと思うよ。

トウヤ

なら…モノクマファイルは信用してもいいのか?

コハネ

う、うん、ひとまずはだけどね。

すると、小豆沢は、神代さんのポケットに手を入れた。

トウヤ

…え? 何をしているんだ?

コハネ

持ち物の確認だよ。
どこに手掛かりがあるかわからないからね…。

コハネ

やるなら…徹底的にやらないと。
青柳くんをサポートするって言っちゃったからね!

トウヤ

な、なんだ…?
かっこいい…な?

コハネ

そ、そうかな?…

コハネ

えっと…ズボンのポケットに入ってたのは、神代さんの個室の鍵と、生徒手帳のモノパッドだけだね…

コハネ

モノパッドも神代さんの物で間違いないし、私達が持ってるのとまったく一緒だよ。

トウヤ

…カードキーなどはなかったか?

コハネ

私もひょっとしたらって思ったんだけど…

コハネ

あ…床に落ちてるこのメモ帳とかも調べておいた方がいいかも。

コハネ

中にカードキーが挟まってるかもしれないし…ちょっとページをめくってみるね。

トウヤ

すごいな…設計図のようなものから、難しそうなメモ、色々な事が書いてあるな。

トウヤ

…1番新しいメモはどんな内容なのか見せてくれないか?

コハネ

え?…どうして?

トウヤ

神代さんは『このゲームを終わらせる』と言っていたんだ。何か知っているかもしれない。

コハネ

…確かに、一応見てみる価値はあるかもね。

コハネ

えっと…これだよ。

・リモコン ━━━━━━━━━━━━━━ ◻︎電子機器停止 ・ハンマー ・ボム

トウヤ

リモコン…?
なんの事だ?

コハネ

電子機器停止っていうのも…どういう事だろう?…

トウヤ

ハンマーやボムといった物騒な内容もあるが…、神代さんはそれらしきものは持っていないし、発明品のメモだろう。

コハネ

この事件にはあんまり関係なさそうかもね。

コハネ

でも、いつか何かの手掛かりになるかもしれないし、一応持っておくね。

トウヤ

あぁ。

コハネ

後…胸ポケットには鉛筆とボールペンしかなかったし、カードキーみたいな物は見当たらないかな…。

トウヤ

なら、本当に…
神代さんは首謀者ではなかったんだな。

コハネ

神代さんが首謀者だったら、カードキーを持たずにここに来る訳がないし…

コハネ

だとすると、現時点ではその可能性が高いかな。

トウヤ

………………

なら…どうして神代さんはここにいたんだ? 首謀者でもないのに…なぜこんな所に?

血の付いた砲丸が転がっている。

コハネ

この砲丸って、もしかしたら…

トウヤ

あぁ。”1階の倉庫”にあった物だ。間違いないと思う。

コハネ

血痕が付いてるね…

トウヤ

それが…凶器なんだよな?
他に、凶器になりそうなものも見当たらないしな…。

コハネ

でも…こんなに重そうな砲丸を凶器にするには、かなりの腕力が必要なはずだよ…

…かなりの腕力?

トウヤ

……………

コハネ

…青柳くん、大丈夫?
死体に関しては一通り調べ終わったから…

コハネ

…もう離れよう。

トウヤ

あ、あぁ…すまない。

コハネ

でも…やっぱりわならないな…。
神代さんはどうして図書室に来たんだろう?…

コハネ

神代さんが首謀者の可能性はもうなさそうだし、だったら、神代さんがここに来た理由ってなんだろう?

トウヤ

もしかしたら…さっきも言ったが、神代のあの発言と関係しているのかもしれないな。

コハネ

『このゲームを終わらせる』…

コハネ

……………

コハネ

だとすると…神代さんは私と同じように、自力で図書室に隠し扉に気付いたのかも。

トウヤ

…え?

コハネ

神代さんは、私達と同じようにここに首謀者が来ると考えて、決着を付けに来たのかもしれない…。

トウヤ

神代さんは…俺達とまったく同じことを考えて?

トウヤ

そ、そんな…
それならなぜ教えてくれなかったんだ…?

トウヤ

教えてくれていたら…一緒に協力できたのだが…。

俺は、悔しさのような感情に押し潰され、思わずその場に座り込んでしまった。

コハネ

きっと…言えなかったんだよ。
私達と同じように、他のみんなを警戒してたんだよ。

コハネ

私には青柳くんがいたけど、神代さんにはちゃんと信用できる相手がいなかった…

コハネ

それが…私と神代さんの差なのかも。

そう言いながら、小豆沢は俺の隣にしゃがみ込んだ。

コハネ

青柳くん…行こう。
こんな所で立ち止まってる場合じゃないよ。

コハネ

青柳くんは諦めないんでしょ?
みんなを救うことを…

トウヤ

小豆沢……

そうだよな… 今、ここで諦める訳にはいかないよな。

トウヤ

ありがとう…
なんだか…どんどん頼もしくなるな。

コハネ

…えっ?

あぁ、小豆沢の言う通りだ。 最後まで諦めてはいけない。

みんながちゃんとここから出るまでは…へこたれていられないな。

捜査を…続けないとな。 首謀者を突き止める為に。

コハネ

青柳くん、もう大丈夫?

トウヤ

……あぁ!

小豆沢が立ち上がり、俺に手を差し伸べてくれた。

俺はその手を、力強く握った。

ダンガンロンパV3×プロセカ【CHAPTER 1】

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