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第7話、読み終えました……えとがなかなか過去を話せないもどかしさと、それを察してみんなが無理に聞かない優しさが、じんわり伝わってきました。特に、のあがゆあんをわざわざ外に連れ出して「えとの話」をしようとした場面、細やかな気遣いに胸が熱くなりました。あおちゃんの腕の怪我も気になるし、えとが何を抱えているのか……続きがすごく気になります。
てく
770
伊予柑
89
#カラピチ
ち き ん 🍗
1,651
Ria_cha
1,051
二人が病院へ出かけると みんなは待ってましたと言わんばかりに
問いただしてきた
ねぇ、どういうこと?
なにがあったの?
誰にやられたの?
転んだ?
えとは大丈夫なの?
あまりの勢いに、少し後ずさる
えと
あおちゃんの怪我の真相を話したら
私がされたことも、話すことになる
余計な心配をかけたくない……
えと
嘘は、言ってないし…
私の様子から、なにかを察したのか
みんなは黙り込んでしまった
るな
るな
るなの優しい声が、私の心を揺らした
でもやっぱり、話したくないな…
えと
私は自分の手元を見つめて
そのままなにも言えなかった
みんなもきっと、戸惑ってる
どうしよう…
のあ
ヒロ
じゃぱぱ
なおきり
たっつん
うり
るな
うり
見兼ねたのあが、場を和ませてくれた
胸が熱くなる
のあには本当に頭が上がらない
のあ
なおきり
じゃぱぱ
たっつん
いつも通りの、やわらかい空気
和やかな会話
みんなが、楽しいと思える空間
ガチャ
帰ってきた…!
私は急いで玄関に向かう
__右腕が白いギプスに包まれた あおちゃんがいた
えと
かすかに哀しげな表情をしている
ゆあん
えと
ひなこ
あおちゃんより先に姉ちゃんが説明する
ゆあん
ゆあん
ごめんね……
声にならなかった
最近、よくこうなる
言いたくても、言おうとしても
“音”にならない
のあ
ゆあん
なおきり
机上にコーラや紅茶を置いていく
ちょうどうりとのあが、それぞれギターとクッキーを持って現れたところだった
じゃぱぱ
あおちゃんはソファーに座ると
左手でクッキーを取って口に運んだ
るな
ゆあん
ヒロ
たっつん
相も変わらず、楽しげに話している
みんな心配そうにしているけれど
通常運転のあおちゃんをみて
ようやく緊張がとけたみたいだ
私も安堵で足から力が抜けそうになる
ひなこ
突然声をかけられて、ハッと息をのむ
そしてそっと振り返ると姉ちゃんが 私の顔をのぞき込んだ
ひなこ
そうだったんだ、と気づき、同時に
当たり前だ、と心配してくれただけの 姉ちゃんに怒りさえ覚えた
あおちゃんがクッキーを口に入れ こちらの様子を窺っていた
ザー
シャワーの音が浴室に響き渡る
私とのあは風呂に入っていた
カチッ
シャワーの音が止まった
湯面に波紋が広がる
のあ
のあは顔をやや斜め上に向け 目を細めながら言った
のあ
ずっと黙っていた私に優しく話しかける
えと
でも、やっぱり黙る
昔のことも、今日されたことも
話したくない
えと
所々途切れてしまったけれど 私は事実を言う
のあ
のあは腑に落ちないという顔をしていた
だけど、無理強いはしない
うちではいつからか
風呂で悩み事を話し合ったりする 文化ができていた
私はほとんど相談に乗る側だったけれど
のあ
えと
のあ
えと
そのあとは他愛のない会話が続いた
のあは精一杯私が楽しめるように 話をしてくれた
私は余計に、この人に"私のせい"で 傷ついてほしくないと思うばかりだった
みんなが寝静まり、俺もパソコン の設定を終えて寝ようとしていたとき
のあに呼び止められた
まだ起きてたの?
そう聞くとのあは 静かに、というかのように
右手の人差し指を唇に当てた
家の外に出るように誘導されたので
俺は従った
のあは外から家の鍵を閉めると 行きましょう、と歩き出した
ゆあん
のあ
ゆあん
のあ
ゆあん
のあ
のあ
ゆあん
どこかで、妙に納得した
というより、はじめから わかっていたのかもしれない
のあ
のあ
のあ
のあ
ゆあん
えとは何も、話してくれないから
のあ
沈黙が続く
景色だけが、少しずつ移り変わっていく
ゆあん
のあ
のあ
ゆあん
のあ
のあ
のあが言いたいこともわかる
えとをあの部屋の隅から引っ張り出し張本人の俺は
みんなより幾分か、信用を得ることが できていると思うから
自分で言うと、すこしみんなを見下した 文になってしまうな
もちろん、そんな気はないけれど
のあ
ゆあん
のあ
ゆあん
雲に隠れてぼんやりと光る月は
数年前から点いたり消えたりの街灯の 代わりにしては
すこし心許ないものだった
家からの距離はひらき続けているので 心配ではあったが
すぐに俺の頭の中は、一つの考えに 埋め尽くされた
__えとは、なんで部屋の隅から 離れなかったのか
今まであまり考えなかったけれど
それって、えとにとって重要なことに 違いない
あんなに顔を強張らせて あんなに人を拒んだんだ
それ相応の理由がないとおかしい
でもそれは、一体なに?
俺たちがえとと出会う前に なにがあったのか
のあ
ゆあん
この返答も、ほとんど無意識だ
俺にとって、今最も優先すべきは えとの過去だ
それを知って、助けることだ
心から、笑わせてあげることだ
おはよー
昨日のテレビさぁ
おはようございまーす
おは~
あれ?コーラないよ?
朝から飲むの?
ゆあん
ひなこ
ゆあん
ひなこ
朝起きてリビングに行くと ゆあんに大声で呼ばれた
私が起きてくるのを待っていたらしい
ひなこ
ゆあん
ゆあん
ひなこ
え、待ってまって
ひなこ
ゆあん
軽く身支度を済ませ、庭に出ると
空は薄青く晴れて
日の光が白色に輝いていた
気持ちの良い朝とは、まさにこれだろう
ゆあん
ひなこ
ゆあん
ゆあんは言いづらそうに切り出した
ゆあん
ゆあん
ゆあん
私は口籠もる
えとが言いたくないのは知っている
だから、私も話さない
そう思うけれど
ゆあんなら、助けてあげられるんじゃ ないか
とも思う
時々辛そうにしているえとをみて
私がなにを言っても響かなかったんだな と痛感する
ゆあんなら、みんななら…
ひなこ
ひなこ
ゆあん
言えない
えとが自分で話すことを決心するまでは
ゆあん
ゆあん
ひなこ
ひなこ
たった一人の家族を、裏切れないよ……
ゆあんはその後も、何度も何度も
懇願してきた
でも私は
首を縦に振ることはなかった