テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
4,305
247
次の日。
黄は学校を休まなかった。
熱があった。
頭も痛い。
身体も重い。
それでも、 制服を着た。
休めば、 何を言われるかわからないから。
教室の扉を開けた瞬間。
空気が止まる。
数秒後。 笑い声。
クラスメイト
クラスメイト
黄は何も言わず、 席へ向かった。
その時、 机に何か書かれているのが見えた。
「死ね」 黒い油性ペン。
何度も、 何度もなぞった跡。
まるで、 本当に死んでほしいみたいに。
黄は数秒固まる。
静かに消しゴムを取り出した。
手が震える。
上手く消えない。
視界が滲む。
桃
桃が立ち上がる。
その瞬間、 黄は慌てて笑った。
黄
またそれ。
桃の胸の奥で、 何かが軋む。
”もうその言葉聞きたくない” そう思ってしまった。
昼休み。
黄は屋上へ逃げた。
静かな場所が欲しかった。
一人になりたかった。
授業中。 黄はまともに文字が読めなかった。
黒板が揺れる。
耳鳴り。
呼吸が浅い。
でも。
教師
教師の声。
黄は立ち上がる。
ふらつく。
後ろから笑い声。
クラスメイト
クラスメイト
答えられない。
頭が回らない。
視界が白い。
黄
また謝る。
教師はため息をついた。
教師
その言葉に、 教室が笑う。
紫の顔色が変わった。
気づけよ。 そう思った。
こいつ、 普通じゃない。 明らかに壊れてる。
なのに、 誰も止めない。
フェンスにもたれる。
冷たい風。 空が綺麗だった。
こんな日に死ねたら、 楽かな。
ぼんやり思う。
赫
後ろから声。
振り返ると、 赫だった。
缶コーヒーを片手に、 こちらを見ている。
赫
黄
赫
黄は黙る。
赫は隣に座った。
しばらく沈黙。 風の音だけが響く。
赫
突然。 黄の肩が跳ねる。
赫は前を向いたまま言った。
赫
黄
赫
黄は笑おうとした。
でも、 上手く笑えなかった。
黄
赫
即答。 でも 優しい声だった。
だから。
黄は泣きそうになった。
黄
黄
赫は黙っていた。
黄
震える声。
黄
呼吸が浅くなる。 でも、 止まれない。 言葉が溢れる。
黄
黄
黄
涙が落ちる。
黄は慌てて顔を隠した。
黄
その瞬間。 赫が、 黄の腕を掴む。
強くはない。 でも。 逃さないみたいに。
赫
赫
黄の目が見開かれる。
その言葉。 今まで、 誰にも言われなかった。
”頑張ってる” そう認められたことが、 なかった。
黄の涙が止まらなくなる。
でも、 すぐに顔を伏せた。
黄
赫の胸が痛む。
黄
黄
黄
黄
その言葉。 赫は何も返せなかった。