ベッドに腰掛け、手元の箱のラッピングを開ける青山の兄貴に話しかける。
小峠華太
青山琉己
小峠華太
青山琉己
青山琉己
小峠華太
条件反射で、つい口を開けてしまう。
ころっと口の中に、チョコが転がり込んでくる。
体温で、トロリとチョコがとろけだす。
そして、スモーキーな香りとチョコの甘みが口一杯に広がった後、舌にウィスキーの重厚感と爽やかさの余韻を残して、雪のように消えていく。
青山琉己
小峠華太
青山琉己
小峠華太
青山の兄貴は、俺が食べ終えるのを見計らい、次々とチョコを俺の口に運ぼうとしてくる。
小峠華太
このチョコを贈った嬢は、きっと青山の兄貴に食べて欲しくて買った筈だ。
青山琉己
青山琉己
小峠華太
甘い物?夕食作った時に、冷蔵庫の中をみたが、そんな物入ってなかった気がするが、お菓子でも置いてるんだろうか?
結局、青山の兄貴は一個もチョコを口にせず、チョコの大半は、俺の腹におさまった。
青山琉己
小峠華太
青山琉己
青山琉己
青山琉己
青山琉己
あれ、なんか話が妖しい方向に向かっている気がするのは、俺の気のせいなんだろうか?
青山琉己
小峠華太
言われてみれば、なんか熱いような気がする。
青山琉己
小峠華太
青山琉己
はめられた!
青山の兄貴の性格を考えれば、分かった事なのに。幾ら嗜好(しこう)にあわなかったとしても、好意を無下(むげ)にする事を良しとしない、青山の兄貴が、一口も口をつけないなんて事する筈がねぇ。
青山琉己
青山琉己
そのまま、ベッドに押し倒される。
小峠華太
青山琉己
小峠華太
青山琉己
青山琉己
促されるまま開口すると、チョコと共に俺の口の中へと、舌が侵入していく。
口の中で、甘くチョコがとろけるにつれて、舌に甘い痺(しび)れが走る。
チョコのせいなのか、はたまた媚薬のせいなのか、分からねぇが、口の中が火傷したかのように熱い。
口づけが深くなるにつれて、熱が蓄積(ちくせき)されていき、到頭(とうとう)正常な思考すら奪い去られてしまった。去れるがままだったのに、気づけば、俺から青山の兄貴の舌に舌を絡め、貪っている。
青山琉己
小峠華太
青山琉己
ちゅっ、ちゅっ、とリップ音をたてながら、俺の体のラインをたどり、青山の兄貴が下へ、下へと下がっていく。兄貴に触れる度に、熱が上昇していく。
小峠華太
体の中心部に、兄貴の唇が触れる。
青山琉己
小峠華太
青山琉己
俺は熱くて、熱くて堪らないというのに、青山の兄貴は、涼しい顔をしてて、なんか面白くねぇ。
仕返しとばかりに、俺の胸を触っている悪戯な手を捕まえ、がぷっと噛みつく。
青山琉己
青山琉己
青山琉己
絶対、悪いと思ってねぇ。優しく聞くふりして、焦らして、俺の反応をみて楽しんでいる。本当、悪趣味。
それが面白くなくて、兄貴のズボンの前を寛げ、うっすらと反応をしめしているそれを取り出し太ももの間に挟み込む。
小峠華太
青山琉己
絶対、その涼しい顔を崩してやる!
俺は皮膚と皮膚が擦れるように、腰を揺らした。
柔らかなものが、額に触れ、目を覚ます。
小峠華太
凝り固まった体を伸ばし、凝りを解す。
青山琉己
小峠華太
青山琉己
小峠華太
小峠華太
青山琉己
小峠華太
青山琉己
兄貴は、チョコの入っていた箱を渡してきた。箱の底に貼られた、成分表を確認するも砂糖、カカオ、ウィスキーなど、色々と成分が記載されているが、怪しい所はなく、本当にただのウィスキーボンボンだった。
小峠華太
青山琉己
確かに、媚薬が入ってるとは言ってなかった。
つまりあれか、アルコールによる体温上昇を、媚薬服用による熱さだと勘違いして、俺が一人で勝手に盛り上がっていた、と。
小峠華太
苦し紛れに、ウィスキーボンボンのせいにしょうとするが
青山琉己
簡単に観破(かんぱ)されてしまう。
小峠華太
恥ずかしい!
穴があったら入りたい!
いや、そもそも元を辿れば、青山の兄貴が誤解させることを言ったせいだ。責任は全て、青山の兄貴にある。
俺が恥ずかしがる必要なんてねぇ。
全ての罪を青山の兄貴に押しつけて、開き直ろうとするも、昨夜の俺の行動が脳裏(のうり)に鮮明に蘇る。
やっぱり、恥ずしい!
もう二度と青山の兄貴から、チョコは貰わねぇ!
そう固く心に誓ったのだった。
おわり
あとがき プラシーボ効果とは、実際に効果はないのに、この薬には効果があると思い込むことで、症状が改善する事がある。病気にもよりけりですが。 個人的には、かなり効果あると思ってます。職業柄、よく使っていた手で、夜眠れない人(眠剤処方なし)に「本当はあげたら駄目なんだけど、私の飲んでいる、よく効く薬あげる。絶対に誰にも言ったら駄目だからね。内緒だならね」って、薬を渡す。翌朝眠れたか聞くと「あの薬よく効いて眠れた。お姉ちゃんありがとう」って言うんだけど、私が渡したのは、実は薬でなくて、ただのコーヒーのクリープなんで、本来、効く筈がないですよね。 因みにこの反対が、ノーシーボ効果。副作用が出る、この薬は効果がないと思って飲むと効果が30%低下するという統計結果が出ている。なので薬を飲むときは、効かないと思って飲むよりも、この薬は効くと思って飲んだ方が効果をえられる。 ただ、思い込みによるものだという原理を知っていても、効果があるのかは疑問が残るところ。
コメント
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ほんま、どこでそんな知識貰ってるか謎なのとその知識を自分にも分けて欲しい 確かに!!動画でも見るけど思い込みってすごいよな!!熱くないただの水をめっちゃ熱い水って言ったら火傷したって言う動画を見たことある!!