ナギサ
メイ~ちょっと聞きたいことがあるんだけど
メイ
え?何?
ナギサ
あのさ、交換留学のこと、どうなった?
ナギサ
学内で試験と面接に受からないといけないんでしょ?
メイ
さっき張り紙見てね、受かったんだ
ナギサ
え~よかったね!
ナギサ
おめでとう!
メイ
ありがとう
メイ
4技能の英語の試験、あんまり自信なかったんだけど、なんとか受かってよかった
ナギサ
本当に、よかったね~
ナギサ
メイはいつも授業休まず出てるし、先生もそこを評価してくれたんじゃない?
メイ
そうかな?
メイ
ひとまず安心したよ
ナギサ
それで、出発はいつになるの?
メイ
来年の8月に出発する予定だよ
ナギサ
そっか~あと1年あるのか~
ナギサ
メイと会えないの、寂しくなるな
メイ
私も、ナギサが学内で一番信頼できる友達だからさ
メイ
1年も会えなくなるのか...って思うとすごく寂しいよ
ナギサ
応援してるからね!
メイ
うん、ありがとう
ナギサ
それでさ、私も本気で英語の勉強頑張って、
ナギサ
なんとか後期の学内試験には受かりたいな、って思ってるんだ
ナギサ
でも、1人だとなかなかモチベーション上がらなくてさ
ナギサ
メイ、これから一緒に定期的に勉強しない?
メイ
うん、いいよ
メイ
私もその方が出発までのモチベーション保てる
メイ
すごく、心強いな
ナギサ
やった!
ナギサ
メイはすごいよね~向上心あって
ナギサ
私なんて、1人だとサボっちゃうから誰かの力借りないと、なかなか調子上がんなくて
メイ
私のこと、頼ってくれるからすごい嬉しいよ
ナギサ
ほんと?
ナギサ
そう言ってもらえると、これからもっとメイのこと頼りたくなる
ナギサ
これからも、よろしくね
メイ
うん!
ナギサ
そしたらさ、早速、今度の土曜日に図書館で勉強しない?
メイ
うん、もちろんいいよ
メイ
ただ、図書館だとあんまり話せないし、周りを気にしちゃうんだよね
ナギサ
あ~そっか
ナギサ
確かにそうだね
ナギサ
じゃあ、どこにしよっか?カラオケとか?
ナギサ
密室だから外からの邪魔はなさそうだけど、誘惑に負けて遊んじゃいそうだよね
メイ
私もそう思う...
メイ
あっ!そしたらさ、ショウタのバイト先のカフェでやらない?
ナギサ
ショウタ、って...メイの彼氏だよね?
メイ
うん
メイ
ショウタね、最近カフェのバリスタとして働き始めたんだ
メイ
そこのカフェはWi-fiもしっかりあるし、コンセントもあるから
メイ
長居するにはいい感じのカフェだよ!
メイ
コーヒーも、お菓子もおいしいし...
ナギサ
へ~行ってみたいかも!
メイ
そしたら、週末の午前には席撮れるようにしておこうか
メイ
週末だと、すごい混んじゃうからさ
ナギサ
そうだね
ナギサ
そしたら、その日は朝から早起きになるかな~
メイ
そうだね
メイ
私も、頑張って朝早起きするよ
メイ
これから定期的に朝活、がんばろう!
ナギサ
うん!一緒に目標、叶えようね
ナギサ
よし!そしたら、今週の土曜日に駅前に7時に集合しよう
メイ
分かった!じゃあ、また土曜日にね~
~土曜日の夜~
ナギサ
メイ!今日はありがと!
ナギサ
めっちゃモチベーション上がったよ!
メイ
私も、ナギサと一緒に勉強できてよかった
メイ
普段は普通に遊びに行くことが多いもんね
メイ
なんか、ナギサが勉強してるところ見るなんて、すごい新鮮だった
ナギサ
何それ~?(笑)
ナギサ
私も、ちゃんと勉強する、ってば!
ナギサ
それに、ショウタくんの淹れたコーヒー飲んだら、めっちゃ頑張れそう
メイ
ショウタ、すごいコーヒー淹れるの上手いよね
メイ
私もショウタにカフェでコーヒー淹れてもらう時、すごい感動するよ
ナギサ
うん、あれは本当に感動するレベル!
ナギサ
お菓子との相性も抜群だし...最高だった~
ナギサ
また一緒に行こうね!
メイ
うん、また行こう
~3週間後~
ナギサ
ねえ、メイ
メイ
うん?何?
ナギサ
あのさ、メイって今週末、ショウタ君と会う予定とかある?
メイ
今週はお互いにバイトで忙しいから、会う予定は特に決めてないけど...
メイ
なんで?
ナギサ
いや、なんとなく!
メイ
え?なんとなく?
ナギサ
うん!だから、気にしないで!
ナギサ
じゃあね
~翌日の夜8時~
メイ
ねえ、ショウタ
メイ
私のこと、いつから騙してたわけ?
ショウタ
そんな、騙すなんてことしてないよ
ショウタ
ただ、ナギサちゃんが俺の淹れるコーヒー飲みたい、っていうから家にいれただけじゃん
メイ
でも、私にだって家でコーヒー淹れてくれたことないじゃん!
メイ
「今から家言ってもいい?」って連絡しても、OKしてくれたことないのに
メイ
ナギサのことは、許すんだね
ショウタ
じゃあ、もうこの際だから話すけど...
ショウタ
俺、もうメイとは別れたい
ショウタ
終わりにしよう
メイ
え?待ってよ...どういうこと!?
ショウタ
いや、最近ナギサちゃんが店によく来てくれるようになってさ
ショウタ
すごい話しやすいし、人懐っこいし、なんか一緒に話してると心地よくてさ
ショウタ
気づいたら、好きになっちゃってたんだ
メイ
私の、どこが不満だったわけ?
ショウタ
めちゃくちゃ不満があったわけじゃないよ
ショウタ
ただ、もう気持ちがメイの方に動かないんだ
ショウタ
ごめん
ショウタ
だから、もう俺のことは忘れて
ショウタ
じゃあね
~10分後~
ナギサ
メイ
ナギサ
あのね、大事な話があるんだ
メイ
大事は話、って、ショウタとのこと?
ナギサ
え?私とショウタ君のこと、知ってるの?
メイ
今さっき聞いたところだよ
メイ
2人、付き合うんだってね
ナギサ
メイ、怒ってる?
メイ
当たり前じゃん!
メイ
私、ナギサのことは親友だと思ってた
メイ
何でも相談のってくれるし、辛い時は側にいてくれたし...
メイ
それ、全部嘘だったの?
ナギサ
嘘ではないよ
ナギサ
でも、私ずっとショウタ君が欲しかったんだよね
メイ
は?
ナギサ
始めてショウタ君の顔見た時、私この人と一緒にいたい、って思った
ナギサ
そのあとすぐに、メイの彼氏だって気づいて、
ナギサ
でも、諦められなかったから...
メイ
少しずつ距離を縮めて、奪えるタイミングを狙ってた、ってこと?
ナギサ
うん、まあ、そういうことになるかな
メイ
は!?そういうことになるかな、って...
メイ
最低!信じられないんだけど!
メイ
親友だと思ってたのに...
メイ
虎視眈々と...友達の彼氏奪うとか...ほんと最低だよ!
ナギサ
最低、っていうけどさ...メイもガードが緩いんだよ
メイ
え?
ナギサ
始めてカフェに朝活しに行った時、
ナギサ
数人の女の子がショウタ君に連絡先聞いてたよ
メイ
え!?ウソ...
ナギサ
ほら、そういう気の抜けたところ
ナギサ
あの時は、お店にメイがいたから断ってたけど、
ナギサ
多分、メイがいなかったら連絡先交換してたかもね?
メイ
全然、気づかなかった...
ナギサ
ショウタ君モテるからね
ナギサ
今までメイが全然嫉妬してくれない、っていうのはショウタ君も分かってたと思うよ
ナギサ
それで、メイにスキがあるんだったら私にもチャンスはあるかな、って思ったんだよ
メイ
だからって、奪うなんてひどすぎるよ!
ナギサ
別に、もう何とでも言えばいいよ
ナギサ
私は、もう何を言われても気にしないけどね
ナギサ
だって、ショウタ君は私のことを選んでくれたんだもん
ナギサ
だから、もうメイも諦めて
メイ
人の彼氏奪うナギサのことも、それにあっさり落ちちゃうショウタのことも...
メイ
もう一切信用しない
ナギサ
まあ、私たちももうその覚悟でいるから
ナギサ
いいよ、これで友達は終わりね
~1年後の4月~
ナギサ
メイ!
ナギサ
テレビ、見たよ~!
ナギサ
ビックリしちゃったよ!
ナギサ
渡航してたった半年で海外在中のYoutuberになるなんて!
ナギサ
付き合ってる彼氏も、すごいイケメンだね~
メイ
ありがとう
ナギサ
それで、これからは日本には帰ってくるの?
メイ
実はね、大学の交換留学プログラムを切り上げて、
メイ
こっちの4年生の大学に入ろうかと思うんだ
ナギサ
え?海外の4年生の大学に!?
ナギサ
いきなり...そんなどうしたの?
メイ
こっちに来て、私やりたいことが見つかったんだ
ナギサ
何?やりがい事、って?
メイ
私、こっちに留学に来る留学生を現地で支援するフリーランスとして活動していこうと思うの
ナギサ
へーすごいね...
ナギサ
めちゃくちゃ面白そう!
メイ
そうかな?
メイ
まあ、それも実はこっちで出会った彼のおかげで持てた夢なんだけどね
ナギサ
そうなんだ
ナギサ
新しい彼氏は、何してる人なの?
メイ
今は、ビデオクリエイターとして活動してるの
メイ
でも、この夏から仕事は辞めて、私の仕事を一緒に支援してくれることになったの
ナギサ
じゃあ、カップル2人で同じ仕事をやっていく、ってこと?
ナギサ
めちゃくちゃかっこいいね!
メイ
本当に、今の彼のおかげでこの仕事に出会えて、感謝してる
メイ
こっちに来た時は、ショウタと別れてすごいどん底で...
メイ
めちゃくちゃ辛かったけど、でも落ち込んでた私を支えてくれたのが今の彼なんだ
メイ
だから、ショウタと別れて何も後悔してないし、むしろその道を選んでよかった、
メイ
って思ってるくらい
ナギサ
何祖の言い方...
ナギサ
私に対する当てつけのつもり?
メイ
どうとらえるかは、ナギサに任せる
メイ
少なくとも、2人が付き合った時に心から応援はできなかったけどね
ナギサ
別に、応援してくれなんて頼んでないから
メイ
彼のおかげで、私の生活も安定してきたし
メイ
今年の7月には、こっちで結婚式も挙げる予定なんだ
ナギサ
えっ...もう結婚?
メイ
うん、そうだよ
メイ
ハネムーンは、定番のハワイに行くことになってるの
メイ
彼が計画してくれたんだ
ナギサ
へーそう
ナギサ
定番なところだし、なんかやることとかテンプレになりそうだね
メイ
私、ハワイに行くの楽しみだから、すごい楽しみにしてるけどね
メイ
何?羨ましいの?
ナギサ
そういう意味で言ってるんじゃないし
ナギサ
私だって、これからのショウタのこと、真剣に考え始めてるんだから
メイ
え?ショウタのことって?
ナギサ
そのままの意味でしょ!
ナギサ
ショウタとの結婚ってこと!
メイ
私の結婚報告が憎くて、つい強がった事言おうと思ったの?
ナギサ
は?
メイ
私がアメリカにいるからって、何も知らないとでも思ってんの?
メイ
知ってるよ
メイ
ナギサがショウタと上手くいかなくて、破局した、ってこと
ナギサ
え?何で知ってんの...?
メイ
見ちゃったんだよね
メイ
「浮気するやつを撲滅するグループ」っていうアカウントがSNSに投稿してるの
メイ
そこに、ショウタがナギサとは別の女の子と一緒にいるところ、写真撮られて載ってたね
メイ
噂大好きなナギサのことだから、そんなこととっくに知ってると思ったけど...
メイ
初耳だった?
ナギサ
知ってるよ…
ナギサ
知ってたけど、まさか私も浮気されるなんて、思ってなかったの
メイ
自分に自信があったんだ
メイ
相当な自信家なんだね
メイ
私も見習わないとな~
ナギサ
私は、ショウタとは円満に別れられた、って思ってるから
ナギサ
余計な心配してくれなくて大丈夫だから
メイ
別に、心配してるわけじゃないけどね
メイ
単に、私は私のことをふったショウタと、
メイ
人の彼氏を奪ったナギサに対して、少しだけ勝てた気分でいることが嬉しいだけ
ナギサ
あっそ!
ナギサ
勝手に思っとけばいいんじゃないの!?
メイ
そうしとく
メイ
まあ、ナギサは次の彼氏探しで大変でしょ?
メイ
頑張ってね
~後日談~
メイ
私は、私のことを一番に考えてくれる最高のパートナーと出会い、
メイ
今は自分の好きな仕事をすることができて、本当に幸せです
メイ
これから彼と一緒に仕事も家庭も、充実させながら生活していくために頑張ります
メイ
一方で、ナギサは必死に結婚相手を見つけるためにマッチングアプリに登録したようです
メイ
必死に恋活している姿を想像すると、自分が勝ったように思えてすごく倍返しできた感じがします