愛してください

そういってご主人様に蹴られる 怒られる、殴られる 全部おれが悪い子だからなんだって。

おれは、名前がない。親もいないし年齢さえも曖昧。 だからご主人様はおれのことをごみって呼ぶ

ﾊﾟﾝﾊﾟﾝｯﾊﾟﾝﾊﾟﾝｯ

ﾊﾟﾝﾊﾟﾝｯﾊﾟﾝﾊﾟﾝｯﾊﾟﾝﾊﾟﾝｯ

もう、むりだ。 いつからそう思うようになったのだろうか、 おれは逃げ出す計画をたてていた。 決行日が今日。うまくいきますように。捕まりませんように

ｶﾞﾁｬｯ

事前にげっとしておいた鍵でドアを開ける 大丈夫。大丈夫。外に出たら、大人の人にたすけてって言うんだ なんかいも練習したもん、おれなら大丈夫。

久しぶりに見た外の世界に少しだけ目が眩んでしまう

おにいさんのお家行きたいけど、怖い。 痛いことされたら逃げれるかな、

なんで、おにいさんは俺に優しくしてくれるんだろう

子供あつかいされて、ちょっと恥ずかしい

おにいさんがおれの言葉を遮ってそう言う

まろに撫でられると、頭がふわふわして変な気持ちになる

この人なら。 そう淡い希望を抱いてしまったこの夜