中国×日本
中国視点です。 昔の中国と日本が出てきます。旧国もバッチリ出る。
※この話は、現実の団体や歴史とは一切関係ありません。
あいつに初めて会ったのは、 千年も前の時だった。
前漢(昔の中国)
その日の我は、森の中を宛もなく歩いていた。
最近、良い詩が思い浮かばない。 気分転換に外を出歩いたはいいが、 アイデアが浮かばないのなら無意味である。
前漢(昔の中国)
くるりと振り返り、 もと来た道を戻ろうとすると......
??
前漢(昔の中国)
草むらの奥の方で、小さい子の泣き声のようなものが聞こえた。
迷子だろうか?
前漢(昔の中国)
そう大声で呼んでみると、近くの草むらから何かが飛び出して抱きついてきた。
前漢(昔の中国)
??
とんでもないギャン泣きっぷりだ。 ......あ〜光武帝様から貰った新しい漢服びしょびしょある。怒られるかなー....
なんて現実逃避をしている場合でもない。 とりあえず泣き止ませないと......
前漢(昔の中国)
??
あ、これ駄目だ。全然泣き止まねぇ。
前漢(昔の中国)
抱きしめて背中をポンポンしてやると、段々落ち着いてきた。 ふぅ、良かった......
??
前漢(昔の中国)
我の言葉に、子供がコクコクとうなづいた。
前漢(昔の中国)
??
ぱぁっと顔を輝かせて袖を掴んでくる。 ......こいつよく見たらめちゃくちゃ可愛い顔してるある。
倭国(昔の日本)
倭国......あぁ、このチビが『日いづる国』か。
確かにその笑顔は太陽のようだ。
前漢(昔の中国)
倭国(昔の日本)
前漢(昔の中国)
我は、倭国と話していると心が浄化されるような心地がした。
舌っ足らずながらも懸命に話す姿。 ころころと変わる豊かな表情。 我の心は一瞬で奪われた。
前漢(昔の中国)
倭国(昔の日本)
前漢(昔の中国)
"今日からお前は我の弟ある!"
あの時の日本は、兄という存在ができて嬉しそうに跳ねていた。
それ以降、我はよく日本に文字や技術を教えたり、遊んでやったりした。
前漢(昔の中国)
倭国(昔の日本)
前漢(昔の中国)
倭国(昔の日本)
前漢(昔の中国)
倭国(昔の日本)
前漢(昔の中国)
倭国(昔の日本)
日本も我も、王朝が変わったり 幕府ができたりして ずっと一緒には居られなかった。
時には攻め込んだり攻め込まれたり、 喧嘩することもあった。
でも、いつの間にかちゃんと仲直りできていた。
そんな矢先だった。
清(昔の中国)
1860年、世界中に勢力を拡大していたイギリス..... もとい大英帝国は、我の国で薬物を撒き散らし、攻め込んできたのだ。
大英帝国
清(昔の中国)
大英帝国
そう言って見せてきたのは、あまりにも酷い条件の契約書。 こんな条件を飲めば、我が国は白人共の下僕ルートまっしぐらだ。
しかし抵抗するだけの力もない。
清(昔の中国)
結局我はその条件を飲み、欧州からの不当な扱いに耐え忍ぶ日々を送った。
そしてトドメを刺してきたのは......
日帝
清(昔の中国)
トドメを刺したのは成長した日本.... 日帝だった。
大韓民国も落とされたので、我の前から二人の弟が消えた。
日帝
歪んだ笑顔を向けてきた其奴は、もう我の知っている弟では無かった。
そして日帝は、我を置き去りに欧州達と暴挙を始めたのだった......
でもいつか、また目を覚ましてくれると思っていた。
だって、仲直りできなかったことなんて無かったのだから。
それから暫くして日帝は美国との戦争に敗れ、敗戦国となった。 彼奴を止めたのが我でなく、 あのぽっと出の若造だったのが 不服だったがそんな事はどうでもいい。
これでやっと、仲直りできる...!
そう信じて、我は国際会議の場で日本に声を掛けた......が。
会議場:
中国
日本
中国
日本
この時日本と会えた嬉しさでいっぱいだった我は気が付いていなかった。
まだ、完全な仲直りは出来ていないと。
中国
アメリカ
すっと横から入ってきたのは、 現在トップで躍進中の超大国様だった。
日本
アメリカ
中国
何を言っているんだこの若造は?
確かに我達の現上司はお互いを快く思っていない。 だが話すくらいは良いじゃないか。
日本
アメリカ
中国
アメリカ
"社会主義を信用出来る訳ないだろ。"
中国
アメリカ
日本
アメリカ
日本
アメリカに怒鳴られて日本が萎縮する。 するとその後ろから各国が ゾロゾロと集まってきて、我達を取り囲んだ。
イギリス
アメリカ
フランス
イタリア
日本
フランス
フランスとイタリアに手を引かれて日本が遠ざかっていく。
中国
ソ連
我の前に立ったのは老師....ソ連だった。
中国
ソ連
中国
ソ連
......え?
老師なら......先生なら、分かってくれると本気で思っていた。
しかし突きつけてきた現実は本当に残酷で......
ソ連
中国
ソ連
"この世界が続く限り、お前と日本は永遠に仲良くならない。"
ソ連
中国
あぁ......帝国主義の植民地争いが終わったかと思えば今度は資本主義と社会主義の対立か。
こうなったのはアメ公のせい? こうなったのは先生のせい?
いつになったら、また日本と分かり合えるのかな? いつになったら、また日本と笑い合えるのかな?
そんな中国の質問に答えず、 今日も世界は真っ二つに割れる。
終。
コメント
4件
うあああああああ😭😭😭 いつの間にか目の前が水浸しに...(´;ω;`) めっっっっっちゃ凄かったです!!!!!!!!!!
小ネタ集: ・中国の「今日からお前は我の弟ある!」はヘタリアの眉毛の「今日からお前は俺の弟だ!」から引用 ・ソ連の「領土問題」発言は、中ソ国境紛争の原因となった領土問題
切ないですね〜😭 仲良くなって欲しいけどこの関係も大好きです! 素敵な小説ありがとうございます!