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俺ら兄弟は宗教に狂う家の元に生まれた。
不幸にも、弟の鼺(るい)は忌子として生まれ、生贄として神様に捧げられる事になった。
俺はそんな毒親から鼺を守ってやる事すらできない
ただ、一緒に過ごして安心させる事しかできなかった。
刻一刻と迫る生贄の儀式に、怯えて待つことしかできなかった
今まさに恐れていた儀式が始まろうとしている。
親父に腕を掴まれ、身動きは取れない。
傀
ただ叫ぶことしかできない
母親
鼺
鼺の不安そうな声色と、目に浮かぶ涙に胸が張り裂けそうになる
傀
傀
父親
傀
何が違うんだろうか、みんな同じ人間なのに、どうして…
母親
母親
父親
あぁ、俺もそうが良かったよ
鼺を1人になんてできるわけがない
傀
怒りと悲しみの感情から、もう自分が何をしているのかも分からない
鼺
傀
傀
傀
傀
鼺
自分が何を言っているのかも分からない
ただ鼺のこわばっている顔しか見えない
母親
父親
母親
鼺
傀
最後に見た鼺は、寂しそうに笑っていた
傀
母親
父親
傀
頭が白くなり、視界がぼやけ出す
父親
傀
社の後方から俺を呼ぶ鼺の声が聞こえた気がした。
傀
傀
俺は導かれるように走り出した
父親
母親
毒親が何かを叫んでいたような気がした
だけど俺にはもう何も分からない
ただ、鼺が呼んでいたから
傀
傀
はっと意識がはっきりしたかと思えば知らない場所に立っていた
傀
どうやってここに来たのだろうか
辺りを見回している最中、後ろから聞き慣れた声が響いた
鼺
傀
傀
鼺がいた。いなくなったはずの鼺だ。
鼺
傀
ぎゅっ
鼺
反射的に身体は動き、鼺の身体を抱き寄せた
傀
鼺
兄が泣くなんてみっともないのは分かっている
だけど、ここがどこであろうと鼺がいる事だけが救いだった。
雲雀
雲雀
雲雀
雲雀
雲雀
傀
鼺
雲雀
雲雀
雲雀
雲雀
雲雀