わがままのいみ。

野﨑唯斗

高校1年。

唯香とは幼馴染で

同じ高校に通っている。

が、

最近唯香は

わがままが多い。

だとか

だとか

だとか。

他の奴誘えばいーのに

何で俺なんだ？？

翌日

その時唯香から

レシート

と重なって

紙を渡された

クポーンかなんかか？

まぁいーや

リュックのポケットに入れた。

1人なんて久しぶりだ。

最近はとくに唯香といたから。

唯香？帰ってなかったのか？

最後なんか言ってたけど

よく聞こえなかった

まぁ明日にでも聞けばいいか。

とか

思ってたら

休みかよ

なんて言ったか、余計気になるじゃねーかよ

なぜか不安がよぎったのを

忘れている自分がいた。

次の日もその次の日も

唯香は学校に来なかった。

1ヶ月くらい経ったころ

担任が

深刻そうにこう言った。

「野真 唯香さんは、

病気によって9月12日に亡くなりました…。」

1ヶ月学校に来ていなかったのは

病気で亡くなったからだった。

家族の希望で

少し時間が経ってから伝えたかったらしい。

俺は頭は良いけど

唯香の死は全く理解ができなかった。

俺は家で泣き崩れた。

好きでもなかったのに

いや

好きだったのかも知れない。

俺は俺の情けなさに泣いた。

ふと

リュックを見た。

中3の俺の誕生日、

唯香が

そう言ってプレゼントしてくれた。

俺の宝物だ。

最近はこのリュックでよく唯香といたけど……

映画に行った時

レシートと重なった紙をもらったことを

忘れていた

分厚く小さく折りたたまれたその紙は

なにか大切なことが書かれている気がして

開くのが少し怖い。

紙を開く

唯香の字だ…

それは手紙だった。

唯香はもう自分の死を知っていた。

俺だって

唯香と最後に会った日

最後に交わした言葉はきっと

『ありがとう！！』

『いままで！』

こう言っていたのだろう。