いれいす短編集のお店

僕は何も考えずに生きてきた

なんとなく毎日を過ごして

特に大きな夢もなくて

だからﾀﾋぬ気で頑張った経験もなくて

それでも毎日が楽しくて幸せだった

ねぇ、僕って

本当に幸せなんだよね？

ある日、僕は歌い手になった

自分が好きな歌を好きな時に歌う

そんな歌い手だった

誰かにフォローされても

ただ単に嬉しいと思うだけだった

自分の好きなように行動していたから

フォロワーの人数でも あまり気にしていなかった

そんな時、あることが起きた

そう

当時ないちゃんとは仲が良かったのだ

ないちゃんは 歌い手グループについて教えてくれた

僕は 『自分が楽しいからする』

そんな感じで活動していたけど

ないちゃんは違った

ないちゃんは 『リスナーさんを喜ばせたい』

『誰かに推してもらえるような活動をしたい』

『このグループで大きな舞台に立ちたい』

そういう大きな目標があった

僕は こんな考えを持ったことがなかった

今までは "自分の思うように歌えばいい" と思っていたけれど

"誰かのために歌う" という考えは全くなかった

僕はそれから考えてみた

僕は考え続けた

そして考え抜いた

それから僕は必死で努力した

今までよりも 思いを込めて歌ったり

目標や夢を持ったり

たくさん努力をした、頑張った

誰にも負けないように

前に進み続けた

僕は本当に変わったのか

本当に夢は叶うのか

そして 本当にこれでいいのか、幸せなのか

これらは誰にも分からない

でも、一つだけ言えることがある

僕は

誰にも負けない 負けたくない

その一心で たくさん努力してきた

いれいすを結成してから少し経った

僕は変わったとは言い切れない

けれど "人を思う気持ち" が芽生えたのは自分でも分かる

そして いつもリスナーさん達に応援されるということが、どれだけ嬉しいことか

だから、僕はもっと頑張れる

これが 何気ない毎日を過ごしていた大学生の 新たな物語であった