🕊チュンチュンッ…
レイ
鳥のさえずりと共に目が覚める
視界には無数の斑点が散りばめられた白い天井が広がっている
レイ
体をよじると被せられた布団の隅から重みを感じて違和感を覚えた
違和感の先に目を向けるとそこには大好きな二人が綺麗な吐息を立てて寝ていた
レイ
レイ
二人を起こさないように控えめに呼ぶ声は徐々に明るくなり始めた空の中に映し出される
レイ
レイ
穏やかな保健室
それは「戻ってきた」という事実を疑いたくなるほど差し掛かった日光がキラキラと保健室を照らした
だから自分に現実なんだと落とし込むため呟いた言葉は
これまでの濃すぎる思い出を一冊の本のように思い起こさせた
レイ
深い深呼吸をする
そしてレイには一切のわだかまりが取り払われた
そんなスッキリした顔をして再度二人を見た
レイ
レイ
レイ
ユウ
グリム
レイ
一体どんな夢を見ているのか
幸せそうに寝ながらも隈が酷くなった顔を眺め
起こさぬように布団から出た
学園長室
コンコンコンッと扉を叩くと中から気の緩んだ学園長らしい返事が返ってきた
学園長
レイ
学園長
凄く驚いた顔をした学園長と目が合う
レイ
学園長
レイ
学園長は病み上がりでしょう…にと呟いた
きっと病み上がりの私が一人で出歩いたのを危惧したのだろう
普段はズルい大人な学園長もこういう面があるので嫌いになれない
レイ
少し間が空いた後、学園長が口を開く
学園長
学園長
学園長
私はここに来た本来の目的を告げることにする
レイ
元の世界に戻る手伝いをしてくれると言った学園長
実際は全然何の役にも立たなかったけど
それでもあの時欲しかった言葉を学園長はくれた
協力してくれると言ってくれた
私はこの決意を学園長に初めに伝えるべきだと考えた
学園長はこの世界に来て1番初めに手を差し伸べてくれた人だから
学園長
レイ
学園長
レイ
学園長
レイ
いつも暗い雰囲気を吹っ飛ばしてくれるこのデリカシーのない毒舌は存外悪くないもので私は好きだ
感謝を伝えそびれたがそれでもいいか
″ありがとう″の言葉は音には乗らず
笑顔として私の表情に乗った
学園長
レイ
この学校を卒業して無一文になったとしてもわたしは大丈夫だろう
この学校で素敵な仲間たちとの出逢えたから
いつかくるだろうその日を思い浮かべ暖かい気持ちが心を満たした
コメント
2件
すっげぇー感動する小説みたい