女体化⛄

スマホに録音された音声

3人は幼なじみで顔なじみ

“ダテ”も

別棟だけど団地住まい

3人であーだこーだ

飲んで食っちゃべ

急にダレる

スマホで録音した音声を再生して

お兄さん方に聴かせる

耳をダンボにする2人

言うまでもなく

微かに聞こえるその声は

夜の“お楽しみ”中

壁越しに聞こえるその声を

お姉さんはこそこそと

盗み聞きしていた

―♪(通知音)

モデルの彼は

撮影とロケで

あちこち国内外飛び回っている

玄関前で

返信に夢中になっていたら―

いつの間にか覗き見されていて

悲鳴を上げそうになった

何かまた

イヤな予感がするな…

お姉さんから逃げるように自室に入り

玄関ドアをバタンと閉める

すぐに施錠して

大きく溜息

別に悪い人ではないし

いい人なんだけどな…

オモチャ

お風呂上がりのビールは

至福のひととき

スマホを確認するも

新たなL○NEはなし

もう慣れっこなのか

彼女は1人の夜を楽しんでいる

急に寂しくはなるけど

離れていても彼がいると思うと

それだけでも心強いのは確か

ピンク色の

“オモチャ”のようなものが

足元に当たり

手に取る

小さいけれど

その“見た目”や“フォルム”からして

明らかに“アレ”

すれ違いざま

隣のお姉さんから手渡された

聞けば

たまたま寄ったゲーセンのクレゲで遊んでて

たまたまゲットしたのだとか

仲良くなりたいという気持ちは

分かるけどさ…

―♪(L○NE通知音)

彼からのL○NE

ホッと胸を撫で下ろす彼女

ピンクの“アレ”を

首筋に当てている

それなりの振動で

刺激もそれなり

ほろ酔いの彼女は

布団にごろんと横になると

その“オモチャ”を使って

“ひとり遊び”を始めた

夜の“お楽しみ”

アパートに戻ると

隣のお姉さんが相変わらず

玄関前で彼女を待ち構えていた

作り笑いを浮かべながら

自室の玄関ドアを解錠

玄関ドアを開けて自室に入り

ゆっくり静かに閉める

少し残念そうなお姉さん

帰国した彼を

ハグとキスで出迎える彼女

そんな2人のやりとりを

玄関ドアからこっそり顔を覗かせて

ただ見届けるだけのお姉さん

テーブルに戻るお姉さん

その表情はうって変わって

どこか冷めている

嫉妬しているのかな…

あたし…

彼の手には

ピンクの“オモチャ”が

スイッチ押して

“つんつん”

大好きな彼とイチャイチャで

彼女も嬉しそう

頬が紅く染まり

胸の鼓動も高まる

その一方で―

雑魚寝のお兄さん方をよそに

壁に引っ付いて聞き耳を立てる

お姉さんなのでした―

◆