出張から1週間が経った 夕方
早瀬 あみ
(今日のお迎えは余裕持って行けそう♪)
会社の外の柱から不意に人が出てきた
ドン!
早瀬 あみ
わ!
早瀬 あみ
すみません。大丈夫ですか?
早瀬 あみ
って。あなた。
元夫
久しぶり。
早瀬 あみ
何でここにいるの?
早瀬 あみ
もうあなたとは話す事もないって
早瀬 あみ
何度も言ってるじゃない。
元夫
俺は改心したんだ。
元夫
だから会いに来たよ。
早瀬 あみ
改心したってセリフだって
早瀬 あみ
何度も聞いたわ。
早瀬 あみ
でも、あなたはその場だけだった。
元夫
今度はそんな事ないよ。
元夫
また春斗(息子)と3人で
元夫
幸せに暮らしたいんだ。
そう言うとあみの手首を掴んだ。
早瀬 あみ
止めて!
早瀬 あみ
離して!
元夫
なぁ。お願いだよ。
早瀬 あみ
痛いよ!
小崎 悠輔
先輩!
早瀬 あみ
小崎くん!
小崎 悠輔
先輩を離せ!
元夫
あぁ?
元夫
お前誰だよ。
小崎 悠輔
早瀬先輩の後輩です。
元夫
後輩がうっせーな。
元夫
引っ込んでろ。
小崎 悠輔
先輩を離さないと警察呼びますよ?
元夫
何だと?
元夫
ガキが!
元夫は小崎の頬を殴った。
早瀬 あみ
小崎くん!
騒ぎを聞きつけ、ビルの警備員が駆け付ける
警備員
大丈夫ですか?
元夫
ちっ!
元夫
また来るよ。
警備員さんには大丈夫だと話し
騒ぎは収まった。
早瀬 あみ
小崎くん大丈夫?
早瀬 あみ
ごめんなさい。
早瀬 あみ
痛いよね?
小崎 悠輔
俺は大丈夫ですけど。
小崎 悠輔
先輩の手首赤くなってる。
早瀬 あみ
私は大丈夫だよ。
強く握られたせいか赤くなっていた
小崎 悠輔
ダメですよ。
小崎 悠輔
お子さんだって心配しちゃいます。
小崎 悠輔
俺のアパート近くなんで寄ってってください。
母親に連絡し、事情を話した
春斗をお願いした。
小崎 悠輔
ここっす。
早瀬 あみ
お邪魔します。
小崎 悠輔
散らかっててすみません。
早瀬 あみ
ううん。
早瀬 あみ
それより、小崎くん。
ホントごめんなさい。
ホントごめんなさい。
早瀬 あみ
私の家庭の事に巻き込んでしまって。
小崎 悠輔
全然!
小崎 悠輔
むしろ、これくらいなら大歓迎です!
早瀬 あみ
???
小崎 悠輔
先輩と二人きりになれるなら!
早瀬 あみ
何言ってるの!
早瀬 あみ
からかわないで!
小崎 悠輔
からかってませんよ。
小崎 悠輔
先輩。俺の事子供扱いするの止めてもらえます?
早瀬 あみ
子供扱いなんて。
小崎 悠輔
先輩の事口説こうとしても
小崎 悠輔
いつも「からかわないで」って
小崎 悠輔
本気にしてないじゃないですか。
早瀬 あみ
小崎くん、まだ若いし
早瀬 あみ
私みたいな、おばさんは……
小崎 悠輔
また言った。
小崎 悠輔
自分の事おばさんって言わないでって言ってるのに。
小崎 悠輔
ちゃんと女の子ですよ。
小崎 悠輔
今だってホントは元旦那さんの事で恐いんでしょ?
早瀬 あみ
……。
気が付くと、手が震えていた。
早瀬 あみ
これは。
早瀬 あみ
びっくりして。
小崎 悠輔
先輩。
小崎があみを抱きしめた。
早瀬 あみ
小崎くん?
小崎 悠輔
少し静かにしてて下さい。
早瀬 あみ
(何で?)
早瀬 あみ
(抱きしめられてる?)
小崎 悠輔
先輩。
小崎 悠輔
もうちょっとこのままでいて下さいね。
小崎 悠輔
殴られた分のお礼って事で。
早瀬 あみ
え。こんな事。
小崎 悠輔
先輩。
小崎 悠輔
俺だって男ですよ。
小崎 悠輔
部長や新井先輩と同じ男っす。
小崎 悠輔
少し年下ってだけです。
小崎 悠輔
先輩の事、好きです。
小崎 悠輔
バツイチとか、子持ちとか、関係なく、女性として見てます。
小崎 悠輔
だから、先輩も俺を
小崎 悠輔
男として見て下さい。
早瀬 あみ
……うん。
早瀬 あみ
わかった……。
小崎 悠輔
あ。早く手首冷やさないと!
そう言うとキッチンへ氷を取りに行った
早瀬 あみ
(びっくりした。)
早瀬 あみ
(小崎くんって以外と背高かったんだ。)
早瀬 あみ
(いつのまにか震えも止まってる。)
小崎に手当してもらい帰宅した。